【館シリーズ】綾辻行人先生の館シリーズの魅力を語る!!【十角館~奇面館】

館シリーズ一覧の書影

こんにちは、甘抹らあです。

今回は、綾辻行人先生の館シリーズを紹介してみます!!!!!

来たぜ来たぜ―――――!!!!!

とても面白いので、ご存じないという方がいらっしゃれば、ぜひとも興味を持っていただきたいです!!!

※記事内のURLは商品の参考として載せているものです。リンク先からご購入される場合には、必ず各自の判断でお願いいたします。

1.館シリーズとは?

綾辻行人先生による探偵小説(推理小説)のシリーズ。

綾辻行人先生は、Anotherなどの著作も有名な、ホラー/ミステリー界の人気作家です。新本格ブームの立役者でもあります。

館シリーズの作品はいずれも、中村青司という建築家が作った館において、主に密室状況の中、連続殺人が起きるという形式にのっとって展開されています。

探偵役は島田潔

この名前は、御手洗潔シリーズの作者「島田荘司」先生と探偵役「御手洗潔」からインスピレーションを得たものだそうです。

特定のワトソン役は不在ですが、それらしき役割につくキャラが登場する巻もあります。

各巻ごとの繋がりはあまり濃くない(登場人物が一部重複する程度な)ので、必ずしも順番に読む必要はないのですが、少なくとも4巻……いや、7巻まではきちんと順番通りに読んだ方が絶対に楽しめます。

というか、順番通りに読むのが一番です!
※一部、ネタバレになってしまうため。

ちなみに、公式サイトはこちら↓

http://kodanshabunko.com/ayatsuji/yakata.html

2.各巻のあらすじと推しポイント(ネタバレ無し)

2-1.十角館の殺人

館シリーズの原点。

角島には、十角形の奇妙な館が存在している。
館を建てた中村青司は、奇妙な建物ばかり建てる建築家として有名で、半年前に青屋敷という場所で焼死したらしい。
いわくありげな設定に興味を掻きたてられた、大学ミステリ研の七人は、十角館を訪れることに。

ところが、館に集まった七人が、一人また一人と殺されていく……。

果たして、犯人は誰なのか?

推しポイント✨

  • ミステリ研のメンバーがお互いのことをミステリ作家になぞらえた愛称で呼んでいるところに趣深さを感じる。
  • 衝撃の結末!!! 絶対にうっかり最後のページを開いてネタバレを見てしまうようなことがないように気を付けて読んでほしい。
  • 一番最後のセリフがめちゃくちゃ良い……。読み終わってから、しばらく放心して余韻に浸ってしまう。

2-2.水車館の殺人

ある時、水車館で家政婦が墜落死した。

その後、館にあった絵が1枚盗まれ、同時に来客の一人だった古川が姿を消す。古川を追った正木も姿を消し、その後、焼却炉からバラバラ死体が発見された……。

古川が絵を盗み、正木を殺してバラバラにしたのではないかと考えられたが、古川の行方は杳として知れない。

そんな凄惨な事件から1年。

館の主人である「私」は、うら若き妻・由里絵と執事の倉田、通いの家政婦である野沢らとともに生活を送っている。

1年前と同じように客人を招いて、絵をお披露目するのだが……なんと、再び来客の1人が死んでしまう!

過去と現在の事件が交錯する、衝撃のミステリー。

推しポイント✨

  • 冒頭の場面がショッキングで、いきなり引き込まれる!
  • 過去と現在を行き来する構成が面白い。
  • 由里絵の生涯を思うと、何とも言えない切ない気持ちになる。

2-3.迷路館の殺人

島田が作中作『迷路館の殺人』を読み、そこに隠された謎を解き明かす物語。

作中作『迷路館の殺人』は、島田たちの世界で実際に起きた事件を題材としている。

ミステリの大家・宮垣葉太朗が若手作家四人と編集者、評論家、それに探偵の島田潔を招いて還暦祝いのパーティーを開く。

ところが、早々に宮垣が自殺。おまけに、「集まった四人の若手作家たちでそれぞれ短編を書いてどれが一番優れているのかを決めよ、最も面白い作品を書いたものに遺産の半分を遺す」との遺言を遺す。

戸惑いつつも、言われた通りに競作を始める作家たち。

しかしながら、事態は思わぬ展開を見せ――!?

推しポイント✨

  • “作中作”というものの存在にテンションが上がった!
  • しかも、若手作家四人がそれぞれに小説を書くわけなので、作中作の中でさらに作中作を読めるのが嬉しかった。
  • 最初から最後まで徹底的にトリックが仕込まれていて、本当に面白い。遊び心満点。
  • 著者が誰なのか最後まで分からなくて悔しかったっ!!!

2-4.人形館の殺人

京都にある亡き父の館・人形館に引っ越してきた飛龍想一は、何者かから脅迫を受ける。

どうやら自分は幼少期に、何か罪を犯しているらしい。

ところがそれを鮮明に思い出すことができず、どうすればいいのか全くわからない。

想一は暗中模索の中、おびえる日々を送るようになる。

密室の中で事件が起きるなど、確実に魔の手は忍び寄っていた。

幼馴染の架場、その助手の希早子らに相談するのだが、事態が好転する兆しはなく、むしろ追い詰めらえる一方。

唯一の頼みの綱が、大学時代からの友人である島田潔だった。
想一は必死の思いで島田に連絡を取る。

そして満を持して登場した島田が見せる、今作の解決やいかに?

推しポイント✨

  • 架場の言動に心を惹かれた。飄々としているところと、腹の読めないところが好き。
  • シリーズの中でも異色の構成が印象的。
  • 自分にも何か幼少期の過ちがあるのではないかと、ぞっとさせられた。
  • 想一の語り口が雰囲気に溢れていて怖い。

2-5.時計館の殺人

死んだ少女の幽霊が出るという噂の“時計館”。

編集者の江南、その上司の小早川、カメラマン内海、霊能力者の光明寺美琴、W**大学ミス研の5人の大学生は、特別企画の取材のために時計館に出向く。三日間時計館の旧館に籠り、少女の例を呼び寄せようというのだ。

しかし二日目の朝、館内が荒らされ、美琴が姿を消す。そんなこと、予定にはなかったはずなのに……。

何かのパフォーマンスかといぶかる一同。

翌日にはさらに、W**大の早紀子と渡辺が死体で見つかった。

これはいよいよおかしい。おまけに外に出ようにも、鍵は姿を消した美琴が持っているので、メンバーは旧館に閉じ込められているのであった。

疑心暗鬼の中、時間が過ぎていく……。

一方館の外では、島田潔と、出席するはずだったメンバーの福西(諸事情あって欠席していた)が、ともに時計館の新館を訪れていた。

使用人である伊波から、館のかつての主人が遺した詩を読み解いてほしいと頼まれたのだ。

10年ほど前に相次いだ館の関係者の死とその経緯や、館内の様子について説明を受ける2人。

旧館の中では惨劇が繰り広げられているということも知らずに――。

過去と現在、新館と旧館、複数の軸が織りなす“館もの”の真骨頂!

推しポイント✨

  • 大ボリュームで、読み応え抜群。
  • 様々な時計が出てくるところに興味を惹かれた。
  • 新たな職業が板についてきた島田の様子が面白い。
  • 江南くんの登場にテンションが上がる。
  • 衝撃の結末!! とにかく最後まで読んでほしい!

2-6.黒猫館の殺人

今回の作品は、一風変わっている。

探偵の島田が事件に立ち会うことなく、過去の事件を解決するという形式なのだ。少し違うが、安楽椅子探偵に近いものがあるかもしれない。

依頼人は、事件があった当時の館の管理人・鮎田冬馬。事故で一切の記憶を失ったのだが、自身が記したと思われる、事件にまつわる手記を読んで、実際のところが知りたいからと島田を頼った。

事件が起きたのは1年前のこと。鮎田の管理のもと、館に大学生四人が遊びに来たことがきっかけだった。

物語は、現在の島田たちの調査パートと、鮎田の手記パートを交互に繰り返して進んでいく。

1年前に館で起きた惨劇とは何か?

それは、本当に現実に起きたことなのか?

そして、事件の裏に隠された真実は何か?

島田が謎を解き明かす。

推しポイント✨

  • 氷川というキャラの性格が好きだった。好きだったんだよ……。
  • オーソドックスな密室の事件と奇想天外な事件とがそれぞれ用意されており、胸が躍る。
  • 大仕掛けのトリックに度肝を抜かれた。面白いー!

2-7.暗黒館の殺人

大ボリュームの超大作。圧巻、感動、絶叫。

私は講談社ノベルズで読みましたが、上下巻それぞれが『魍魎の匣』(※京極夏彦先生の超分厚い小説)並みの分厚さで、本当に驚きました。めっちゃくちゃ長いです。今から読む方は、心して掛かってください。

しかし言っておきますが、絶対に後悔はしません。

長さに見合う衝撃と面白さがあります。

以下、あらすじ。

中村青司が携わったという「暗黒館」に興味を抱いていた編集者・江南孝明は単身、人里離れた場所にあるというその館を目指す。

しかし途中、事故で車を大破させてしまったうえ、手に怪我を負う。

そこで、図らずも館の住人に助けを乞うことに。

ところが、助けを求めるよりも先に、何かに引かれるようにして立ち寄った塔から転落し、意識を失う――

視点は変わり、或る大学生の「私」が語る。

「私」は、暗黒館の主たる浦登家の跡取り息子・玄児から「中也」の愛称で親しまれていた。
元々は、事故で記憶喪失に陥ったところを玄児に介抱され、次第に記憶を取り戻していったという関わり方だったそう。しかしその後も付き合いを続けるうち、玄児から暗黒館に招かれる。

そこで出会ったのが、玄児の縁者たち。彼らには皆どこかしら、普通と違うところがあった。

そして「私」は、“ダリアの宴”という奇妙な宴に参加させられる。その宴に参加することで、「私」も浦登家の仲間になったと言われるのだが、何のことだかサッパリ分からない。

困惑する「私」をよそに、館では不可解な殺人事件まで起きており――

果たして、浦登家に隠された秘密とはなんなのか?

そして、殺人事件の真相やいかに。

なお今回、島田潔はほとんど何もしません。仕事しろ。

推しポイント✨

  • 大満足のボリューム感!
  • オカルトチックなムードが素晴らしい。
  • 浦登家の秘密がとても恐ろしい。
  • ラストがもう、衝撃に次ぐ衝撃。圧巻!
  • 玄児のキャラがめっちゃ良い!好き!!好きです!!!
  • 江南!江南!江南!!!!!貴様っ!!!!!!
  • あと中也も!!!お前っ!お前ええええええ!!!???
  • 残された謎を考察するのが楽しい。

2-8.びっくり館の殺人

本作はちょっと毛色が違って、講談社ミステリーランドとかなんとかいうやつの一環で書かれたもののようです。

暗黒館の後に読むと、拍子抜けしてしまうくらいボリュームが少ないです。

でも、面白さは変わらず!

以下、あらすじです。

主人公の三知也は小学生の頃、“びっくり館”に住む少年・俊生と親しくなる。

俊生はかつて姉のリリカを喪っており、今は祖父である古屋敷龍平氏と2人で暮らしていた。

その龍平氏は、リリカの死に異常なショックを受け、リリカと名付けた人形を作り、腹話術を行うようになる。

そんなある日、三知也が、俊生の家庭教師である新名、そのいとこの湖山あおいと3人で“びっくり館”を訪ねたところ、なんと龍平氏が殺害されていた!

しかも、密室の中で。

部屋の中にいたのは“リリカ”ただ一人だけ――

果たしてここで、何があったのか?

また、リリカの死にはどんな背景があったのか?

推しポイント✨

  • シリーズの他の作品と比べても、オカルト感が増し増し。ラストにぞっとさせられた。
  • 推理小説というよりもオカルト、怪奇小説っぽい感じ。
  • ちらっとだけ出てくる島田が良い。でも仕事してない笑
  • 新名さんのことが好きになってしまった(´・ω・`)
  • 文庫版は分からないけど、講談社の単行本だと挿絵もたくさんあって豪華だった。
  • 短いので、時間がない時でもサクッと読める。

2-9. 奇面館の殺人

奇面館の主人・影山逸史は、“もう一人の自分”――いわゆるドッペルゲンガーのようなものを探し求めていた。なんでも影山家では、先祖代々、“もう一人の自分”に出会うことができれば、幸せが転がり込んでくるという言い伝えがあるそうなのだ。

そこで、自分とほぼ同年同月日に生まれた人々を集めて、”もう一人の自分“を探す会を催していた。

探偵・島田潔は、本来の招待客である日向に頼まれ、彼の代わりにこっそりと会に出席することに。

その会の奇妙なところは、参加者が全員、全頭式の仮面をかぶらなければならないことである。

仮面は全部で6種類。〈祈りの仮面〉〈哄笑の仮面〉〈懊悩の仮面〉〈嘆きの仮面〉〈歓びの仮面〉〈驚嘆の仮面〉。

そしてこれらに加えてもう一つ、特別な仮面があると言われていた。それは〈未来の仮面〉。その仮面をかぶると未来を見ることができるのだが、今ではどこにあるのか分からない。

さて、そんなこんなで開かれた、奇妙な催し。

ところが早速殺人事件が発生する。それも、ひどく衝撃的な形で――

果たして島田は、謎を解くことができるのか!

推しポイント✨

  • みんなが仮面で顔を隠すという趣向が面白かった。あだ名で呼び合っていた「十角館の殺人」を思い出す。
  • ミスリーディングに見事に引っ掛かった。これは面白い!!!
  • 最後に明らかになる「ある事実」がものすごく衝撃的。
  • 臨時メイドの瞳子ちゃんが可愛かった。強い女の子って素敵!
  • 暗黒館を読んだ直後だったので、鬼丸という名前にビビった。
  • とりあえず面白かったからみんな読んで。

3.まとめ

以上、綾辻行人先生の館シリーズをご紹介してみました。

とにかく本当に面白いので、興味のある方は、ぜひ読んでみてください!

ちなみに綾辻先生の著作は他にもたくさんあり、いずれも非常に面白いです。
まじでもう本当に心の底から尊敬してる。
良かったら探してみてください。

あと、ご本人のTwitterが可愛くて癒されます。
癒しが欲しい方は、ぜひフォローを(笑)

それではまた、一緒に頑張っていきましょう!
甘抹らあでした!

Twitter→@amamatsu_lar

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