ラインスタンプの制作から販売まで、2回やってみた体験談【リジェクトのこととか感想とか】
こんにちは。甘抹らあです。絵と小説を描く人です。
今までに2回、ラインスタンプを制作・販売してきたので、その時の流れについて記録しておこうと思います。
ラインスタンプ作ってみようかな? と考えていらっしゃる方は、是非参考にしてください。
なお情報は、2021年9月段階のものです。
とはいえ、マニュアル的なことは公式サイトに書いてあるので、それを読めば大丈夫かなと思います。
今回の記事で書いてみたのは、私の実体験に基づく感想(ここが大変だったとか、ここにこのくらい時間がかかったとか)です。
マニュアルだけだと分かりにくい部分の補足として見てもらえたらなと思います!
最初にやること
LINE Creators Market に登録します。
項目ごとに必要な情報を記入すればOKです。
ざっくりとした流れ
大まかな流れは、以下のとおりです。
2.ガイドラインに沿ってスタンプを制作する。メイン画像やトークルームタブ用の画像も、忘れずに用意しておく。
3.スタンプを登録する
4.販売の申請を出す
5.承認される
6.リリースボタンを押す
7.販売が開始される
お絵描きソフトを使える環境があれば、誰でもできます!
実体験①「そばかす男子」の制作から販売まで

こちらは、初めて作ったラインスタンプ「そばかす男子」です。完全に自分の趣味で制作しました。
そばかすが好きなので、オリキャラの中でそばかすがある子たちを集めた感じです。
◎制作◎
スタンプの大きさは、320×320px、72dpiに統一しました。
実を言うと、最初の1個だけ大きなサイズ(確か1000×1000くらい)で作ってしまっていたのですが、リサイズしたら画像が荒れて酷いことになったので、反省して最初から320px四方で作ることにしました。
ガイドラインには370×320(最大)と描いてありますが、比率を37:32に揃える必要はないので、私のように正方形で作っても大丈夫です。
制作の段階で苦労したのは、塗り残しやはみ出しを徹底的に除去することでした。
趣味でお絵描きをしている時には気にしていなかったのですが、ほぼすべてのイラストに塗り残しやはみ出しが存在するみたいです。
ラインスタンプでは、それがあるとまずいので、めちゃくちゃ気をつけてチェックしました。
背景の色もスタンプを使う人によって違うので、どんな色の背景でもキレイに見えるように、縁取りなどをすると良いと思います。
◎登録◎
さて、スタンプが出来たら次は登録です。
ところが当時の私はアホだったので、登録画面に進んでから、メイン画像とトークルームタブ用の画像を用意するのを忘れていたことに気づきました。
サイズの規定がスタンプ画像と違うので、きちんと用意しておく必要があります。
そこで、登録用のページを開いている横でメディバンを立ち上げ、慌てて用意しました。
もっとも、スタンプ用の画像を切り抜いてリサイズしただけです。わざわざ新しい画像を作る必要はありません。
もちろん余裕があれば、ちゃんとそれ用の画像を用意しても良いと思います。
ライセンス証明についてですが、「スタンプ画像をどこかにアップしておいて、そのURLを貼りつけると審査が早くなるよ!」と聞いていたので、Twitterに画像をアップしてからそのツイートのURLを貼り付けました。
「作品の確認ができるURL」の項目です。
また、「スタンプ画像だけ貼ってもこのキャラの著作権の証明にはならなくない?」と疑問に思ってしまったので、そばかす男子の過去絵をまとめてpixivにアップし、そちらのURLも貼っておきました。
これは、「補足事項」の欄に貼りました。
スタンプを登録する際に一番面倒だったのは、タグの設定です。
1個1個設定する必要があるため、動作が重いPCで作業すると、かなり時間がかかります。
なるべく動作の速いPCを使い、wifi環境の良い場所で作業することをオススメします。
あと、少し戸惑ったのは、スタンプの登録言語が英語になっていることです。
英語での名前設定が必須なので、英語に苦手意識のある方は、事前にちゃんと考えておいたほうがいいかもしれません。
スタンプの名前と簡単な説明を英語で書ければOKです。
日本でしか販売しないなら、多少間違っていても大丈夫だと思います。
言語を追加する項目で「日本語」を選ぶと、日本語の設定画面も出てきます。
でも、英語での設定も必須です。
◎審査と販売◎
3月16日の午後10時頃に審査をリクエストし、3月17日の午後3時半に承認されました。とても早い!!
メールおよびLINE Creators Market の公式アカウントから連絡が来ます。
そこでLINE Creators Market にログインし、リリースボタンを押します。
その3時間後には販売が開始されました。
以上、完!
なんの参考にもならないくらいスムーズに終わったのが「そばかす男子」の時でした。
……でした。
察しの良い方はお気づきかと思いますが、もう1個のラインスタンプ「ろばのマールちゃん」はちょっと面倒だったので、今度はそれについて書いていこうと思います。
結論から言うと、宗教系の要素があるときには気をつけよう! っていうお話です。
体験談②「ろばのマールちゃん」制作から販売まで

こちらのスタンプ「ろばのマールちゃん」は、クリスチャンの方から「クリスチャンが使いやすいラインスタンプを作ってほしい」との要望を受けて制作しました。
「お祈りしてください」「感謝します」など、特殊な言い回しを日常的に使うため、それらの可愛いスタンプがあったら良いなと思ったそうです。
◎制作◎
ここでラインスタンプのガイドラインを確認すると
3.12.宗教、文化、民族性、国民性を攻撃し、または特に不快感を与えるもの
3.13.宗教への勧誘や啓蒙にあたるもの、宗教的要素の強いもの
は禁止とありました。
3.12.には間違いなく該当しないのですが、3.13.は大丈夫かな……? と少し不安になる私。
が、あくまでも「クリスチャンが使いやすい」というコンセプトなら「勧誘や啓蒙」ではないし、そこまで宗教的要素が強いわけじゃないかなと考えたので、スタンプを制作することにしました。
多分、「宗教的要素が強い」っていうのは、度を越して強い場合のことだと思います。
例えばスタジオジブリの映画「紅の豚」には祈りを捧げるシーンが出てきますが、あれを見て「宗教的要素が強い」と感じる人はいないでしょう。
また、欧米の作品には当たり前のようにキリスト教的な仕草や言い回しが登場しますが、それが問題視されることは少ないです。
そのため、こうした一般的な作品に登場しても違和感がないレベルの表現であれば問題がないと考えました。
実際、クリスチャン向けのラインスタンプは数多く存在しています。
(せいおにいさんとかもあったし……あれが3.12.に引っかからないのか気になる……別に嫌いとかではないけれど)
画像サイズは前回と同様に320×320で制作しました。
今回は、後から紙に印刷する可能性があったため、画像解像度は300dpiです。
◎登録◎
そばかす男子のときと違い、過去に描いたマールちゃんのイラストが存在していなかったため、過去絵のURLを貼ることは出来ませんでした。
そこで、とりあえずpixivにラインスタンプと同じ画像を(画質を落として)アップして、そのURLを貼っておきました。
「作品の確認ができるURL」の項目です。
あとは、特段変わったことはありませんでした。そばかす男子のときと同じような感じです。
◎販売まで◎
スタンプの申請から3日後、リジェクト通知が来ました。
うすうす想像していたとおり、宗教的な理由とのことです。
しかし、私が懸念していた「3.13.宗教への勧誘や啓蒙にあたるもの、宗教的要素の強いもの」ではなく、「3.12. 宗教、文化、民族性、国民性を攻撃し、または特に不快感を与えるもの」に該当するという話でした。
アウトとされたスタンプは、マールちゃんが「ハレルヤ」と言って笑っている絵柄。
他の「主の祝福がありますように」や「God Bless you」、「アーメン」などはスルーでした。
うーん、なんでだろう??
なぜハレルヤだけが駄目だったのか分からないので、詳細な理由を問い合わせることにしました。
理由がわからないことには、修正するのも大変なので……。
問い合わせメッセージを送れる場所があったため、以下のような文面を送りました。
※実際のものとは微妙に変えてます。
お世話になっております。
このスタンプのリジェクト理由について、より詳しく伺うことは可能でしょうか?
勧誘や誹謗にあたるものではないにせよ宗教的な内容を含む以上、販売地域を限定する必要があるということでしたら、販売地域を日本に限定する形で再申請いたします。
また、ハレルヤという言葉そのもの、あるいはこの言葉とロバという組み合わせが問題なのであれば、この言葉を削除した形で再申請いたします。
ただ、ハレルヤという言葉自体はすでに発売されている他のLINEスタンプでも確認できましたので、この言葉自体が問題ではないように感じられました。
なお、「クリスチャンの方が使いやすい」というコンセプトですが、そのことを記載しない方が良いのであれば、説明文からその文言を削除いたします。
適切な対応ができるよう、より詳しいご回答を頂ければと思います。お忙しいなか大変恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
……まあまあ長いですね。今見るとちょっと怖いかもしれないけど、うーん……、どうなんだろう。
ともあれ、こちらを送ってみました。
ところが、1週間以上経っても返信なし。
これは少し悲しかったですね。確認に時間がかかるなら、その旨だけでも伝えてほしかったです。AIが答えるタイプのものだったらごめんなさいって感じですが……。
ネットでは、リジェクト理由を聞くと答えてくれるという話を見かけていたので、なんで答えてくれないのー? って思いました。
そこで再度メッセージを送ってみることに。
二度目にメッセージを送ったときは、こんな文面でした。
お世話になっております。
1週間以上経過しましたが、先日のメッセージはご確認いただけましたか?
今日中に返信がなければ一度スタンプを削除いたしますので、その場合、先日のメッセージは無視してくださって結構です。
よろしくお願いいたします。
一応翌日の昼過ぎまで待ってみましたが、やはり返信なし。
ネットで調べてみると、審査員によって対応が違うという話なので、一度削除して登録し直すことにしました。(そうすると、スタンプに紐付けられているIDが変わる=審査員も変わる、らしい)
今度は販売地域を日本に限定し、「※特定の宗教の啓蒙・勧誘あるいは誹謗などの意図はありません」という文言を付け加えてみました。
ところが、再び3日後。リジェクト通知が来ました。
しかも、全く同じ文面。
ハレルヤのスタンプが3.13.に該当しているから駄目だよ~とのことです。
だから、なんでそれだけが駄目なんですか!?? えーーーん。
ということで、再びメッセージで質問。
今度は簡潔に、「より詳細なリジェクト理由を教えて下さい」とだけ送りました。
しかし、返信はなし。
早くリリースしたかったので、今回は返信を待つことを3日で諦めて、他の手を打ちました。
とりあえず「ハレルヤ」の文字を消して再申請。
するとなんと……9時間後には承認されました!!
やったー! だけど、なんで!??
未だに理由が分かりませんが、リリースボタンを押したところ、前回と同じように、3時間後に販売が開始されました。
おまけ:収益について
ラインスタンプを作ろうとしている方の中には、収益目当ての方もいらっしゃるでしょう。お小遣い稼ぎだったり、副業だったり、本業だったり……。
そこで、自分の売上(というか分配額)がどんな感じなのかを書いておきます。
ババン!
165円!!!
スタンプ2つ合わせて、9月26日段階でこの数字です。ちなみに自分も買ってるので、ほぼ0みたいな感じですね。(買ってくれた方はありがとうございます!)
クオリティや内容から言っても、知名度の無さから言っても、宣伝の少なさから言っても、妥当なところかなと思います。
そんな感じです!
まとめ
スタンプは最初から規定のサイズで作ろう。
メイン画像とトークルームタブの画像を忘れずに用意しておこう。
タグの登録はちょっと面倒くさいぞ。
宗教的な要素を含む場合には、リジェクトを覚悟しよう。
問い合わせに返信が来なくてもめげないで。
利益には期待しないが吉。
以上です!
普通にオリキャラを作って販売する分には、とても簡単だと思います。
ちょっと気になってるという方は、是非挑戦してみてください!
※お仕事のご依頼はお問い合わせページまでどうぞ。LINEスタンプの制作も承っております。