教本紹介【資料・素材編】絵を描くための参考資料を探す方法【書籍2冊+webサイト5選+α】

こんにちは。今回は、絵を描く上で役立つ資料や素材の見つけ方についてお話してみます。

まずはこの間の教本紹介【デザイン編】教本紹介【人体デッサン編】のときと同様、おすすめの書籍を紹介します。

その後、ネット上で簡単に資料や素材を見つける方法も紹介しています。

よかったら参考にしてください!

※記事内のURLは商品の参考として載せているものです。リンク先からご購入される場合には、必ず各自の判断でお願いいたします。

『花 水彩 flower 素材集』

まず紹介するのは、大久保浩『花 水彩 flower 素材集』(技術評論社)。

この本はタイトルの通り、描き方の解説書ではなく素材集です。

とても親切なことに、かなり広い範囲での使用が認められています。
この本を購入した人に限り、個人使用及び商用利用がOKとのことです。
もちろん、素材をそのままデザインとして使ったり、再配布をしたり、再配布でなくとも再配布にあたるような使い方をしたりすることはNG。
しかし、使用許諾の申請もクレジット表記も不要なので、かなり寛容だと言えるでしょう。

内容は、水彩で描かれた花のイラストです。季節ごとに分類して掲載されています。有名な花だけでなく少しマイナーな花も載っているので、面白いです。

また、素材はパーツごとに細かく掲載されています。
様々な角度から見た、1個1個の花、1枚1枚の葉、木の枝などがたくさん。

付属のDVD-ROMにはpngとpsdのデータが収録されています。

「デジタルだから水彩はちょっと……」と思われる方もいるかもしれませんが、自分なりに工夫して使えばデジタルでも役に立つと思います。
私は素材をそのまま使うのではなく、色や形の参考資料として利用しています。あるいは、加工してごく狭い範囲の模様に使うこともあります。

私のような植物に詳しくない人にとっては、とても役に立つでしょう。

是非一度手に取ってみてください。

『だらっとしたポーズカタログ』

理論は理解できたはずなのに、人体を描こうとすると、どうしても硬くなってしまう……。
そんな方にオススメなのが、 『だらっとしたポーズカタログ』(マール社) です。
有名なものなので、ご存じの方も多いでしょう。シリーズで、2021年9月現在5巻まで刊行されています。

だらっとしたポーズということで、自然なポーズが多数収録されています。
模写やトレスが許可されているため、使い勝手も抜群です。
普段じっくり観察することができない日常のワンシーンを観察することで、自然なポーズが描けるようになってくるのではないでしょうか。

正直私も自然なポーズを描くのは苦手なので、この本のポーズを模写して練習しているところです。

個人的な気づきの話になるのですが、模写をしていて気づいたのは「重み」を意識することの重要性です。
動きが硬い絵って余計なところに力が入っているので、重みが感じられないんですよね。私がやっちゃいがちなことなんですけど。
プラスチックでできた人形みたいというか、なんというか。3Dモデルを見たときに覚える違和感と、同じような感じです。
もっとこう……重心を意識して、「どっしり」って感じを表せるようになったら良いんだろうなと思いました。

また、人体の関節の可動域が思っていた以上に広いらしいというのが意外でした。
やりすぎるとまた大変なことになりますが、多少大げさなくらいしなやかに描いた方が自然に見えるみたいです。

こんなふうに、模写やトレスを通じて色々な発見をできるのが良いところなのかなと思います。


人体の絵は一番需要が高いので、ぜひぜひ参考資料として手に取ってみてはいかがでしょうか。
ポーズカタログ系の本は、このシリーズの他にも沢山の種類があるので、ぜひ自分に合うものを探してみてください。

ネットで見られる参考資料

ネット上にも様々な参考資料があるので、自分が知っているものをまとめてみました。

Animal Photo

以前Twitterで見かけて知ったものです。角度と動物の種類を指定すると、その角度の動物の顔の写真を表示してくれるというシステム。

すごいです。動物を描く時にはめちゃくちゃ役に立ちます!

フリー素材じゃないので丸パクリはまずいですが、大まかな形を知るのに便利です。

pinterest

多くのイラストレーターさんがオススメしているSNSです。キーワードで画像を検索することができます。見つけた画像をピン止めするのも簡単。そしてそのピン止めした画像を分類することもできるので、後から簡単に見返すことができます。

また、次から次へと類似画像を提示してくれるので、芋づる式に参考資料が見つかります。

このサイトで資料を探しているだけで、気づいたら2-3時間……なんてこともあるので気を付けましょう笑

気を付けると言えば、著作権にも気を付ける必要があります。結構、無断転載の宝庫です。うっかり著作権侵害に加担してしまわないようにしたいところです。

pixiv

言わずと知れたイラスト投稿サイト。会員登録もイラストの投稿・閲覧も無料です(課金して機能を増やすことも可能)。プロからアマチュアまで数多くの人がイラストを投稿しています。

そんなpixivでは、イラストを投稿するほかにも様々なことができます。
例えば、グッズを作ること。例えば、作業配信をすること。また例えば、講座を見て参考にすること。

そして、素材を探すこともできてしまいます。

これは基本的にユーザーの投稿に頼る形ですが、「フリー素材」で検索したり、「描き方」の一覧から素材を探したりすると、利用可能な素材がたくさんヒットします。

中にはプロのイラストレーターさんがとても有用な素材を無料配布されていたり、有料でも格安で販売されていたりするので、是非色々探してみてください。

Art Street

こちらも有名なイラスト投稿サイトです。無料お絵描きソフトmedibang paintの会社ですね。サイトの利用も無料です。

このサイトでは時々、トレス可のフリー素材(主にちびキャラの素体)を配布してくれます。また、有料ですがメディバンで使える素材ブラシも配布してくれます。
時々覗いてみると、良い出会いがあるかもしれません。

コンテストなんかも開催してるので、絵描きさんはチェックしてみてはいかがでしょうか?

各種ストックサイト

イラストACぱたくそshutterstockPIXTAadobe stockなどのストックサイトでも、素材を手に入れることができます。

有料だったり無料だったり、使用範囲に細かい規定があったりするので、きちんと確かめてから利用しましょう。

イラストレーターさんの場合は、自分が描いたイラストを登録しても良いですね。
ちなみにイラストACは、イラストレーターに対して「著作権を譲渡すること&著作者人格権を行使しないこと」という厳しめの規約を課しているので、イラストを登録するのはよく考えてからにしたほうが良いと思います。(逆に言うと、ダウンロードユーザーにとってはお手軽です)

ストックイラストに関しては、また改めて別の記事でお話しできたらなと思っています。

※2021年12月21日追記:ストックイラストについてこちらの記事『【初心者向け最初の一歩】ストックイラストの始め方と、実際に使ってみた所感【イラストAC/PIXTA】』でまとめました!

おまけ:自分で撮った写真

わざわざ分類して書くことか? って感じですが、一番役に立つので書いておきます。

自分で撮った写真!

これは何よりも大切な資料です。

風景や町並みなどを撮影しておけば、それをそのまま背景に使うことができます。視点の位置を合わせて模写すれば良いだけ。超便利!
もちろん企業のロゴなど模写してはいけないものが含まれる場合やプライバシーの侵害になってしまう場合などは要注意ですが、風景や建造物など、基本的には自由に描くことができます。

また、自撮りも役に立ちますね。
難しいポーズの時には自分でそのポーズをとって参考にするのが一番早いです。
たくさん撮りためておけば、後で必要になった時も参考にできます。

ということで、絵描きはたくさん写真を撮ろう!!!

まとめ

今回は参考資料編ということで、色々まとめてみました。

人によってどんな資料が必要なのかは異なると思うので、自分の用途に合わせた資料を用意してみてください。

ちなみに、「資料を参考にして描くのはパクリにならない?」と不安に思われる方がいるかも知れません。
しかし、参考にするだけであれば、まず問題ありません。

Twitterだと様々なイラストが「トレパクだ!」と指摘されて炎上しているようですが、中には問題がないレベルなのにトレパク呼ばわりされているケースも見られます。(もちろん、これはアウトでしょっていう明らかなトレパクもあります)

基本的に、「構図が似ているだけ」や「絵柄が似ているだけ」は全く問題がないはずです。
僅かな例外を除けば、構図やポーズ、絵柄に著作権は発生しません。
ただし、「構図もポーズも絵柄も同じ」という場合には模写とみなせるので、問題になる可能性が高いと思います。
一応法的には、本質的な要素が似ているかどうかが重要らしいです。

模様やデザインに関しても、パクるのは駄目ですが参考にするのは大丈夫です。

また、なるべく避けるべきではありますが偶然の類似はもう仕方がないでしょう。
既存の作品全てを事前にチェックするなんて不可能ですよね……。

著作権に関しては、高校で使うような情報の教科書にもおそらく記述があると思います。
もし手元にあれば確認してみてください。

一般の書籍だと、川上大雅『駆け出しクリエイターのための著作権Q&A』(玄光社)が実用的なのでよく参考にしています。

著作権に関しては、色々勉強したところで「曖昧すぎてよく分からん」ってなる分野だと思うのですが、ある程度の知識を持って、そして意識的に「パクらない」よう気をつけることが大事だと個人的には思っています。

どうしても避けて通れない問題なので、一緒に頑張って勉強していきましょう!

ではまた!

甘抹らあの情報はこちら