Adobe Frescoの使い方と使用感を徹底検証! ブラシの種類やレイヤー、できることについて。
こんにちは。甘抹らあです。絵と小説を描く人です。
今回は、Adobeが出しているお絵かきソフト“Adobe fresco”の紹介をしてみます!
Adobe製品で絵を描いていらっしゃる方は、大半がPhotoshopを使用されていると思うのですが、Photoshopは本来、写真の編集を主目的とした画像編集ツールです。
それに対して、Adobe frescoはお絵描きに特化したツールです。
手書き感のある筆致を再現することができます。
ものすごい、優れものです!
……とはいえ
Photoshopからデジタル絵に入った私は、たまーに遊びで触るくらいしかしていませんでした。
しかし、せっかくコンプリートプランに入っているのだから、使わないともったいない!!
ということで今回は、Adobe frescoの使用感をいろんな角度から確かめてみました。
1.ブラシ
1‐1.ブラシの種類とか
まずは、ブラシの種類について。
大きく分けて、「ピクセルブラシ」「ライブブラシ」「ベクターブラシ」の3種類があります。
左側に並んでいるアイコンのうち、1番上がピクセル、2番目がライブ、3番目がベクターです。
1‐1‐1.ピクセルブラシ
こちらは名前から察するに、Photoshopの通常のブラシとほとんど同じものではないかと思われます。
ピクセルごとに描画する、ビットマップ画像に対応したブラシということです。
調べたわけじゃないので、間違ってたらすみません。
クリックして見てみると、たくさんの種類があります。
試しに「Jクリエイター」というくくりのなかの「削用筆2」というやつで線をひいてみると、こんな感じ。
手書き感が強いです。アナログ特有のムラがあります。
「コミック」というくくりの中には、アナログで言うところのトーンのような効果が描けるブラシもあります。
「レーキ」の中の「レーキ(砂粒)」はこんな感じ。
続いてこれは、「混合ブラシ」の中の「厚塗り混合」。厚塗り用ですね。
普通の円ブラシやソフト円ブラシも、「汎用ブラシ」という項目の中にあります。
1‐1‐2.ライブブラシ
次に気になったのが「ライブブラシ」というもの。
こちらは、frescoならではのブラシです。
ざっくり分けて、水彩と油彩の2種類があるので、それぞれ見てみましょう。
実際に描いたときの様子を撮影してみました。
水彩
水彩ラウンド細筆
作業がおぼつかなくてすみません。ちょっとまだ慣れてなくて……。
インクの流量(どのくらい色を濃くするか)や水量を調整することで、実際に水彩で描いたかのような、自然なにじみを演出することができます。
これはすごい……。
水彩ウォッシュソフト
こちらも先ほどと同様に使えます。
よりいっそうにじみが強いように見えます。
水彩ウォッシュ平筆
書き心地は、水彩ラウンド細筆に近いです。平筆の四角い筆の形を感じます。
水彩ウェットはね
これは、いままでのものと少し勝手が違いますね。
スパッタリングみたいな感じです。
重ねて描いた部分には、先ほどまでと同様、にじみが生じます。
水彩基本
「基本」とあるように、一番シンプルな水彩ライブブラシです。
にじみが比較的小さく、塗った面にはムラが生じにくくなっています。
一方では、筆致が残りやすいようにも感じられました。
油彩
油彩平筆
めちゃくちゃ面白いです。
カンバスに筆で描いているかのような筆致がエンボス風に浮かび上がっています。
また、水彩の時と同様に、色の混ざり具合をリアルに表現することが可能です。
油彩丸筆
これも、油彩平筆と同じような感じですね。
感覚的には、よりもったりと絵の具が付いているような気がします。
油彩ハシバミ
こちらは、さっきまでと比べてかすれ気味ですね。
油彩細筆
今度は、こんな感じ。
今更気づいたのですが、油彩ライブブラシは絵の具の混ざり具合を調整できるようです!面白い!
油彩光沢
このブラシだと、ツルツルした紙に書いているかのような質感を表現できます。
油彩厚塗り
こんな感じ。
書き心地の違いは、うーん、これと言っては分かりませんでしたが、上書きしていくような書き方ができるのかな……? でも、油彩は全部そうか。
油彩ショート
こんなかんじ。ハシバミほどではないけどかすれ気味って感じだろうか。
ちなみに、「指先ブラシ」こと「指先ツール」も存在します。
他のブラシ同様、様々な種類があるようなので、いろんなぼかし方を試してみてください!
1‐1‐3.ベクターブラシ
こちらは、ピクセルごとに描画していくブラシではなく、座標の位置を計算して描画する、ベクター画像に対応したブラシだと思われます。多分ね。
滑らかさを自分で調節することができます。
1‐2.詳細なブラシ設定を見てみる。
ピクセルブラシの詳細設定は、このようになっています。
やはり、Photoshopのブラシ設定とほとんど同じです。
ライブブラシ(水彩)も、同じような感じでした。
ライブブラシ(油彩)だとこうなっています。
「画質」「カンバステクスチャ」「カラーをリロード」等の項目が異なります。
「カラーをリロード」というのは、ストロークごとに絵の具を筆に付け直すか否かを決められる項目です。
- リロードする:絵の具を付け直す(ストロークごとに色がきれいになる)
- リロードしない:絵の具を付け直さない(ストロークを繰り返しても、色が混ざったまま)
という意味のようです。
実際に設定を変えて描画した時の動画が、以下の通り。
最初は「カラーをリロード」がオンになっているため、朱色に戻るのですが、2回目の時には「カラーをリロード」がオフになっているため、黄色が混ざった色に変わっています。
ベクターブラシのブラシ設定は、こうです。
2.レイヤー
レイヤーは画面の右側にサムネイル状に表示されています。
レイヤーメニューはこんな感じ。
Photoshopと違うのは、「レイヤーをクリア」「レイヤーを乾かす」の2つでしょうか。
「レイヤーをクリア」を押すと、レイヤーを削除せずに、レイヤー上に存在するオブジェクトやストロークのみを削除することができます。
「レイヤーを乾かす」は、感覚的に分かると思うのですが、紙を乾かすのと同じことです。
例えば、水彩筆で書いた後、「レイヤーを乾かす」を押してから別の水彩筆で色を乗せると、最初の色の方にはあまり色がにじんでいきません。そして、水彩境界のような効果を生むことも可能です。
実際にやってみたものが、こちら↓
左右でにじみ具合が全然違うことが分かると思います。
フォルダを作成するためには、
「複数レイヤーを選択」ののちにフォルダの形のアイコンをクリックすることで作成可能です。
レイヤー階層を変更する際には、レイヤーのサムネイルを長押して、移動させます。
3.その他の項目
消しゴムツール
こちらは、Photoshopと同じように、消去の作業が行えるブラシですね。
いろいろな種類があります。
移動と変形ツール
矢印マークみたいなやつを押すと、選択中のレイヤーに表示されているオブジェクト全体を移動させることができます。
青色のバウンディングボックスが表示されるため、そのバウンディングボックス内をクリックすれば、直感的に位置を操作することができます。
また、バウンディングボックスの輪郭線上にある白丸をクリックすることで、大きさを変更することも可能です。
Photoshopで言うところの「自由変形」の機能と同じだと思います。
ちなみに、右下に表示されている4つの矢印マークをクリックすると、細かい位置調整をすることができます。
選択ツール
なげなわ、自動選択、ペイント選択、長方形選択、楕円形選択の5種類があります。
なげなわツールは、Photoshopにあるものとほぼ同じです。
自分の好きな形を選択することができます。
下図のように、なげなわを閉じない状態で軌跡を描くと、「なげなわをキャンセル」もしくは「なげなわを閉じる」という選択肢が表示されるので、
ここで「なげなわを閉じる」を選択すれば、現在描かれている軌跡の出発点と終着点が直線で繋がれます。
また、この「なげなわツール」は、Photoshopで言うところの「多角形選択ツール」のような使い方をすることもできます。
点を打つようにクリックしていくと、下図のようにカクカクとした選択範囲を作ることが可能です。
「自動選択」「長方形選択」「楕円形選択」は、Photoshopの場合と全く同じです。
「ペイント選択」は少し特殊で、ブラシで描いた領域を選択することができます。
下図は、太さ80pxのブラシで短く弧を描くようにして、選択範囲を形成したものです。
なお、上の図からも分かる通り、1度選択範囲を形成すると、それを解除した後に「前回の選択を読み込む」というオプションが表示されるようになります。
それをクリックすれば、一度解除してしまった選択を復元することが可能です。
塗りつぶしツール
「カラーマージン」というのは、Photoshopの設定で言うところの「許容値」のことだと思われます。
つまり、どこまで色が同じ部分を塗るかということです。
この値を大きくすればするほど、多少色が違う範囲も塗りつぶすことができます。
参考記事↓
シェイプ
こちらも、Photoshopのシェイプと同様です。が、ちょっと使い方が違います。
使いたい形を選んでから、「塗り」というのを押すと、スタンプみたいにしてその色で形を作ることができるんですね!
わ~~~スタンプだ、おもしろ~~い!!って思っちゃいました。
ちなみに、「消去」を押すと、その形に繰りぬことができます。
便利!
グリッド
これはとても便利な機能なのですが!
方眼や遠近などのグリッドを表示させることができます。
方眼の場合、こんな感じ。
グリッドのカラーや不透明度、間隔も自分で調整することが可能です。
遠近の場合、こんな感じ。
まずは一点透視。
消失点の位置を自分で決めることができます。また、グリッド線の密度と不透明度、カラーを編集することが可能です。
次に、二点透視。
こちらも消失点の位置は自分で変更できます。また、グリッド線の密度と不透明度、カラーを変えることができます。
最後が、三点透視。
消失点がキャンバス外のけっこう遠くにあるので分かりにくいですが、こちらも消失点の位置やグリッド線の密度と不透明度、カラーを自分で変更することができます。
定規
画面一番右下のアイコンをクリックすると、定規を表示させることができます。
この状態で描画すると、線は図のように直線になります。
3.加工
- 「明るさ・コントラスト」
- 「色相・彩度」
- 「カラーバランス」
の3項目を調整することができます。
また、「レイヤープロパティ」という項目から、レイヤーの描画モード(乗算など)や不透明度を変更することが可能です。
それでも加工の幅は、Photoshopの方が広いですね。
イラストを描くのはfrescoでやって、加工するのはPhotoshopという使い分けができそうです。
4.保存
保存するときには、右上の「公開と書き出し」を選択します。
基本的には、Photoshopで書き出すときと同じような感じと考えて構わないと思います。
「クイック書き出し」の際のファイル形式は、「アプリケーション設定」から編集可能です。
※歯車アイコンを押すと出てきます。
5.アニメーション
Adobe Frescoでは、ななななんと!
アニメまで作れちゃいます!!!
Photoshopでも簡単なgif動画なら作れますが、frescoだともっと簡単です。
私もまだ試行錯誤の段階なのですが、こんな感じで操作すると、こういうアニメができるよという動画を下に貼っておきます。
良かったら参考にしてください。
……と思ったんですが、動画のアップロードできる容量をオーバーしてしまったので、ここに動画を貼れませんでした。
代わりに、frescoで作ったショートアニメを貼っておきます。
ちょっとこれ本当、面白すぎませんか???
もっと色々作ってみたいです。わくわく!
6.その他備考
ショートカットキーについて。
新しいツールを使う時にけっこう大事なのが、ショートカットキーの設定だと思います。
私なんかはPhotoshopの自分用にカスタマイズしたショートカットに慣れてしまっているので、frescoだとそれが機能しなくて困ることが多々……。
一応、先ほどの歯車マークからショートカットについても編集することが可能です。
特にfrescoでは、タッチショートカット?みたいな機能がメインみたいです。
左下に表示されている、半透明の丸みたいなアイコン。
これをダブルタップすると、こんな感じで真ん中が青い二重丸になります。
この状態で描画すると、ブラシを消しゴムとして使うことが可能です。(※デフォルトの設定だと)
また、その後に1回だけタップすると、今度は外側が青い二重丸になります。
これは、「ちょっと一旦ブラシに戻させて」ってやつです。
この状態で描画すると、普通のブラシで書いた時と同じように、線を引くことができます。
そこからまた更に1回だけタップすると、先ほどの、真ん中が青い二重丸に戻ります。
これは、「ちょっと一旦ブラシに戻させて」の「一旦」を終わらせた状態です。
すなわち、また消しゴムとしてブラシを使うことができます。
この消しゴム状態を完全に終了させるには、
もう一度、ダブルタップします。
すると、一番最初のただの半透明の丸に戻ります。

この作業を何度が繰り返して動画で取り直したものが、こちら。
なんとなく、伝わるでしょうか。
最初の状態(真ん中が青い二重丸)を「プライマリ」
二番目の状態(外側が青い二重丸)を「セカンダリ」といい、
詳しくは「ヘルプ」から説明を参照することができます。
「ヘルプ」からは、キーボードショートカットの一覧も参照可能です。
ただ、自分なりにカスタマイズすることはできないようなので、こちらは慣れるしかないですね。。
個人的には、スポイトが「I」なのに困ります。いつもAltでやってるので。
なので、効率重視で作業するときには、自分が使い慣れたツールを使った方が良いかもしれません。
7.まとめ
以上、adobe frescoの使い方を検証してきました!
とても面白いツールなので、ぜひ一度使ってみてください。
それではまた、一緒に頑張っていきましょう!
甘抹らあでした!
Twitter→@amamatsu_lar