ミステリーのススメ~私が面白いと思う理由および、独断と偏見に基づくおすすめ本11選~

こんにちは。今回は、私が大好きなあるものについてお話してみます。

それはズバリ、タイトルにもある通り「ミステリー」です!

ミステリーと聞いて、みなさんは何を思い浮かべるでしょうか?
「謎」「神秘」「不思議」といった、英単語の意味でしょうか?
名探偵コナンや氷菓などといった、推理物のアニメでしょうか?
それとも今からお話ししようとしているような、ミステリー小説でしょうか?

私は、ミステリー小説(推理小説/探偵小説)が大好きです。ミステリーであれば、アニメやドラマ、映画、あとはゲームなども好きですが、一番好きなのは小説です。

そこで、ミステリー小説の魅力を語り、あわよくばミステリーファンを増やしたいなと言う気持ちでこの記事を書き始めました。
絵の話ばかりというのも味気ないので、今後も小説の話などを挟んでいけたらなと思っています。

まずはさっそく、ミステリーが面白いと思う理由について話してみます。

【ミステリーが面白いと思う理由】

 1.謎解きの爽快感

ミステリーの醍醐味は、何と言っても謎解きです!

例えば殺人事件が起きて、犯人が誰なのかを考える。あるいは、犯人がすでに分かっていて、動機やトリックを考える。

自分で推理するのも楽しいですし、全然分からなかったとしても、謎解きの爽快感は格別です。

特に伏線がきっちり張られた小説であれば、「あれはそういう意味だったのか!!」とひときわ大きな感動を得ることができます。

また、序盤がさして面白くなくても、謎の結末が知りたいというだけの理由で最後まで読まされてしまいます。私の場合、ミステリーで途中切りした作品はほぼ皆無です。

なんか悔しいと思いつつ、結局、最後まで読んで後悔することはありません。ミステリーにとって、謎解きの爽快感はそれだけ重要なんだと思います。

本当に、あの爽快感だけは他のどのコンテンツからも得られないので、病みつきになっちゃいます。

 2.社会問題の提起

謎が生じる裏には、必ず動機があります。

そして、工夫して謎を考えるくらいですから、その動機も一筋縄ではいきません。背後に社会問題が潜んでいることも多いです。

ネタバレになってしまうので実例は出せませんが、ミステリーを読んだことがある人なら、少なからず思い当たる節があるのではないでしょうか?
犯人の生い立ちに福祉の問題が絡んでいたり、探偵役が痛快に政治を皮肉っていたり……

もっともここで言いたいのは、「社会問題についても学べて勉強になるね!」なんてことではありません。
もちろん、「勉強になるね!」でもいいんですが、別に勉強は別のところですればいいと思うんです。

では、何が言いたいのか?

それは、感情移入しやすいということです。

社会問題というのは自分にとっても身近な場合が多いですから、ついつい登場人物に共感してしまいます。

シリアスな内容であればあるほど、その共感の深さも大きくなります。

それによって、より一層物語世界を楽しめると思うのです。


以上が、私がミステリーを面白いと思う理由です。
次が本題。オススメのミステリー小説を紹介していきます。

【独断と偏見に基づいたオススメ本11選】

基本的には「とっつきやすさ」「謎解きの爽快感」の2点を重視して選びました。

知らない作品があれば、ぜひぜひ読んでみてください!!

※記事内のURLは商品の参考として載せているものです。リンク先からご購入される場合には、必ず各自の判断でお願いいたします。

◎普段小説を読まない方にもおススメな4冊(シリーズ)

1.はやみねかおる『名探偵夢水清志郎事件ノート』シリーズ(講談社青い鳥文庫)

私的とっつきやすさナンバーワン。

常識はずれな名探偵・夢水清志郎と、主人公の亜衣ちゃんたちが様々な事件に挑むシリーズです。
青い鳥文庫から全12巻刊行されています。
(新シリーズを含めると、もうちょっと多いです)

児童書ですが、子供向けだと侮ることなかれ。大人でも存分に楽しむことができます。

まず、ミステリー部分がキッチリ作りこまれています。子供だましの単純な謎ではなく、大人でも頭を悩ませられるようなものが多いです。
どの巻を読んでも、読了した時には「うわー、なるほど! うわああああ!」と語彙を喪失するくらい感動します。
伏線の張り方もすごいし、動機も真に迫ったものがあるし、とにかく完成度が高いと思います。面白いです。

それから、キャラクターの魅力もバツグンです。
様々なキャラが突飛なことをするので、ついつい笑ってしまいます。
特にコメディが好きな方にオススメです。

難点としては、どうしても好みが分れてしまうということでしょうか。笑いどころが多いのですが、その分、笑いのツボが違うと「ついていけないな」となってしまうかもしれません。

なので、まずは最初の1巻(『そして5人がいなくなる』)を読んでみて、面白かったら続きも読んでみるといいかもしれません。

2.青柳碧人『浜村渚の計算ノート』シリーズ(講談社文庫)

こちらは数学を題材にしたミステリーです。短編連作形式で、現在11冊刊行されています。(最新刊は「9さつ目」ですが、番外編的なのが2巻あるので、合計11冊です)

舞台は、数学が義務教育から排除された日本。数学の地位向上を目指すテロ組織「黒い三角定規」と、主人公たちが対決するストーリーです。主人公の浜村渚は中学二年生。数学が大得意で、その数学愛を生かして、事件を解決に導きます。

少年探偵団のように子供がメインで活躍するわけではなく、警視庁の捜査に渚が協力している形です。

このあらすじを見ると、「数学苦手なんだよな……」と躊躇してしまう人がいるかもしれませんが、この作品はそんな人にこそ読んでほしいシリーズです。
分かりやすく、そして面白く、数学の魅力を伝えてくれます。

ミステリー部分には、読んでいて辛くなるような複雑なトリックは出てきません。確かに頭は使うのですが、「面白い!」と思えるように工夫されています。

また、キャラクターが一人一人とても魅力的なので、キャラ小説として楽しむのもアリかもしれません。
私は語り手の武藤さんが大好きなので、武藤さんが危険な目に遭う度にきゃあきゃあ言いながら読んでいます。

是非、手に取ってみてください!

3.東川篤哉『謎解きはディナーの後で』シリーズ(小学館)

ドラマ化・映画化されたことがあるので、ご存じの方も多いかもしれません。イラストは中村佑介先生が担当されています。

大富豪のお嬢様・宝生麗子が自身の立場を隠して警察官として事件解決に挑む物語です。より正確に言うと、麗子が執事の影山に事件の謎を解かせる物語です。
いわゆる安楽椅子探偵ですね。影山の有能さ&毒舌っぷりがすごいです。

シリーズもので、1話1話が短くコミカルに描かれているので、サクサク読むことができます。デスクワークの休憩で少しずつ読み進めるとちょうどいいかもしれません。

内容は……ただただひたすらに楽しい! そんな重い話とかは無いです。

個人的には、風祭警部が大好きです。あの鋼メンタルを見習いたい。

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4.西尾維新『忘却探偵 掟上今日子』シリーズ(講談社)

こちらもドラマ化されたので、ご存じの方が多いかもしれません。とはいえ、ドラマの内容はかなり原作と違ったので、原作を読むとまた違った楽しみ方ができると思います。

探偵役は、寝ると記憶がリセットされてしまう忘却探偵・掟上今日子さん。今日子さんは記憶がリセットされる前に謎を解いてみせるので、最速の探偵として知られています。

大抵は助手役を務めるキャラが語り手となり、今日子さんのもとに依頼を持ち込んだり、事件に巻き込まれたりします。

このシリーズも、サクサクと読み進めることができます。言葉回しや文章のテンポなど、作者独特の雰囲気が感じらて、それも面白いです。

忘却探偵の特性を活かしたストーリーが多いのも新鮮で、楽しく読めました。

ぜひ手に取ってみてください!

◎ミステリー入門としてオススメな7冊

今度は、ある程度小説を読みなれている方へのおススメ作品です。有名なものが多いので、もう知ってるよ! ってなっちゃうかもですが、もし知らない作品があれば参考にしてください。

1.麻耶雄嵩『さよなら神様』(文藝春秋)

小説を読まない人向けの方に分類しても良かったくらい、読みやすい作品です。

ただ、かなりクセの強い内容なのでこちらに分類しておきます。

主人公は、探偵団に所属する小学生。
事件が起こるたびに調査に乗り出すのですが、犯人を言い当てるのは探偵団の彼らではなく、「神様」を自称する鈴木というクラスメートです。
しかも鈴木は「神様」なので、謎を解いているわけではなく単に事実を述べているだけとのこと。
そんな感じのちょっと不思議な連作短編集です。不思議と言っても、事件自体はとても現実的なもの。ファンタジー要素は皆無です。

さて、クセが強いと言いましたが、私はこの雰囲気が大大大好きなので、どうすればネタバレせずに魅力を伝えられるか考えています。

まず、1話1話のミステリーとしての完成度が高いです。「なるほど!」と思わされます。

しかも、キャラの数が結構多いのに、混乱せずにすんなり理解することができます。文章と構成が非常に分かりやすいです。

また、短編連作形式なので、一つの長編として楽しむことができます。これがもう、とにかく面白いです。

次に、文章がすごく綺麗です。綺麗と言うか、味があるというか、巧いというか……。
各短編が全て同じ始まり方をしているのも面白いですし、一番最後の台詞も最高だなと思います。
他にも要所要所の文章がとにかく良くて、とても好きです。

ぜひ読んでみてください。

2.天祢涼『あの子の殺人計画』(文藝春秋)

社会派ミステリーです。数か月前に読んだばかりなのですが、自分の好みドストライクだったので、紹介してみます。

本筋となる事件は、風俗店のオーナーが刺殺されたというものです。
きさらという女児の母親が殺人容疑を掛けられるのですが、彼女にはきさらと一緒にいたというアリバイがあります。
ところがどうも、きさらには虐待されているような雰囲気があり、刑事たちは疑いの目を強めます。

母親のアリバイは本物なのか。犯人は誰なのか。そして、きさらは虐待されているのか。

女児「きさら」と、刑事「真壁」の視点が交互に入れ替わりながら、真実に迫っていくストーリーです。

これ以上言うとネタバレになってしまうので、ぜひぜひ読んでみてください。

ミステリーも人間ドラマも秀逸です。好き!!

3.中山七里『さよならドビュッシー』(宝島社)

このミス大賞受賞作。

何も聞かずに読んでくれと言いたいところですが、それは流石に雑すぎるので、少しあらすじを紹介します。

主人公は火事で全身に大やけどを負い、かろうじて一命をとりとめた少女です。
しかし音楽科のある高校に進学するため、ピアノを弾かなくてはなりません。

リハビリをしながらピアノの練習をするという過酷な状況に現れたのが、岬洋介というピアニスト。
岬先生の指導の下、主人公はピアノの練習に励みます。

ここまでみると、スポコン系の小説?と思われるかもしれませんが、それだけではありません。

ピアノの練習に励む主人公の周りで、次々と不穏な出来事が起こります。

主人公を狙っているかのような、数々の事件。一体、犯人は誰なのか? そして、その目的とは――?

といった内容。

音楽の描写が非常に美しいのと同時に、主人公の境遇には色々なことを考えさせられます。
そして何よりも、ミステリー部分が圧巻です。

ぜひ読んでみてください。
ちなみに映画化もされているそうです。未視聴なので、いつかチェックしたいなと思っています。

  • 小説
  • 映画

4.柚月裕子『盤上の向日葵』(中央公論新社)

正統派本格ミステリ。今までの作品は物語が起伏に富んでいるものが多かったのですが、こちらはやや地味めな内容です。地味ですが、とても面白いです。
以前、千葉雄大さん主演でドラマ化もされていました。

あらすじは以下の通り。

まず、山中で白骨遺体が見つかります。遺体の傍にあったのは、超希少な将棋の駒です。遺体の身元が誰なのか、そしてなぜ非常に希少な将棋の駒が一緒に埋められていたのか。
それを辿るために、2人の刑事が捜査に乗り出します。

一方、将棋界では、若き天才・上条桂介が注目を集めていました。彼の半生を振り返るストーリーと、2人の刑事が捜査をするストーリーが交互に描かれるという構成です。

この2つの物語がどのようにかかわってくるのか。
推理しながら読み進めるのが、とても楽しいです。

個人的に一番好きなのは、最後の場面の描写です。
超ネタバレだから詳しくは書けないんですけど、とにかく美しくて、ぞっとしました。

ぜひ読んでみてください。

5.今村昌弘『屍人荘の殺人』シリーズ(東京創元社)

本格ミステリ。映画化もされた話題作ですね。物理トリックが多めで、かなり頭を使います。

第一巻『屍人荘の殺人』のあらすじは、以下の通り。

主人公たちミステリ愛好会の面々が映画研究部の夏合宿に参加するのですが、諸事情あって別荘に閉じ込められてしまいます。
そして、そこで部員が殺されていくというクローズドサークルものです。

面白いのは、超常現象が当然のように出てくるところです。いや、当然のようにと言うのは言い過ぎかもしれません。
でも、超常現象の類が、自然な形でトリックに使われています(謎解きに支障が出るような、ずるい感じではないです)。
それが新鮮で、とても面白いです。

あと私が好きなのは、葉村君(語り手)と比留子さん(探偵役)、明智さん(探偵役)の関係性ですね。
ここがもう、たまらないです。特に二巻以降が良いなと思っています。

映画はだいぶ原作と違うので、原作未読の方はぜひチェックしてください!

遠田志帆先生のイラストも美しいです。

6.道尾秀介『向日葵の咲かない夏』(新潮文庫)

ミステリーとホラーって、相性がいいですよね。

どちらも謎や不気味な要素があるからでしょうか。ホラー要素があるミステリーは多いです。

しかし正直に言うと私は、「ホラーが苦手なミステリー読み」なので、がっつりホラーに傾いているミステリーが苦手です。

なぜこんな話をしたかと言うと、この作品がビミョーにホラーっぽいからです。
めちゃくちゃぞっとするのですが、ホラーが苦手な私でも楽しめてしまうくらい、ミステリーとして面白かったです。

あらすじは以下の通り。

夏休みを迎える終業式の日、主人公のミチオは、欠席した友人のS君が首をつって死んでいる現場を目撃します。
ところが不思議なことに、その死体はすぐに無くなってしまいました。
そして代わりに、「あるもの」に姿を変えたS君がミチオの前に現れて、言うのでした。「僕は殺された」と。

ミチオはS君の訴えを聞いて、妹のミカとともに捜査に乗り出します。

この時点でちょっとホラーなんですが、読み進めるにつれて、もっとぞっとさせられます。人間の異常性がまがまがしく描写されているのです。

そして、びっくりするような展開がたくさん待ち受けています。

本当に面白いです。ぜひ、読んでみてください。

ちなみに道尾秀介先生の作品はどれも面白いものばかりなのですが、こちらの公式サイトにて「自分へのおすすめ本」を探すことができます。
私はこのチャートから、『風神の手』と『スケルトン・キー』に辿り着きました。
ぜひ次の一冊を探してみてください。

  • 『風神の手』
  • 『スケルトン・キー』

7.クリスティ『アクロイド殺し』(ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

古典です。

イギリスの小さな村にて、未亡人の女性が薬を過剰摂取して亡くなるところから物語が始まります。
ですが肝となる事件はそれではなく、その亡くなった女性から最後に手紙を受け取っていた富豪の男性が、何者かによって殺害されたというもの。

親戚や使用人、謎の男など多くの登場人物がいる中、一体だれが犯人なのか?

名探偵のポワロが事件解決に挑みます。

登場人物一人一人が何かしらかの秘密を抱えているせいで事件が混迷を極めていくのですが、その過程が本当に面白いです。あと、ラストシーンの描写がとても美しいですね……。

この作品は謎解きの爽快感が格別なので、ミステリー作品の中でも特に、ネタバレなどを読まないでおくことをおススメします。

ぜひ手に取ってみてください。

【まとめ】

以上、おすすめのミステリー小説を紹介してみました。

びびっと来るものがあれば、ぜひ手に取ってみてください!

また、今回紹介した小説家さんたちは他の著作も面白いものばかりなので、1冊読んでみて「いいな」と思ったら、ぜひほかの本も読んでみてください。

そしてミステリーにはまったら、御手洗潔シリーズや館シリーズを読んでいくとさらに面白いのかなと思います。
もちろん、本格派(この定義もよく分からないけれど……)に進まないで、ライトな作品ばかりを読むのも楽しいですし、変化球的な作品に凝るのも楽しそうですよね。
私自身、ライトなものを中心に読んできたせいで、有名なのに未履修な作品が数多くあります。今まさに、ちょっとずつ読んでいるところです。とても楽しい。

ではまた次回!
最後まで読んでくださって、ありがとうございました。

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