3ヶ月上達法を1年くらい続けてみた体験談【感想や実際の作品、分析などまとめ】

こんにちは、甘抹らあです。絵を描く人です。

今回は、3ヶ月上達法を1年くらい続けてみた体験談ということで、実際の作品を交えながらまとめてみました。

まず、3ヶ月上達法とはなにか?
これは、イラストレーターのさいとうなおき先生が提唱されている練習方法です。

詳しくはこちらの動画『【完全版】イラスト最速上達法』をご参照ください。

ごく簡単に言うと、目標にする絵柄を決め、その絵柄と自分の絵の違いを分析しながら画力の向上を図るやり方ですね。

私は1年ほど前にこの動画を拝見し、3ヶ月上達法を実践しました。
最初の3ヶ月が終わった後も、基本的には同じ考え方で練習を続けています。

そこで今回、この1年の成果をまとめてみることにしました。
これから画力を上げていきたい! と思っている方の参考になれば幸いです。
もちろん私も、まだまだ成長していきます!

【スタート時点の状況】

3ヶ月上達法を始める前のイラスト経験は以下の通りです。

  • 小中高の合計9年間、漫研(に該当する部活)に所属。部内では一番下手、かつ独特。
  • 主に透明水彩を使用
  • モノクロの場合は漫画用原稿用紙にGペン
  • デジタル経験はほぼゼロ

当時の絵が、こんな感じです(タップで拡大できます)。

ホラーフィルムのような絵(透明水彩)
暗い部屋でプールに使っている男の人の絵(透明水彩)

ここから少しずつ変化していきます。

【2020年8-11月(1回目の3か月上達法)】

まず、最初の3ヶ月についてです。

目標にしたイラストレーターさんは羽住都先生でした。

羽住先生は、小説の表紙や挿絵を中心に描いていらっしゃる方ですね。 最近は乾石智子先生の小説作品の表紙というイメージが強いかもしれません。 立体感と透明感が感じられる、とても繊細な絵柄だなと思っています。

綺麗な絵も可愛い絵もかっこいい絵も全部魅力的で、とにかく大好きです!

主に透明水彩でアナログ画を描いていらっしゃいますが、デジタルも使っていらっしゃるようです。今までに2冊画集を刊行されています。

真似してどうこうなるレベルじゃない目標だな……とは我ながら思いましたが、それでも羽住先生の絵を目標にしてみました。

1巡目

1巡目の最初に描いたイラストがこちら。

刃物を構える男の子の絵

Photoshopで描きました。目標に近づけるという意味では透明水彩にするべきだったのかもしれませんが、デジタルを使えるようになりたかったのです。

分析の内容は以下のとおりです(当時のものをそのまま書き写しています)。

実際には、作品を印刷してそこに書き込んでいました。

【顔】
 ・つるっとしすぎている:頬骨の出っ張っている感が無い
 ・目が大きい:もう少し目蓋を意識したい。横幅をもっと狭くするべき。

【手】
 ・線を細くして、影を丁寧に細かく入れる
  →関節を意識(関節の色が濃い)
   爪も気持ち描く(本当にきも~ちで良い。状況によってはちゃんと描く)

【服の皺】
 ・尖っているところをもっと尖らせたい
 ・同系色でいいので、ベストの影にも反射光を入れたい(真っ黒は避けたい)
 ・ベストの皺はもっと多くて良い。というか、増やそう。

【他】
 ・マントの紐をちゃんと描こう(これだと、どうなってるのか分からない)
 ・ベストのボタンもちゃんと描こう。

【構図】
 ・真正面よりも、若干フカンやアオリにした方がかっこいい?
 ・デザインチックなものでよいから、背景を描きたい
 ・動きが欲しい

【バランス】
 ・もう少し肩幅を広くしたい。それか、顔を小さく。(要は比率の問題)

【全体】
 ・色数が少ない?→影の色相が、元の色相に近すぎる。
 ・肌色が強すぎる→もう少し、白や黄色に近くて良い。
 ・線画の線が太すぎる→全体に粗く見える(喉仏と胸鎖乳突筋は影だけでよくない?)
 ・影ももっと細かく入れたい:影の境界をもう少しくっきりさせるのも大切かも(メリハリ!)
 ・立体感が欲しい(解決策は不明)

以上の分析に基づいて、まずは顔の描き方を見直すことにしました。

練習はおもにアナログです。デジタル以前の問題として、バランス感覚が欠如していると思ったからです。

まずは羽住先生の線画をトレースして、普段の自分の絵とのバランスの違いを確認しました。
トレースに使わせていただいたのは、以前購入して手元にあった画集の絵です。
もちろん、Twitter等には一切公開していません。

こんな感じで、顔の描き方を分析していました。(この絵は模写/トレスではなく自力で描いたものです)

顔の練習をした時の記録

目と眉の間が結構広いんだなとか、目の形は全然横長じゃないんだなとか、頬は三角柱を意識すると良いのかなとか、頭蓋骨はかなり大きいなとか、そういったことに思い至りました。

無味乾燥な頭蓋を描くのもつまらないので、オリキャラを片っ端から描いてみることも。

オリキャラの顔を集めたもの

ここに載せてる絵も今見ると悲惨な出来映えなんですが、分析前と比べればかなりマシになっています。

というか、過渡期の絵はどうしても悲惨になりがちな気がします。

自分では成長しているつもりでも、傍から見ると「前の方が良くない?」って思えるような。

でも、自分の中に気付きがあるなら確実に成長しているはずなので、そのまま突き進めばいい!! と信じています。

2巡目

そんな感じで、2巡目の絵がこちら。

槍を持って宙に浮かぶ女の子の絵

この絵の分析は以下の通りです。

【顔】
 ・耳がよく分からなかった。
 ・口の飛び出し方が変→美しい唇の描き方とは?
 ・髪にまとまりが欲しい(線ではなく、束《たば》感)

【肌・服】
 ・影にメリハリが欲しい
 ・ワイシャツが謎
 ・白をそのまま残すところがもっと多くて良いかも
 ・シワが謎
 ・手に立体感が欲しい

【バランス】
 ・腕……??
 ・全体的に彩度を落とした方が良い?
 ・肌に黄色味が足りない(赤すぎる)

【構図】
 ・視線が定まらない(虚空を見ている?)→一点に目を行かせたい。
 ・槍を持てていない

こんな感じです。

引き続き、顔の練習をしていきました。
今度は、耳と唇の描き方がメインです。

また、それだけだとさすがに課題が少なすぎるように感じたため、髪の毛の描き方もちょっと練習しました。

でも結局、髪の毛の描き方は解決策が見つからないまま、とりあえず耳と唇把握したから3週目入ろ! って感じで次に行きました。
何でもかんでも一度にやろうとするのは良くないみたいです。

当時の練習絵がどれなのか分からなくなってしまったため、ここは画像なしで飛ばさせてもらいます。

3巡目

そして、3巡目の絵がこちら。

二次創作イラスト

二次創作です。絶対伝わらないと思いますが、進撃の巨人のジャン・キルシュタインを描きました。
ちなみにジャンは私の最推しです。

分析の内容はこんな感じでした。「似てない」は脇に置いておいて、この絵単体で見た時の分析です。

【顔】
 ・耳が正面を向きすぎている?→とても耳が大きい人に見える
 ・目に透明感が無い→もう少し明度の高い色を使う?
 ・髪の描き方に自信が無い

【服の皺】
 ・服の影の入れ方に自信が無い

【バランス】
 ・人体が横長になりがちなので、気を付けよう→人体デッサンやりたい

【その他】
 ・ちゃんとした背景を描いてみたい(今回も手書きしたけど、もっとパースや細部に気を配った背景を描きたい)(でも背景に関しては、時間と資料さえあればなんとかなる感はある)
 ・植物を描いてみたい(花や葉のアップ)

【全体】
 ・塗りが汚い。
 ・私の場合、レイヤーを分けすぎないでゴリゴリ塗った方が良い。
  下塗り/1影/書き込みの3層を、肌/服1/服2/背景のそれぞれに作る感じ。
 ・最後に青で塗りつぶしたレイヤーを重ねて加工すると、それっぽい色になる(?)

そんな感じで、今度こそ髪の毛の練習に入りました。

あと、クロッキーサイトを見て人体デッサンもやってました。(時間を停止させて使っていたので、クロッキーではなくデッサンです)

デッサンの方は本当にただのデッサンなので特に触れません。

髪の毛については、こんな感じでデジタルを使いながら練習していました。

髪の毛の練習記録

束間の出し方(ブロック的な描き方)が全く分からず、四苦八苦しています。

髪の流れの角度を同じにしないとか、ブロックを意識して描くとか、知識としては知っていても実践できないんですよね。本当に難しいです。

が、ひとまず「こんな感じのブロックに分かれてるんじゃね?」に気付くところまで行ったので、4巡目の絵を描きました。

4巡目

4巡目が、こちらです。

こちらに向かって刃物を向けてくる男の子の絵3

>>>髪の毛は??<<<

練習の成果を反映させるべきだとも思ったのですが、それ以上に1週目のリメイクがしたかったんですよね。

というか正直言うと、髪の毛の描き方は全然改善されていません。ダメじゃん。

分析はこんな感じです。

【顔】
 ・口が大きい。老けて見える。かっこよくない。
 ・髪の毛リアルに描けたけど、いまいちブロック感が足りない。

【服のしわ】
 ・描き方が変。特に塗り方。どういう影が入るのか、よく見て覚えよう&学ぼう。
 ・ぼかしすぎない方が良いかも。特にワイシャツ。

【その他】
 ・刃物が変。浮彫の模様のところで凹んでいるように見える。
 ・輪郭線を最後に消してしまったが、ちゃんと描いた方が良い。
 ・刃物の柄《つか》を描き忘れている。こういうのは本当に良くないから気を付けよう。
 ・比較の乗算レイヤーを上手く使うと、水彩境界っぽいものが作れそう。
 ・細かいところをちゃんと描きたい。

この後も顔の練習を続けても良かったのですが、「なんとなく雰囲気は分かってきた」という感覚があったので、今度は服のしわに焦点を当てて練習しました。

今見ると顔の描き方も全然ダメなんですが、気づけないものは気づけないので仕方ないです。その時に気づいた点を改善していけば良いと思っています。

皺の練習は、こんな感じ。
確か、自分で撮った写真を模写したんだったと思います。

皺の練習2

5巡目

そして、5巡目の最初の絵がこれ。

舞台袖の絵

あれ、練習の成果は???

これ酷いんですけど、背景しか描いてません。人物は昔描いたものをそのまま使い回して、影だけ追加しています。
そもそも「ちゃんと描く」っていうことができなかったんですよね。
それと多分、早く次の練習に進みたかったんだと思います。良くないね。

分析は以下の通りです。

【人物】
 ・耳の中をちゃんと暗くしたい。
 ・顔の影をちゃんと入れよう。
 ・右手を前に出させた方が情報量が増えて良い? 特に腕時計をさせるなど。
 ・人物の位置と大きさが中途半端な気がする。もっと手前にいることにして、大きく描いた方が良いかもしれない。

【全体】
 ・小物の描き方がおかしい。角ばった物、植物、雲など。また、物と物が組み合わさった時の様子など。
 ・装飾の考え方が分からない。
 ・構図の考え方が分からない。
 ・手前にあるカーテンはもっとちゃんと描き込んだ方が良い。
 ・もっとちゃんと線画を残したい。どうして消してしまうのか。
 ・右奥の方に、木材や丸めた模造紙など高さのあるものを置いた方が、バランスが良い(情報量も増える)
 ・無機物を描く時には、平行なところをちゃんと平行に描こう。パースを意識しつつも、幅が狭いところは平行にしちゃった方が綺麗に見える。

今度の課題は、「無機物(角ばった物)の描き方」にしました。

デッサンと落書きばかりしていた気がします。

小物の練習 落書き

6巡目

そして、6巡目最初の絵がこちらです。

男の子と女の子がベランダで抱き合っている絵

これはとても思い出深い一枚です。初めて雑誌に投稿するため、頑張って描きました。キャラクターも思い入れのある2人です。
(雑誌には、結局採用してもらえませんでした笑)

分析は以下の通り。

・人体の動きがぎこちない。固い。
・灯ちゃん(手前の女の子)の髪の毛の流れが変。改めて髪の練習をするべし。
・手前の本は真っ黒でも良い。
・カーテンの縁をちゃんと描け。
・影の彩度を全体的に上げたい。
・ビルの奥の方の線は明るくしたい。

これは反省点なのですが、この辺りから、分析が分析じゃなくなってるんですよね。分析じゃなくてセルフ添削じゃん、みたいな。
自分の弱点を一般化しきれていないというか。

おそらく、目(観察眼)の成長が鈍化していたんだと思います。

「お手本と比較しても、何かが違うという曖昧なことしか分からない」
「今のこの絵の欠点は分かっても、それを今後改善していくためにどんな練習をしたら良いのかが分からない」
といった感じ。

ともあれ、今度は「動きがある人体」というテーマで練習を始めました。

なぜそれをテーマにしたのかと言うと、需要が一番高いのが人体であるのと同時に、最も習得しにくいのも人体の描き方だと考えたからです。

クロッキーサイトや写真集を模写するのと同時に、あえて何も見ないで自由に人体を描いてみたり、あり得ないような動きをさせてみたり、色々試しました。

実を言うと、人体に関しては漫研時代から下手だ下手だと言われまくってきたんですよね。何よりも苦手意識が強いモチーフです。

三角筋を意識すれば、腕が外れてるように見えると言われ……
リアルに寄せれば、首が太いだの短足だのと言われ……
挙句には「なんかキモイ」「人外?」とか言われ……
もう、一体どうしろと!!

しかし逆ギレしても仕方がないので、今回は「何が正解なのか」を意識しながら練習しました。

画像は、だいぶ疲れていた一日のものです(笑)

人体の練習1
人体の練習2

色々試していくうちに、

  • 人体は意外と柔らかい
  • 人体に重さがあることを意識するべき
  • 胴体は結構長い(というか、臍から下の部分に関する認識が間違っていた)

等のことに気が付きました。

7巡目

そして、7巡目の最初の絵がこちら。

卒業式の絵

分析は下記の通り。

【人物】
 ・春樹君(手前の男の子)の目をもう少しハッキリと際立たせてあげたい→まつ毛(縁取り)を濃くする。
 ・春樹君の手がなんか変→資料見て描こう。
 ・全体的に顔が薄いかな……
 ・正面顔の影が分かりにくい→鼻の頭と頬に赤を入れて、目立たせたい。

【服】
 ・瑞希ちゃん(向かって右の女の子)の服が雑すぎるので、影をちゃんと描いてあげましょう
 ・プリーツスカートのひだは省略しない方が良さげ。

【その他】
 ・背景が寂しい。青空だと特に、制服と同じ色なのでイマイチ。
  →学校の近くの公園という設定なら、他の桜の木や遊具を描き込むと良いかもしれない。
 ・桜の木、ここまでぼかさなくて良い。一番ぼけてるのが手前の花びらになるように。あと資料を用意して。
 ・沙耶(中央の女の子)の卒業証書、背景に埋もれているように見える
  →図と地が同系色にならないよう、気を付ける
 ・瑞希ちゃん、もうちょっと後ろにいないと、春樹君に蹴られる……空間把握……難しい……
 ・石の質感が手抜きすぎる。柄が均一にならないようにしよう。素材使うのもいいけど、なるべく手書きで。あるいは、素材感が出ないように工夫して素材を使う。

以上の点を踏まえ、今度は「色々なことを面倒くさがらない。きっちり丁寧に書く」をテーマにしました。

テーマにすることじゃないかもしれないけど、自分はこういうところを蔑ろにしがちなので、「資料を見る」「手を抜かない」クセを付けるよう、意識してしばらく過ごしました。

そして、そういったことに気を付けるだけでだいぶ変わるなと実感できた頃に、8巡目の絵を描きました。

8巡目

この絵を描いたのが、ちょうど3か月経った頃です。

宝石になる手を見つめている男女の絵

退化しているようにも見える、が、しかし。

デザインを細かく考え、些細な個所まできちんと資料を用意して描くという意味では、かなり成長しました。

あと、線画が出現しました!

そして、今回の分析が下記のとおりです。

【人物】
 ・顔の影をもっと細かく書き入れられるようになった方が良いのでは。
 ・まつ毛は一本一本丁寧に描こう。
 ・指を描く時には、線画の段階からもっと関節を意識して描くようにしたい。

【その他】
 ・全体的に、線画が目立ちすぎ→鼻をもっと細い線で描くとか、色トレをするとか。
 ・フリル細かくしたい
 ・宝石の線が微妙に歪んでいる
 ・枠をかっこよくしたい。(シンプルに四角く細い線で縁取るとか、その四角に植物を絡みつかせるとか。植物描けるようになりたい)
 ・余力があれば、背景もちゃんと描きたかった……

【1回目の3か月上達法を終えて】

こんな感じで、まずは最初の3か月が終わりました。

多分、第三者視点で見ると、たいして成長していないでしょう。下手したら、ヘタクソになったように見えるかもしれません。
自分でも、今見ると全然成長してないなって思います。目標には及びもつきません。

だけど、実際にはここまでで述べてきた通り、たくさんの気づきがある3ヶ月間でした。

「3ヶ月で神絵師になるのはキツイけど、確実に収穫はある」というのが私の感想です。

何がキツイって、3ヶ月だけだと全然、目(観察眼)が成長しませんでした。先ほども書いた通り、途中から分析が曖昧になってしまったのです。

そこがかなり個人差の出る部分なのかなーと思います。

そして、肝心なのはここからです。

1回目の3か月上達法ののち、少しの間お休みしていたのですが「やっぱりもっと上手くなりたい!」ということで、また上達法を再開しました。

しかし、このちょっとのお休みの間に色々と考えたことがあり、目標とするイラストレーター様を変更しました。

羽住先生の絵は大大大好きです。それは今も変わりません。毎日画集を眺めてニコニコしてます。
好きです。とても好きです。

でも、その「好き」は、あくまでも「見るのが」好きということだったのかもしれないと思ったのです。

自分が絵を通じて何を伝えたいのか。何のために絵を描いているのか。

ここでは詳述を避けますが、色々考えた結果、目標を変更しました。


今の私の目標は、灸場メロ先生です。

灸場先生は、呪術廻戦の応援イラストなどを描かれているイラストレーター様です。

応援イラストや公式ファンアートのほかにも、グッズイラストやゲームイラストなどを描かれています。歌い手さんなどのMVに使われているイラストもありますね。

あと、専門学校のオープンキャンパスにも登壇されていました。(灸場先生のチャンネルではありませんが、youtubeで見られます。先生のチャンネルには東京喰種等の絵のメイキングがあります)

絵柄は、リアルとデフォルメを上手くミックスしたような感じ。厚塗りなんですけど透明感があって、なんかもうひたすらに綺麗です。

端的に言って好きです。めちゃくちゃ好き。

オタク特有の早口で激推ししてしまいましたが、ともかく灸場先生を目標としました。

※注意※

本来なら、まずお一方の技術をきちんと習得してから、別の絵柄に移るべきだと思います!!!
3か月上達法は、そういう練習法です。

ただ、羽住先生と灸場先生の場合は、バランスの取り方が比較的似ている(少なくとも、当時の私の段階ならどちらに進んでも問題が無いくらいの違い)と感じたため、私は路線を変更しました。

あと、お金を節約するために一旦Adobeを解約し、medibang paintに乗り換えました。

【2021年1-4月(3か月上達法にリトライ!)】

最初の絵がこちらです。厳密に言うと他の絵だった気もしますが、記録がごちゃついているのでこれをスタートとします。

男の子と女の子が笑いながら話している絵

ちなみにこの頃は、下書きをアナログで行い、それをスマホで撮影して、上からなぞって線画に起こしていました。デジタルで一から描くのは無理だなって感じです。

分析は、以下の通り。

・線画がいかにも素人くさい。色トレをもっとやりたい。また、全体的に線を細くするべき。線画に頼らず、陰影で形を表現できるようになりたい。
・上向きの顔が難しかった。可愛くならない。→そもそも構図を見直すべき? 俯瞰気味にするとか。
・色合いを統一したのは良いけど、今度は統一されすぎて、逆に見ごたえが無いかもしれない。差し色を効果的に使えると良い。
・ポーズに意味を付与しきれていない。→無駄な要素は排して、描くことの全てに意味を持たせたい。特に瑞希ちゃん(女の子)の左手と机の上が気になる。教材を置いて、勉強している途中の姿にするなどの方が、キャラを表せそう。
・飾り枠を付けるなら、もう少し丁寧に。これだと、スペースを埋めるために付けました感が強い。

そこで、「線画」に注目して練習しました。

この絵とかを描いたのが同じ時期だった気がします。どうすれば綺麗な線画が描けるか考えていました。

料理をする男性の絵

2巡目

2巡目の最初の絵がこちら。

男性と女性が向かい合って立つ絵

全体的に、線が細く丁寧になりました。

反省点は下記の通りです。

・まだ線画が浮いている。線ではなく、面で捉えられるようになりたい。
・立体感が無い。線ではなく(以下略)
・木々の緑が一色すぎて違和感がある。もっといろんな色を入れたい。
・順さん(奥の女性)の描き込みを増やしたい。色も変? 差し色にしたつもりだが、合わないかも。
・構図の正解が分からない……
・体格が、リアルともデフォルメともつかない中途半端な感じになっている。

とにかく、「線ではなく面で捉える」という、立体感を重視した練習が必要だと感じました。

そのため、面を意識して塗る練習を始めます。

この期間に描いた絵が、以下のような感じです。一枚絵を描きつつ、分析をしつつ、と言った形。まだ3巡目には入っていません。

教室の絵
軽音部の絵
泣きながら空を見上げる男の子の絵(厚塗り)
立体感の練習⑤
立体感の練習1
立体感の練習4

いろいろ考えた挙句、1か月くらいしてから3巡目に入りました。

3巡目

こちらに向かって刃物を向ける男の子2

お気づきの方もいるかもしれません。一番最初に描いた男の子のリメイク(2回目)です。

この絵の分析が、以下の通り。

・線画が馴染むようになってきた。ただ、無彩色になってしまっているので、もう少し綺麗に色を付けたい。
・前と比べれば動きが出ているが、人体が直線的なのが気になる。もっと動きを出せるハズ。
・顔がかっこよくない。
・今一つ立体感に描ける。引き続き、立体感を出す練習をしよう。
・まだまだプロの絵とは明確な差があるが、それが何なのか言語化できない。目を鍛えたい。
・てのひらが分厚くてダサく見えるので、もっとシュッとさせたい。王子様だし。
・腕が長い。。

この頃から、レイヤーをほぼ分けずに描くようになりました。
(背景に1枚、人体に1枚、エフェクトに複数枚、みたいな感じ)

そして、3巡しか回せていないのですが、余裕で3か月以上経過しているので、一旦ここで一区切りとします。

この次が、3回目の3か月上達法です。ジャンルと言う意味でも、大きく変化のあった3か月でした。

※以下、大量の二次創作(進撃の巨人)(捏造あり)を含みます。
万が一公式からの要請などがあれば直ちに削除いたしますので、ご了承ください。
また、苦手な方はブラバしてください。※

【2021年4-8月くらい(3か月上達法への3回目のチャレンジ)】

1巡目

立体感の出し方を研究しているうち、また色々な気付きを得たので、分析のための本気絵を描きました。

それがこちらです。

木の前にいるジャンミカ

分かりにくいかもしれませんが、二次創作です。進撃の巨人のジャンとミカサを描きました。

実は私、ジャンミカ推しの進撃ファンなのです。
突然の爆弾投下で申し訳ない。
(ジャンミカなんて認めないぞって方はジャンの夢とでも思っておいてください。何のことか分からんって方はスルーしてください)

本誌完結に伴い、楽しくなってしまって大量に二次創作をしたのが、この期間になります。

フォルダを確認すると、ジャン単体とジャンミカだけで84枚描いたみたいです。

果たしてどうやってこの時間を捻出したのか。
軽く狂気を感じます。

とはいえ、この間に気付いたことがたくさんあったので記録しておきます。

基本的には今まで通り、三か月上達法の流れに沿った記録です。
※一応、オリジナルも週1で描いていました。

まず、1枚目のジャンミカの絵に戻ります。
分析は以下の通り。(「似てない」は脇に置かせてください)

・前よりも線画が馴染んでいない。方法論を確立できていない。
・なんだかバランスが悪い?
・まだ立体感に欠ける
・もう少しメリハリを付けたい。
・木が下手

今度の練習で意識するようになったのが、「メリハリ」の部分です。

全体をグレースケールにしてコントラストを確認したり、影を明確にしたり。
練習は主に二次創作でやっており、流石にそれ全部アップするのはな……って感じなので、割愛させてもらいます(参考にならなくてごめんなさい)

2巡目

そして描いたのが、この作品。

耳をふさいでいるジャン

ジャンです。
分析は、以下の通り。

・線画はもう少し柔らかい方が良いかも。
・髪の毛が浮いてる。
・背景が分かりにくい。(一応、林をイメージした抽象画風)
・服の陰影にもっとメリハリを付けたい。
・マイナスの感情を表すときって、顔を見せない方が良いのかもしれない

それで次に練習したのが「髪の毛」です。

前述の通り、半年くらい前にも髪の毛の練習はしたはずなのですが、全くもって身についていなかったので、改めて練習しました。

この辺りは、1巡1巡のペースがめちゃくちゃ早かったです。なにせ量産していたので、数日後にはすぐ次の本気絵、みたいな感じでした。新しい気付きを得るまでの期間が短かったです。

でも、もっと時間をかけても良かったのかなとは思います。どの絵にも粗が目立ちます。

3巡目

そんな感じで、3巡目最初の本気絵がこちら。

涙を流しているミカサ バストアップ

髪の毛のブロック感を出すためには、縦の繋がりよりも横の繋がりを意識した方が良いんじゃないかなって気づき始めた頃です。

分析は以下の通り。

・耳が小さくなってしまった
・ちょっと目が横長すぎるかも。
・線画をもう少しハッキリ描いても良い。
・唇が灰色っぽいの気になる。
・やっぱりまだ平面的に見える。面で捉える練習が足りないのか。
・髪の毛の描き方はこの方針で良いので、もっとブラッシュアップしていく。

練習の時には、とにかく灸場メロ先生の絵を見まくって、必死に技術を取り入れてました。

「立体感の出し方」が一番のテーマです。漠然としているのですが、それ以上は具体化できていませんでした。

髪の毛とかも、いやまだ全然良くないよ? って感じなんですが、多少は方向性が見えてきた感じです。

しばらくして、ハイライトの入れ方に関して気づきがあったので、次の本気絵を描きました。

3巡目

日本庭園風の背景の中にいるミカサ

分析は下記の通り。

・髪の毛の塗りがヌメっとしている。立体感無いよな……。ぼかしすぎなのは分かるんだけど、じゃあどうすればよいのか? ブロックの捉え方が未だに分からない。
・全体的に、描き込み量を増やしたい。
・構図に工夫が欲しい。

こんな感じです。今度は何を練習したかというと、「ぼかすの禁止令」を出しました。

具体的には、アニメ塗りを観察して真似してみました。
また、ガサガサのブラシを使って、荒いタッチで描いてみました(この時もメディバンを使っていました。ガサガサブラシは自作です)。
練習で描いた絵はこんな感じです。

アニメ塗りジャン
がさがさ塗りのジャンミカ
照れている男性とそれを見る女性のモノクロイラスト

あとこれは、Art Streetの塗り絵企画に参加した際のものです。

跳ねる女の子のぬりえ

人物の線画は他の方が描いてくださったテンプレートで、塗りと背景だけ自分が描きました。

ぼかしも使ってはいるのですが、なるたけパッキリと、今風に塗ることを心がけました。

そんな感じで、また色々な気づきがあり、次に描いた本気絵がこちら。

4巡目

台所前のジャンミカ

この頃から、ラフを含めてオールデジタルで描くようになっています。

分析は以下の通りです。

・輪郭の内側を明るい色で縁取ると、いい感じ(リムライトみたいなノリ)
・向こうから回り込んでくる皺や影を描くと、いい感じ
・服が原色でダサく見えるので、色にも気を付けよう。
・ファッション……
・手が隠れてしまって雑に見える。手を見せる構図を考えよう。
・全体的に、構図が甘い。
・腕が長すぎる? 胴の方? デッサン改めて確認して。
・皺はこのくらい細かく描くのが良さそう。

ここからは、引き続き立体感の出し方や人体のバランスに注意を払う一方で、「構図」に焦点を当てるようになります。

あえて顔を見せないで感情を表現したり、俯瞰やアオリ、動きのあるポーズを取らせたり。

魅力的な構図を考えていきます。

5巡目

そして、次の本気絵がこちら。

雲の海を泳ぐ子供達のイラスト

これはポートフォリオにも入れている作品で、オリジナルです。
かなり現在に近づいていて恐ろしい。

分析は以下の通り。

・羽が不自然
・髪の毛のブロック感が掴めてきたかも。
・右上の男なんとかならんのか。イケメンって何? スタイリッシュさとは?
・女の子、かわいいけど不自然。
・まだまだ物足りない感じ。描き込みの少なさや、デザイン性の低さが原因か?

ここまでで二次創作ブームが終わった――正確に言うと、イラストレーターとしてお仕事を始めるにあたって、終わらせることに決めたので、ここでまた一区切りとします。

この後、「魅力的な顔」について考えて練習していきます。

【2021年8-10月(4回目の3か月上達法)】

1巡目

現在に追いつきます!

ここでの本気絵にあたるものは、コンテストへの応募作品がほとんどなので、あまり実のあることが描けません。(未公開作品限定のコンテストが多く、作品を見せられない)
でも、書ける範囲でお話してみます。

ひとまず、一枚目はこんな感じでした。

広島で修学旅行をする女の子の絵

雲の海で泳ぐ子供たちの絵からさほど間を置かずに書いたので、目立った違いはありません。

強いて言うなら、顔の描き方が改善されました。耳の大きさや位置など、バランスの悪さはまだ目につきますね。

でも、総合的には気に入っている一枚です。

ポートフォリオにも入れている作品なので、あんまり細かいことは言わないでおきます。
粗だらけの絵をポートフォリオに入れてんのか!? って思われたくないので……笑

ここからは、「細かい描き込みの方法」を重点的に練習しました。

ちなみにこの絵を描いた直後に、Photoshopに復帰しました。

2巡目

2巡目の最初の絵がこちら。

逆光の中で微笑む男性を横から見たイラスト

HP等いたるところで使っている絵です。お気に入りのキャラを描きました。

ペンタブコンテストにも応募しています(SNS等で公開してても大丈夫だよっていうコンテストなので)。

この絵も、詳述はしませんが多くの気づきがあった一枚です。

ここからは、「ハイライトの入れ方」を重点的に練習するようになります。とはいえベースにあるのは、やはり「立体感の出し方」です。
立体感を出すためにはどんなハイライトを入れたらいいのか? っていう感じですね。

次の本気絵は公開できない絵なので飛ばして、代わりにこの絵を置いておきます。

整くんのイメージで描いた絵

菅田将暉さん演じる久能整くん(『ミステリと言う勿れ』)のイメージで描きました。
似てない! 許して!

「立体感の出し方」「細かい描き込み」の双方が、未だに課題です。やっぱりまだ観察眼が弱いのかなという感じですね。

その後、「顔の塗り方」「ぼかしの適切な度合い」「様々な角度から見た目の形」等、テーマを決めて練習→本気絵→分析のサイクルを続けています。

今のテーマは「細かい装飾の考え方」です。

この期間の本気絵は公開できないものばかりなので割愛します。

練習およびポートフォリオ用に描いていた絵は、以下の通り。
※このHPのポートフォリオには二次絵を入れていません。この記事だけ例外です。

文字を入れるとダサくなるのは分かっているんですが、書籍の表紙を描きたいなと言う願望があるので、イメージを掴むために入れることがあります。ロゴ描ける人ってすごいですよね。

木の枝に座っている不思議な少年のイラスト
ハンマーを持った巨大なロボットの絵
ファンタジー風の集合絵(5人)
伏黒恵バストアップ

あとは絵のお仕事を始めたので、サンプル用及びコンペ参加用に、違う絵柄でも作品を作りました。
こんな感じ(下図)

うさぎの女の子のキャラデザ
眠っている子供たちの絵
四霊獣を描いたカード風イラスト

画力という意味では、そこまで大きな変化は見られないと思います。

苦手を克服できるように、灸場先生を始めとする皆様の絵を凝視しながら、日々精進しています。

【総括】

以上、3か月上達法を1年くらい続けてみたまとめでした。

結論から言うと、効果はあります。あると思います。

ただ、もちろん成長速度に個人差はありますし、上達法を実践している間ずっと安定して成長できるわけでもないです。

1度試してみて挫折してしまったとしても、ぜひリトライしてみてください!
私は、1回目よりも2回目以降の方が確実に成長しました。

そんな感じです。

それでは、最後まで読んでくださってありがとうございました! また次回!

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