【メルカトル鮎】麻耶雄嵩先生のミステリー作品・メルカトル鮎シリーズを語る!【緻密で邪悪な推理小説】

「メルカトル鮎を語る」という文字と、メルカトル鮎シリーズの書影が掲載されたアイキャッチ画像

こんにちは、甘抹らあです。絵と小説を描く人です。

今回は、麻耶雄嵩先生のメルカトル鮎シリーズについて語ります!

読んだことのない方は、是非一度手に取ってみてください。

また、読んだことあるよという方には「うんうん、そうだよね!」と共感していただけたら嬉しいです。

それでは早速見ていきましょう!

1.登場人物紹介

メルカトル鮎(めるかとる・あゆ)

銘探偵。シルクハットをかぶりステッキを持った謎の男。推理力抜群で自己中心的なやべーやつ。「メル」と呼ばれることがある。

美袋(みなぎ)

メルカトルの助手。

木更津悠也(きさらづ・ゆうや)

もう一人の探偵役。メルが邪道な探偵だとすると、木更津はまさしく正統派の探偵。知名度が高く、警察からも信頼されている。メルより態度が良い。ちょっとやべーやつ。

香月実朝(こうづき・さねとも)

木更津の助手。やべーやつ。

如月烏有(きさらぎ・うゆう)

出版社に勤める青年。やべーやつ。

舞奈桐璃(まいな・とうり)

烏有が勤める出版社に出入りしている美少女。烏有に懐いている? よくわかんないやつ。

2.既刊のあらすじと好きなポイント

2-1.翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件

著者・麻耶雄嵩先生のデビュー作。
「最後の事件」とありますが、これが最初の一作です。

物語の中で、小説家・香月実朝は、探偵・木更津悠也とともに今鏡家に招かれます。
そこで次々と首を切断された死体が見つかります。
犯人も動機も犯行方法もさっぱり分からないまま事件が進んでいくのですが、途中でメルカトル鮎が参戦。
メルは早々に真実に気づいたらしいのですが、しかし――?
最後には驚くべき真実が待ち受けています!

好きなポイント✨

  • 木更津とメルカトルそれぞれの推理を何度も楽しむことができる!
  • 衝撃的な事件の数々にページをめくる手が止まらない!
  • なんといってもラスト!!!とにかく頭から順番に、丁寧に、最後まできっちり読み切ってほしい!
  • メルカトル鮎!!!!

2-2.夏と冬の奏鳴曲

主人公は如月烏有。メルカトル鮎シリーズとして紹介していますが、メルはほとんど登場しません。

今作の舞台・和音島では真宮和音という人物を信奉する人々がかつて共同生活を送っていました。
ところがその生活は、和音の死と、その直後に訪れた武藤という人物の死によって終焉を迎えます。
それから20年たった今、当時和音を信奉していた人々が再び和音島に集うとのこと。
烏有は彼らの会合を取材するべく、舞奈桐璃とともに和音島を訪ねます。
しかしながら、そこで凄惨な殺人事件が発生し、烏有たちも否応なく巻き込まれることに。
殺人事件の犯人とその目的は何なのか?
そしてこの島ではかつて何が起きたのか??

好きなポイント✨

  • 未解決の謎が多くて気になる~~!!!!考察のしがいがある!
  • 大満足のボリューム感
  • ショッキングな事件に惹きつけられる
  • 最後に現れるメルの万能感よ

2-3.痾

『夏と冬の奏鳴曲』の続きです。長編。

烏有は和音島での出来事や過去のトラウマを忘れ、編集者として正社員雇用されて生活を再開します。
桐璃のことすら忘れているのですが、桐璃は烏有の恋人だと主張して頻繁に部屋を訪ねてきます。
やがて記憶の欠落に耐えかねた烏有は、寺社への方かを繰り返すようになるのですが――なんと、放火跡からは必ず死体が発見され、「放火殺人」として話題に。
殺人犯が自分の後を付けているのではないか? 他の人物に自分の放火を告発されるのではないか? と不安に陥る烏有。
そんな折、メルカトル鮎が烏有に接近し、彼を「銘探偵」の素質があると評します。
烏有はメルに勧められるがまま、殺人事件の謎に挑むのでした。
果たして、事件の真相は?

好きなポイント✨

  • ネーミングセンスが尖ってる
  • 銘探偵って何なの!!??
  • 前作に引き続き謎が多くて、考察が楽しい
  • 作り込みが丁寧ですごい!!
  • 烏有がこわい

2-4.メルカトルと美袋のための殺人

全7編の短編から構成される短編集です。
それぞれ一言ずつ紹介すると、以下の通り。

  • 「遠くで瑠璃鳥の啼く声が聞こえる」
    不可能に見える状況下で祐美子と大垣が殺害された。祐美子が大垣を殺して自殺したものと思われたが、語り手・美袋は祐美子に惚れこんでいたため、そんな筈はないと考える。真相はいかに?
  • 「化粧した男の冒険」
    なぜか顔に化粧をした男の死体が発見される。化粧は死後に施されたものらしく、男には女装癖もない。これはどういうこと?
  • 「小人閑居為不善」
    依頼が来なくて退屈していたメルは、“ある手段”で自分のもとに依頼を呼び込もうと画策する。果たしてその結果は?
  • 「水難」
    旅館で少女の幽霊を見かけた美袋。その直後、同じ旅館のクラから2人の宿泊客の死体が見つかる――
  • 「ノスタルジア」
    メルが書いたミステリー小説の謎を解けと言われた美袋。その内容は、上杉謙信――通称謙信公が密室の中で死んでいたというもの。さあ、美袋は謎を解けるのか?
  • 「彷徨える美袋」
    旧友からタバコの箱を渡され、肌身離さず持ち歩くよう言われた美袋。言われた通りにしていると、何者かに襲われて拉致される。さらには殺人事件に巻き込まれ、その容疑者にもされてしまい……大丈夫なのか??
  • 「シベリア急行西へ」
    メルに連れられてシベリア急行に乗った美袋は、ある作家が殺されている現場に遭遇する。犯人は誰だ!

どの短編も面白くて、大好きです!

好きなポイント✨

  • メルカトルの推理が冴えわたっていてすごい!
  • どれも一筋縄ではいかない解決なのがすごい!
  • メルの性格の悪さが一周回ってすごい!
  • 短編集で気軽に読めるというのに、読み応え抜群な内容ですごい!

2-5.鴉

舞台は、山奥に存在する閉鎖的な村。
主人公の珂允(カイン)は、弟の恋人である茅子を奪って結婚したものの、弟と妻の恋仲が続いていることに気付いて離婚を決め、その直後に弟が何者かによって殺害されるという憂き目に遭っていました。
そして弟の野こそいたメモに書かれていたのが、本作の舞台となる村です。
弟の襾鈴(アベル)がここで何を経験したのか?
その死の真相を探るべく、珂允はその地を訪ねます。
村に隠された秘密と襾鈴の死の真相に迫るミステリーです。
なお、レギュラーメンバーの内本作に登場するのはメルカトル鮎のみです。烏有や桐璃、木更津らは全く現れません。

好きなポイント✨

  • 二重三重にトリックが仕込まれていて、本当に面白い!!!最後までたっぷり楽しめる。
  • メルカトル鮎の只者じゃない感が半端ない。ナンダコイツ。
  • トリックが斬新ですごい!
  • ネーミングセンスが好き!!

2-6.木製の王子

長編です。
舞台は、白樫家という奇妙な一族が住まう屋敷。
その屋敷で殺人事件が発生します。
探偵役は、烏有と木更津。メルカトル鮎シリーズとして紹介しておきながら、メルは登場しません。
烏有の出版社に新しく来た後輩の安城が、白樫家と縁のありそうな指輪を持っていたことから、事件にかかわることとなります。
この説明だけだとちょっと何言ってるか分かんないと思うんですけど、どう説明したらネタバレにならずに済むか分からない上にめちゃくちゃ複雑なストーリーなので、とりあえず気になる方は一度読んでみてください!!(ぶん投げ)
緻密なアリバイトリックが見物の傑作ミステリーです。

2-7.メルカトルかく語りき

全5編からなる短編集です。
それぞれ一言ずつ紹介すると、以下の通り。

  • 「死人を起こす」
    高3の夏、別荘で友人が事故死した。その真相に疑いを抱いて再び集まった一同。メルカトル鮎に解決を委ねるが、メルが到着する前にまた一人仲間が死んでしまう――
  • 「九州旅行」
    美袋がメルのせいでせっかく書いた原稿をお釈迦にされてしまい、その埋め合わせをしてもらおうと目論む。
  • 「収束」
    ある島で共同生活を送る新興宗教の信者たちの中で殺人事件が発生する。
  • 「答えのない絵本」
    高校教師が理科準備室で殺害され、生徒20人のうちの誰かが犯人と目されるのだが――?
  • 「密室荘」
    メルカトル鮎が密室荘と呼んでいる別荘の地下で死体が見つかる。

好きなポイント✨

  • 考察の余地を残して終わる物語が多くてワクワクする
  • 発想がマジで天才
  • 美袋もメルも倫理観がぶっ飛んでる

2-8.メルカトル悪人狩り

2023年6月時点での最新刊!
全8篇の短編から構成されています。
こちらもそれぞれ一言ずつ紹介すると、以下の通り。

  • 「愛護精神」
    美袋がアパートの庭に犬の死体を埋める。メルがタダ働きをする。
  • 「水曜日と金曜日が嫌い」
    大栗博士なる人物がかつて暮らしていた山中の館で、彼の養子4人が演奏会のために集まっていたのだが、殺人事件が発生してしまう。
  • 「不要不急」
    コロナ禍の犯罪についてメルが語る。
  • 「名探偵の自筆調書」
    最も安全な殺人の手段は何か?
  • 「囁くもの」
    メルが旧友の若桜社長に頼まれて社長宅に出向いたら事件が起きた。
  • 「メルカトル・ナイト」
    メルがとある女性作家から身辺警護を頼まれる。
  • 「天女五衰」
    劇団サークルの男女が殺される。
  • 「メルカトル式捜査法」
    メルが休養のために訪れた館で殺人事件が発生する。休養のはずだったのに!

コロナ禍を舞台にした作品もあり、世相が反映されていて面白いです。
それにしても、メルカトル鮎は何者なのか? 謎は深まるばかり。

好きなポイント✨

  • メルカトル鮎の万能感がすごい!
  • どれも単純には終わらないところが面白い
  • 緻密な論理が最高



シリーズ全体を通しての感想

メルカトル鮎シリーズに限らず麻耶雄嵩作品に共通して言えることなのですが、とにかくひねくれています。
トリックも、動機も、登場人物の性格も、世界観も。
それがもうたまらなく面白いのです。
正統派の本格ミステリも大好きですが、麻耶雄嵩作品には麻耶雄嵩作品からしか摂取できない独特の栄養素があると思っています笑
一筋縄ではいかない謎にグイグイ惹き込まれ、読み終わってからもなお延々と考察してしまう、おそるべきパワーを持った作品たちです。

また、それだけ考察の余地があってひねくれているということは、とりもなおさず、それだけ緻密かつ丁寧に作り込まれているということでもあります。
その技巧にはただただ驚かされるばかりです。
本当に面白い!

まとめ

以上、メルカトル鮎シリーズを紹介してみました!

いかがだったでしょうか?

麻耶雄嵩先生の作品は他にも癖が強くて面白いものがたくさんあります。

気になる作品があれば、ぜひぜひ読んでみてください!

大好きです!!! オススメ!

それではまた、別のどこかでお会いしましょう。
甘抹らあでした!
Twitter→@amamatsu_lar

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