【金田一耕助シリーズ】探偵小説・金田一耕助シリーズの好きな話を紹介してみる!【横溝正史】

書影は版元ドットコムより引用

こんにちは。甘抹らあです。絵と小説を描く人です。

今回は、金田一耕助について語ります。

とはいえ、私のミステリ歴は浅いので、大したことは書けません(シリーズ全巻は未読の身……)。

とりあえず自分が読んだ範囲で、特に面白かった作品を紹介してみます。

面白そうだなと思ったら、ぜひ読んでみてください!

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1.金田一耕助シリーズとは?

横溝正史先生による探偵小説です。

表紙がおどろおどろしくて怖いので、人前で読む時には気を付けた方が良いです。

探偵役は金田一耕助でとても優秀な人には違いないのですが、事件を未然に防ぐ能力は無く、たいてい複数の人が犠牲になります。

2.好きな作品紹介

2‐1.八つ墓村

かつて8人の落ち武者が逃げ込んできた村があった。

村人たちは落ち武者の財宝を奪うために彼らを殺してしまう。

ところが財宝は見つからないまま、以来、村では8人の呪いとされる怪異が相次いだ。

さらに大正時代、首謀者の子孫が突然発狂し、32人の村人を殺して行方不明となる。

それから二十数年。

主人公・辰弥は、自分の血縁のことで八つ墓村に呼び寄せられた。そこで待ち受けているのは、不気味な連続殺人事件――

落ち武者の呪いは実在するのか?

途中から冒険活劇っぽくなっていくのが面白かったです。メロドラマ的な部分も面白い。

犯行の動機が常軌を逸していて、犯人ヤバいなって思いました。

典子ちゃんが一番好きです。主人公はあんまり好きじゃないです。

2‐2.獄門島

戦死した千万太の頼みで、彼の三人の妹が殺されるのを防ぐべく、金田一耕助は彼の故郷である獄門島へ向かう。

その島では、本鬼頭家と分鬼頭家、二つの網元の家が対立していた。

本鬼頭家にいるのは女ばかりで、当主の嘉右衛門は既に亡くなっている。その弟・与三松、与三松の姪・早苗、千万太の妹たちなどが暮らしていた。

分鬼頭家にいるのは、お志帆さんに儀兵衛という夫婦と、見目麗しい鵜飼という男性。

村には他に、村長の荒木、医師の幸庵、和尚の了然がおり、この3人が事実上のトップである。

千万太の意図や村の状況がいまいち分からないまま、金田一の前で次々と殺人事件が起きてしまう。

その殺人事件の動機とは一体何なのか? そして犯人は誰なのか?

ラストの二ページが悲しすぎるので、ぜひ最後まで読んでほしいです。

とにかく怖くて切なくて哀しい。

金田一探偵があまり役に立っていなくて気の毒になりました。

2‐3.悪魔の手毬唄

今作の舞台は山間にある田舎村。

そこでは20年ほど前に、恩田幾三という男が、湯治屋の主人である源治郎を殺害して行方をくらませたとされる事件が起きていた。

そして現在、金田一耕助が村を訪れ、恩田の娘と言われている千恵子が帰郷した自分から、再び惨劇が始まる。

村に古くから伝わる手毬唄の通りに、両家の娘たちが殺されていったのだ。

なすすべもなく翻弄される金田一ら。果たして犯人は誰なのか――?

推理小説あるあるですが、びっくりするぐらい血縁関係がごちゃごちゃしていて、愛憎渦巻くドロドロのストーリーに仕上がっています。

面白いです。

2‐4.悪魔が来りて笛を吹く

天狼堂事件の犯人とよく似た相貌の男・椿子爵をめぐる物語。

椿子爵の妻・秌子、娘・美禰子、友人・三島東太郎、秌子の兄・俊彦とその妻子、玉虫の大伯父、尼の妙海らが登場する。

金田一に相談を持ち込んだのは美禰子で、父である椿子爵の生死を確かめるための砂占いの席に同席するように頼む。

その砂占いの日に事件は起きた。椿子爵が作曲した「悪魔が来りて笛を吹く」の演奏が鳴り響き、さらには玉虫の大伯父が殺害されたのだ。

果たして椿子爵は何者なのか。事件を起こした犯人は誰なのか?

導入に使われた事件は実際の大事件をモチーフにしたもので、その凄惨さに驚かされました。

あとは例のごとく、血縁関係がドロドロでえぐいです。

東太郎のキャラはわりと好きでした。

2‐5.犬神家の一族

犬神家当主・犬神佐兵衛が亡くなり、その遺言状の内容を巡って連続殺人事件が起きる。

故佐兵衛には三人の妾それぞれとの間に娘がおり、上から順に梅子、竹子、松子という。梅子には一人息子(佐智)が、竹子には娘(小夜子)と息子(佐武)が、松子には一人息子(佐清)がおり、さらには珠世という美しい女性が犬神家の養子になっていた。

ややこしくて申し訳ないのだが、要するに故佐兵衛があっちこっちに子どもを作っていたせいで遺産相続に関わる人間が大量にいたということ。彼らの間で血なまぐさい事件が起きる。

最終的に生き残るのは誰なのか!!

金田一シリーズ全体に言えることなのですが、今ならアウトだろうなという表現が多くて若干苦笑い。ジェンダーやルッキズムの問題もそうだし、猿蔵の扱いも少し気になりました。

が、話は面白かったです。

佐清が顔を隠すためにゴムマスクを付けて能面のような表情になっているというのが、なんともおぞましくて好きでした。

派手な演出も多く、徹頭徹尾ハラハラさせられっぱなしです。

2‐6.三つ首塔

音禰は、祖父である佐竹玄蔵の遺言で、高頭俊作なる人物と結婚すれば玄蔵の遺産百億円をすべて手に入れられる立場にあった。

ところがそのことが分かって間もなく、俊作と見られる男が殺害される。さらに、親族や関係者を次々と魔の手が襲った。

音禰は高頭五郎(俊作のいとこ)を名乗る謎の男に誘惑され、血みどろの惨劇からの逃亡を企てる。

一連の事件の裏には一体何があるのか?

勢いがあって、最初から最後まで楽しく読めました。

ミステリーというよりもラブ・ロマンスと言った感じで、ひたすらに愛の逃避行。

官能的な描写にドキドキしました。

まともな人が一人も出てきません。笑。

4.シリーズの魅力

続いて、シリーズの魅力を見ていきます。

まずは、古風でありながら非常に読みやすく、読む人を惹きつけてやまない文体

何冊か読んでいただければわかるのですが、とにかく読みやすいです。

一冊一冊がそこまで分厚くないのもあって、さくさく読み進めることができます。

それでいて浅薄な文章なのかと問われれば全くそんなことは無く、むしろ情趣に溢れています。非常に面白いです。

次に、金田一耕助による毎度の謎解き

やはりミステリーですから、一番面白いのは解決シーンでしょう。

毎度毎度金田一耕助によってあらゆる謎が解き明かされるシーンが壮観です。

最後は、謎が解決しても救われない後味の悪さ

謎が解き明かされたからと言って登場人物みんなが救われるわけではありません。

「で、どうするのよ?」と言いたくなるような後味の悪さが残ることが多いです。

ですがその後味の悪さがクセになります。好きです。

5.まとめ

以上、金田一耕助シリーズを紹介してみました。

読んだことが無い方はぜひ一度読んでみてください!

それではまた。

甘抹らあでした!
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