教本紹介【人体デッサン編】人体の描き方を学ぶのに役立つ3冊【初心者~上級者まで】
こんにちは、甘抹らあです。絵を描く人です。
せっかくHPを作ったので、今までに使ってきた絵の描き方の本をレビューしてみようと思います。ご参考になれば幸いです。
今回は、人体デッサンの本を3冊紹介します。この記事に続けて、教本紹介~デザイン編~も書いたので、ぜひ合わせてチェックしてみてください!
※記事内のURLは商品の参考として載せているものです。リンク先からご購入される場合には、必ず各自の判断でお願いいたします。
『人体解剖図から学ぶキャラクターデッサンの描き方』
1冊目が、岩崎こたろう/カネダ工房◎著『人体解剖図から学ぶキャラクターデッサンの描き方』(誠文堂新光社)
タイトル通り、人体の描き方を分かりやすく解説してくれている本です。厚みは1.5cmくらい。この手の教本としては、平均的な厚さだと思います。
人体の構造を知る第1章、各部位ごとに詳しく解説している2-3章、動きのあるポーズを解説している第4章という構成になっています。
まず良いところとして、解説の文章が簡潔で分かりやすいことが挙げられます。
長ったらしい文章は読みたくないけど、イラストだけだと描き方が分からない……という方に、とてもオススメ!
基礎からしっかりと理解することができます。
男女の描き分けやデフォルメの方法にも言及されているので、「私、女の子しか描けないんだよね」「デフォルメ絵は描いたことが無い」といった方にも、参考になるでしょう。
さらにスゴイのが、女性の胸とお尻の形についてだけで9ページ分の解説があることです。
胸であれば「お皿型」「離れ型」、お尻であれば「逆ハート型」「卵型」などと類型化して紹介してくれているので、体つきを描き分けたいときに便利です。
一方、初版の発行が2011年と少し古いので、「流行のエッセンスを学びたい」という方にはあまりオススメしません。
デフォルメに関しても、紹介されているのは基本的な部分だけなので、デフォルメに特化した描き方が知りたい方は、他の本を読んだ方が早いかもしれません。
しかし、基礎を抑えるためには非常に役立つ1冊だと思います
『人体のデッサン技法』
次に紹介するのが、Jack Hamn著/島田照代訳『人体のデッサン技法』(嶋田出版)
人体の描き方を学ぶものとして、とても有名な一冊ですね。厚みは1cmも無いくらいと、結構薄いです。
しかし、内容はかなり濃い!
絵柄に関しては、アニメチックな絵ではなく、リアル~劇画調くらいの雰囲気です。
良いところとしてはまず、作例が豊富なことが挙げられます。パーツごとに色々な角度から見た形が収録されているので、作画する上でとても参考になるでしょう。
また、描き方の解説が丁寧です。難しい専門用語が使われておらず、初心者でも簡単に理解できます。
イラストだけボンと置いて「こんな感じです」ではなく、具体的に作画の手順を解説してくれているのも助かります。
特に人体のバランスのとり方などについては、一通りの描き方だけでなく、様々なアタリの取り方が紹介されているので、自分に合った描き方を見つけられるかもしれません。
さらに、人体だけでなく、靴や服の描き方まで解説されています。
超親切!
人間を描くために必要な要素は一通りそろっていると言った感じですね。
個人的にとても嬉しいのが、皺の描き方です。
きちんと解説してくれているので、ここの皺ってどうなるんだろう? と悩んだ時、この本を見れば解決の糸口がつかめます。
一方、解説が詳しめなので、そこまで本気で学ばなくていいかな……という方にはあまりオススメしません。また、デフォルメ絵に特化した描き方が知りたいという方にも、積極的にはオススメしません。
1冊目の本では少し物足りないという方にちょうど良いのではないかと思います。
本当に役に立つので、気になった方はぜひ一度手に取ってみてください!
『脳の右側で描け』
最後に紹介するのが、B.エドワーズ著/北村孝一訳『脳の右側で描け』(エルテ出版)です。
これもまた有名な1冊ですね。
今回紹介した本の中では、一番文字が多いと思います。というよりも、ほとんどが文字です。イラストは解説のために挿入しているといった具合。厚みも2cm以上はあるかなといった感じで、とても分厚いです。
絵柄は完全にリアル調ですね。
非常に解説が細かいので、理屈や手順をとことん理解したい方にオススメします。
ただ、最初から徹底的に読み込むぞ!っていうのは少し厳しいような印象を受けます。
というのも、あまりにも分量が多いからです。時間がかかりすぎるので、まずはさっと一周してから必要なところだけ参照する形が使いやすいと思います。
もっともこれは私の感想なので、「いいや、一からちゃんと学ぶんだ!」と思う方がいらっしゃれば、ぜひ挑戦してみてください。成功すれば、とても力が付くと思います。
そして前の2冊と同様、デフォルメに特化した描き方が知りたいという方にはオススメしません。
こんなこと言っちゃうとデッサンの本全部そうなんですけど、デフォルメ絵の描き方はそれ用の本で学んだり、実際の絵を見たりする方が効率的に習得できる気がします。
デッサンの本が役に立つのは、理屈を学ぶという点においてですね。
この本は、本気でデッサンを学びたい方や、イラスト上級者でより理解を深めたい方にオススメ。とにかく分量がものすごいです。
あとは外国の本なので、翻訳物に慣れている方の方が読みやすいかもしれません。
- 今回紹介した第3版はこちら
- 最新版(決定版)はこちら
まとめ

以上3冊、描き方の本を紹介してみました。いかがだったでしょうか?
私も絶賛勉強中なので、これから勉強される皆さん、一緒に頑張りましょう!
今はネットにもたくさんの情報がありますが、手元に置いてすぐ参照できるのが紙媒体の強みですよね。
複数のページを同時にチェックしたり、直接描き込んだりできるのも魅力的だなと思います。
今回のレビュー、良かったら教本選びの参考にしてみてください。
いきなり買うのはちょっと……という方には、図書館がオススメです。自分に合うかどうか、一度借りて読んでみるのがいいと思います。
ちなみに私は、デッサンのデの字も知らないような最初の頃に手に取ったのが、この3冊でした。
一読しただけでは十分に取り入れられない内容も多くて苦労しましたが(というか今も苦労していますが)、大事なことは全てこの3冊で抑えられると言っても過言ではないと思います。初心者でも参考になる内容がたくさんありますよ!
特にリアル寄りな絵を描きたい方には本当にオススメなので、ぜひ手に取ってみてください。
ではまた!
最後まで読んで下さって、ありがとうございました。