公募やコンテストの探し方と、応募するときに気をつけていることのまとめ

こんにちは。甘抹らあです。絵を描く人です。
今回は、イラストの公募やコンテストの探し方をいくつか見ていきたいと思います。
絵を描くのが好きな人や、イラストレーターを目指している人、一度はコンテストに応募してみたいなって思ったことがありませんか?
コンテストで受賞すれば、賞金や賞品を手に入れることができます。
そうでなくても、明確なテーマや〆切が与えられるので、メリハリをつけて作品制作に取り組めるようになる……かもしれません。
とはいえ、公募やコンテストは山ほどあります。
一体、どうやって探したらいいのか。
たくさん見つかったはいいけど、全部に参加していたらキリが無い。
と、迷ってしまう方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、コンテストの探し方と、私が応募先を決める上で注意しているポイントについて、お話してみたいと思います。
参考程度に読んでもらえたら嬉しいです!
※結果が出せているわけではないので、「コンテストを探す方法」の参考として考えてください。選ばれるコツとかは全然分かりません! 私が聞きたい!
※追記:自分がいくつかコンテストに参加してみた結果を、別の記事にまとめました→【2021年下半期】イラストコンテスト結果まとめ【作品制作の過程と結果、反省など】
【コンテストの探し方】
まずは様々な公募をまとめて紹介してくれているサイトがあるので、そちらをご紹介します。
登竜門
1つ目が、『登竜門』というサイトです。
「イラスト 公募」とかで検索するとすぐに出てくるので、ご存じの方も多いかもしれません。
こちらのサイトでは、分野別・〆切順に様々な公募が紹介されています。(イラスト以外にも、様々なジャンルを網羅しています)
ジャンルを選択すると、まずはずらっとおすすめのコンテスト一覧が並んでいます。おすすめの基準が何なのかは分かりませんが、私の場合はとりあえずその下に目を移します。
「おすすめのコンテスト」の下に、すべてのコンテストが並んでいます。
順番は締め切り順です。
締め切り順になっているおかげで、自分の予定にあわせてコンテストを探せます。
一覧のページで確認できる情報は、【コンテスト名】【賞の内容(賞金など)】【主催】【〆切】の4つです。
気になるものがあれば、クリックして詳細を確認しましょう。
それぞれ公式HPへのリンクもつけてくれているので、自分で検索する手間が省けます。
特徴としては、本名で参加する形式のものが(比較的)多いことが挙げられます。
事前に登録が必要だったり、デジタルではなくアナログでの制作が求められていたり、作品を郵送する必要があったり、ものによって要項も様々です。
小学生の時に夏休みの宿題で参加していたポスターのコンクールに近い感覚ですかね。
そこまで気軽に参加できるっていう感じではないかもしれません。(もちろんものによっては、ペンネームだけで簡単に参加できます)
主要なコンテストはおおよそ網羅されています。そんな感じです。
公募ストック
2つ目が、公募ストックというサイト。
上部のタブから、「カテゴリー別」→「イラスト・キャラクター」もしくは「アート・絵画」と移動すると、イラスト関連の公募を見ることが出来ます。
大きな公募だけでなく、後ほど紹介する、pixivやArt Streetなどで定期的に開催されている小さなコンテストまで網羅されているようです。
なんとなくの肌感覚ですが、登竜門よりも範囲が幅広いように思えます。少しでも多くの公募をチェックしたい方は、こちらのほうが良いかもしれません。
メールアドレスを登録することで、週に1回公募情報をまとめて送ってくれるシステムもあるみたいです。
欠点としては、締め切り順にチェックすることが出来ないことでしょうか。
「締め切り間近!」という特集はあるのですが、カテゴリー別に、公募を締め切り順に並べ替えることは出来ません。
いや、よく探したら方法があるかもしれないのですが、少なくとも私には見つけられませんでした。ごめんなさい。
そんな感じです。
公募ガイドONLINE
「公募ガイド」は有名な雑誌ですね。こちらのサイト「公募ガイドONLINE」は、そのオンライン版です。
「公募を探す」のページに行くと、「大カテゴリ」「小カテゴリ」「締め切り」「応募資格」「フリーワード」の5項目を入力して、公募を探すことが出来ます。
指定が細かいですね。すごい!
検索結果は、「新着順」「古い順」「締め切りが近い順」「締め切りが遠い順」「人気順」「人気が少ない順」に並べ替えることが出来ます。
これも便利!
ラインナップは先程の公募ストックと似たような感じで、かなり幅広く網羅されています。
会員登録(無料or有料)をすると、さらに使える機能が増えるそうです。
公募ガイド主催の賞の入選作品が読めたり、ポートフォリオを作成できたり、簡単に公募に参加できるようになったり、公募ポイントを貯めてグッズと交換したり……
公募に力を入れて取り組みたいという方は、登録するとオトクかもしれませんね。
以上3つのサイトは、公募をまとめたものなので、内容がかぶっている部分も多いです。
全部をきっちりチェックするよりは、使いやすい場所を主軸にし、余裕があれば他のサイトも見るくらいの感じが良いのかなあと、個人的には思いました。
以下、その他のサイト(まとめ系ではないもの)を紹介していきます。
pixiv
有名なイラスト投稿サイトのpixivです。
pixivでは多数のコンテストが開催されています。(トップページからそのまま下にスクロールしていけば「募集中のコンテスト」という項目があるはずです)
タグを付けて投稿するだけなので、気軽に参加できるのが特徴です。
企業協賛のものも多く、大きな賞を受賞できると知名度も上がるみたいですね。
特に高校生の方なら、毎年参加できる大きなイラコンがあります!
私は高校生の頃デジタルを一度も使ったことがなく、pixivの存在も知らなかったので参加できませんでしたが、すごくもったいないことをしたなあと思っています。
現役高校生の皆さんは、ぜひぜひチャレンジしてみてください!
またPixivでは、抽選で賞品をくれるケースもありますね。受賞しなくても賞品ゲットのチャンスがあるのは嬉しいです。
私は、小説で2回アマゾンギフト券をもらったことがあります。1回は賞を頂いたときの賞金、もう1回は抽選の結果でした。
例がイラストじゃなくて申し訳ないんですが、こんなふうに意外と賞金もらえちゃうんだよという実例です。
参加できそうなときには、積極的にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
Art street
次に紹介するのが、Art streetというイラスト投稿サイトです。medibang paint(メディバンペイント)というお絵描きアプリと同じ系列のサイトです。
このサイトでも、毎月コンテストを開催しています。少し賞金も出るので挑戦してみたら良いと思います!
pixiv同様、タグをつけて投稿するだけなのでとっても簡単です。
また、medibang paint以外のツールで描いた作品も投稿できます。クリスタやSAI、Photoshop、procreateなどを使っている方も安心です。
ILLUST DAYS
こちらは講談社が運営しているイラスト投稿サイト「ILLUST DAYS」です。
同じ系列に、小説投稿サイトのNOVEL DAYS、マンガ投稿サイトのDAYS NEOがあります。全て同じアカウントで管理できたはずです、確か。
このサイトでもたまにコンテストをやっています。
私が初めて小説を投稿したのがNOVEL DAYSだったので、当時はよくチェックしていました。
印象的だったのは、空想科学新聞のカットイラスト(継続案件)のコンペが開催されていたことですね。これって結構すごい仕事じゃない? って思って驚きました。実はそうでもないのかな、ちょっと分からないけど。
この間久しぶりに覗いてみたら、今度は伊坂幸太郎先生の小説の新装版のデザインを公募していました。あと、青い鳥文庫の新シリーズのイラストレーターさんも。
……え、いや、まじかよ。
意外と大きな案件な……気がする……。なんか、すごいですね。
小説投稿サイト
こっちは穴場というか邪道というか……って感じですが、小説投稿サイトでコンテストを開催していることもあります。
ノベルアッププラスでは、毎年(といっても、まだ2回ですが)イラストとスタンプのコンテストをやっています。
web小説が好きな方は、参加してみると楽しいかもです。
雑誌
雑誌で公募しているところもあります。
季刊Sは最も有名なイラスト投稿雑誌でしょう。Webから簡単に応募することが出来ます。
競争率も激しいかもしれませんが、掲載されればたくさんの人の目に触れさせることが出来ます。
また、ペンタブレットdeアート投稿コンテストは今年で15回目です。とても大きな企画なので、絵描きさんは毎年の目標にしてもいいかもしれません。
偉そうに言ってますが、私は今年が初参加でした笑
来年も参加したいのでがんばります。
博物館に行った時とか、パンフレットを漁ってみると何かあるかも
最近はあまり出かけられていないのですが、コロナ禍の前には博物館や美術館でよくパンフレットを見ていました。
大抵、入口付近or出口付近にチラシやパンフレットが並んでいるコーナーがありますよね。
そういう場所に、ごく稀にですが公募のお知らせがあることもあります。
SNSのチェック
私の場合、SNS経由――特にTwitterで公募を知ることも多いです。
例えば、灸場メロ先生にとても憧れているのですが、メロ先生が「審査員をやります」とツイートしていたことで、ヒューマンアカデミーのイラコンを知りました。
また、色彩検定×すけぶ交流会の企画「色の擬人化コンテスト」の存在を知ったのは、さいとうなおき先生のツイートがきっかけでした。
こんなふうに、フォローしているイラストレーターさんが審査員をやると宣言することで目に入る公募も多いです。
自分が好きでフォローしているなら、そのコンテストにも参加したくなっちゃいますよね!
また、審査員サイドではなく参加者サイドで「今度これ参加する」とか「こんなコンテストあるんだ!」とか呟いている方も多いので、それで知るのもあります。
皆さんも是非、Twitterを活用してみてください。
もちろん、やりすぎは禁物です(笑)
【番外編】
コンテストと言うよりかはお仕事になってしまいますが、下記のアウトソーシングサイトでもコンペが行われています。
金額はものによって様々です。
コンペの内容も、ちゃんと完成したものを出して欲しいというものから簡単なラフ画で良いものまで色々。
募集を出している人は、企業ではなく個人のケースが多いです。
よく募集内容を読んでから、お仕事として責任を持って応募しましょう。
(あと、変な人に引っかからないように気をつけましょう……)
いずれも、事前にサイトに登録する必要があります。
●SKIMA
「リクエスト」のページで「コンペ形式」「受付中のみ」と指定して検索すると、探すことが出来ます。(必要に応じて、カテゴリも絞ってください)
●ランサーズ
●クラウドワークス
いずれも、「仕事を探す」→「コンペ」で探すことが出来ます。ジャンルが雑多なので、カテゴリも絞った方が良いと思います。
【参加する公募を決める上で、気をつけていること】
以下は、個人的に気を付けていることです。
ご参考までにどうぞ。
主催の信用性
まず、主催が信用できるかどうかというのはとても大事なところだと思います。
多くのコンテストでは個人情報を開示することになるので、得体のしれない人に個人情報を渡すなんて嫌ですよね……。
個人情報を渡すとまではいかなくても、変な関係ができてしまうと厄介です。
なので、会社のホームページや評判、実績、過去になにかやらかしていないか等、よくチェックしてから参加するのがおすすめです。相手が個人の場合も同じです。
SNSとかも、多分見ておいたほうが良いと思います。たまにめちゃくちゃ攻撃的な人がいるので……。
著作権の扱い
受賞した場合、著作権を主催側に譲渡するケースや、限定的に著作者人格権の不行使を求められるケースがあります。
ほとんどのコンテストでは、宣伝のためだったり、そもそも主催者のキャラを利用していたりと、「まあ、そりゃそうだよね」という範囲での権利譲渡&賞金設定になっているのですが、中には酷い条件のものもあります。
そのため、よく条件を確認して、納得してから参加するのが大切だと思います。
私の場合
- 著作者人格権の不行使の中でも、不行使の対象に関して一切言及がないケース
- 理由や用途が分からないのに、著作権譲渡を求めてくるケース
- 権利譲渡の対価が見合っていないケース(5000円でキャラデザして立ち絵描いて著作権も譲渡してね、みたいなもの)
などは警戒します。
費用対効果
「そのコンテストに参加するための労力」と、「参加することによって得られるもの」のバランスも重視しているというお話です。
まず前者について。
作品を作るためには多くの時間と労力が必要です。
作品そのものを制作する時間もそうですし、事前に登録等が必要な場合には、登録の手間がかかります。稀に、参加費用が発生するケースもあります。
また、ある程度は傾向と対策を練ったほうが良いでしょうから、その時間も必要です。
もちろん、応募要項はきちんとチェックしなければなりません。
このあたりの労力がどのくらい必要なのかを、予め考えておきます。
次に、後者について。
参加した場合に、どれだけのものが得られるのか。
大きな企画であれば、受賞できれば、実績も賞金も賞品も知名度も手に入ってウハウハかもしれません(笑)
一方、そこまで大きな企画でなければ、受賞できたとしても、賞金が少額であったり、知名度UPには繋がらなかったりするかもしれません。
また、案件によっては実績公開が不可というケースもあります。
ですがもちろん、受賞することだけに意味があるわけではありません。
本気絵を描くことによって、画力の飛躍が見込めるかもしれません。
実績公開が可能であれば、ポートフォリオに載せる作品もできます。
相手の要望に合わせて描く経験をすることで、新たな気づきが得られるかもしれません。
それに受賞に至らずとも、講評がもらえるケースや、審査員の目に留まって名前を知ってもらえるケースがあるかもしれません。
そのあたりのことも、対価として考えます。
こういった費用対効果を考えた上で、メリットがあると感じた場合には参加を決めるようにしています。
スケジュール管理
締め切りの把握はとても重要です。
今抱えている案件をほっぽりだしてコンテストに参加するのは流石にまずいので
1.無理なく参加できるかどうかをチェックする
2.どうしても参加したいコンテストなら、それに合わせて他の仕事を調整する
この2つを意識しています。
自分が目指している方向性
自分の方向性に合っているかどうかというのも、大切なポイントだと思います。
例えば、バッチバチの少女漫画みたいな絵を描きたいのに、ゆるきゃらコンテスト(例えば、いらすとやさん風の絵)で実績を作ったとしても、あんまり嬉しくないですよね。
(もちろんこれは、ゆるい絵柄がダメということではなく、自分の目標とのズレが大きいのは困るよねということ)
無論、実績があるにこしたことはないです。
ジャンルが違ったとしても、ゼロよりは遥かにましでしょう。
自分が描きたいものは後から描けばいいし、まずは色々やってみないと方向性すら見えないというのは事実だと思います。というか私自身、色んなジャンルに手を出しがちです。
ただ、あれもこれもと頑張ってしまい、本当にやりたかったはずのことが蔑ろになってはマズイと思うのです。
前に聞いた話なんですけど、やっぱり絵のお仕事って、過去の実績を見てご依頼に至るケースが多いみたいなんですよね。
つまり、一度ゆるきゃらで認知されてしまうと、そのあともどんどんゆるきゃらの仕事が振られることになります。
本当は少女漫画っぽい絵が描きたいのに! と思いながら、延々とゆるきゃらを描くことになるわけです。
ちょっと、もったいないですよね。
本来やりたいことと両立できるなら、全然問題ないんですけど。
もちろん、お金のため、生活のため、と思えばそれでも良いかもしれません。
何でも楽しく描けちゃう人なら、それもそれで良いかもしれません。
ただ、自分の強みを作るという意味でも、意識的に自分の方向性をコントロールできた方が良いんだろうなとは思いました。
【総括】
以上、公募やコンテストの探し方についてまとめてみました。
公募をまとめているサイトや、イラスト投稿サイト、SNSなどを活用して、自分にあったものを探してみてください!
私自身が各コンテストに参加してみてどうだったかという結果については、年末年始あたりにご報告する予定なので、気になる方がいらっしゃれば見に来てください。Twitterでもお知らせします。
※追記:コンテスト結果の記事を書きました→【2021年下半期】イラストコンテスト結果まとめ【作品制作の過程と結果、反省など】
お仕事のご依頼はお問い合わせページまでどうぞ。
それでは、また別の記事で!
少しでもお役に立てれば幸いです。