【名探偵夢水清志郎シリーズ】既刊紹介とオススメポイントについて語る!!

名探偵夢水清志郎シリーズの書影
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目次

1.名探偵夢水清志郎シリーズとは?

1‐1.概要

教授こと夢水清志郎は名探偵。大ぐらいで意地汚くて忘れっぽいけれど、推理力だけはだれにも負けない。そして必ず、みんなが幸せになるように事件を解決してくれる。

そんな教授と、周囲の個性豊かな人々が、数々の難事件に立ち向かう!

読書とミステリーの楽しさを教えてくれる、児童書の大人気シリーズです。

1‐2.既刊紹介

~ファーストシーズン~

1994年~2009年にかけて刊行されたシリーズ。
亜衣・真衣・美衣の三姉妹と、亜衣の同級生レーチ、雑誌編集者の伊藤さんらが登場します。

そして五人がいなくなる

記念すべき、シリーズ第一作。

亜衣たち三姉妹の隣の洋館に、謎の男が引っ越してくる。男の名前は夢水清志郎。自称“名探偵”。
だけど全然名探偵らしくないから、通称“教授”。

亜衣たちと教授はある日遊園地へ遊びに行くのだが、そこで不思議な誘拐事件が起きた。

ある女の子が、“伯爵”を名乗る人物に誘拐されてしまったのだ。
“伯爵”は続けて4人の天才児を誘拐すると宣言。

そしてその宣言通り、万全だったはずの警備体制の中、全員が誘拐されてしまう。

いったい誰が、どうやって誘拐したのか!?

推しポイント

・のっけから面白い! 名探偵夢水清志郎&亜衣ちゃんたち三姉妹の初登場!

・教授のかっこよさ

亡霊は夜歩く

亜衣たちが通う虹北学園には、七不思議ならぬ四つの不思議な謎があるという。

「時計塔の鐘が鳴ると、人が死ぬ」
「夕暮れ時の大イチョウは人を喰う」
「校庭の魔法円に人がふる」
「幽霊坂に霧がかかると、亡霊がよみがえる」

そして学園祭を目前に控えたある日、時計塔の鐘が鳴りだした。
おまけに、亡霊からの脅迫状まで届く。

一体どうなってしまうのか――!?

推しポイント

・レーチの初登場!

・虹北学園のアレコレが楽しめる!

消える総生島

三姉妹が、某映画のイメージガールに選ばれ、映画制作のために“総生島”へ向かうことに。
無理やり同行した教授とともに、撮影を楽しみにする4人だが、なんと、島に着いたところで船が爆発し、島は密室状態になってしまう。

そして現れた、“地獄の鬼ごっこが始まるよ”のメッセージ。

次から次へと消えていくモノやヒト。

この出来事の裏には、何が隠されているのか?

推しポイント

  • プロローグの映画の内容
  • 映画製作への情熱!
  • 教授の奇行

魔女の隠れ里

二つの短編から構成される一冊。

セ・シーマの伊藤さんの依頼で、教授と三姉妹は冬のゲレンデを訪れる。
そこで起きた、二つの奇妙な謎。
教授がこれらの謎を解き明かしたことで、その紀行記事は好評を得ることができた。

続いて頼まれた取材が、村おこしのための“推理ゲーム”を題材にしたもの。

しかしいざゲームが始まってみると、「魔女」を名乗る人物による、不審な出来事が立て続けに起きてしまう。

一体これは、どういうことなのか?
教授が解き明かす“真実”とは?

推しポイント

  • 伊藤さんの運転裁き!
  • 後を引く結末

踊る夜光怪人

謎の“夜光怪人”が現れるという噂。

そして、亜衣の文芸部の後輩・千秋からの、父親に関する相談。

長髪の野蛮人こと中井麗一が、この2つの謎に立ち向かう!

機巧館のかぞえ唄

推理小説作家の大家・平井龍太郎のデビュー50周年パーティーへ招待された教授たち。
しかしパーティの最中、主役であるはずの平井が密室から消えてしまう。

その後も、“見立て殺人”が起こるなど、不審な出来事が相次ぐことに。

読者の予想を裏切る展開の数々を経て、明らかになる真実とは――?

“赤い夢”を存分に楽しめる一冊!

推しポイント

  • プロローグとエピローグのストーリー
  • シリーズの中でも異色の、掴みどころがないテイスト
  • かぞえ唄の不気味さ

人形は笑わない

奇妙な人形師が建てた“人形の塔”。そこでは、かつて複数の人物が不審死を遂げていた。
部活の予算がなくて困っていた亜衣、レーチらの文芸部員は、ここで映画を撮ることに。

その中で、ある事実が明かされる――。

『ミステリーの館』へ、ようこそ

三姉妹とレーチ、教授の四人は『ミステリーの館』というテーマパークを訪れる。
取材が目的だったのだが、その後“本物のミステリーの館”のカギを渡されることに。
今まで楽しんでいた『ミステリーの館』は、本物ではなかったのだ。
主催者は、推理力がある人間のみを本物の館へと招待していた。

そして訪れた“本物のミステリーの館”で起きた、不思議な出来事……。

一体、何が起きているのか!?

推しポイント

  • 二重の袋とじ!
  • “マジック”דミステリー”!
  • 快人&春奈コンビの活躍

あやかし修学旅行 鵺のなく夜

亜衣たちは修学旅行で、様々な伝承が残るO県T市の“星降り荘”に宿泊する。
観光に枕投げ、肝試しなど様々なイベントを満喫する亜衣たちだが、一方では「修学旅行を中止せよ 鵺」という脅迫状も届いていた。

脅迫状の送り主はだれなのか?
そして、この地に伝わる伝承の意味とは?

修学旅行ならではのワクワクが盛りだくさんの一冊!

  • リアリティあふれる“修学旅行のしおり”が読める!
  • 教授とレーチの大道芸!
  • 個性豊かなクラスメートたち!

笛吹き男とサクセス塾の秘密

高校受験を控える、三姉妹とレーチ。
「必ず成績が上がる」との触れ込みを聞き、サクセス塾の勉強合宿に参加することに。
ところが合宿が始まるなり、塾に爆破予告が届いてしまう。
他にも様々な奇妙な出来事が起きていて――これは、一体どういうことなのか??

  • ハーメルンの笛吹き男
  • 三姉妹の受講計画
  • みんなで初詣!

ハワイ幽霊城の謎

冬休み。三姉妹と教授は大企業の山田コンツェルンから依頼を受け、ハワイに向かう。
そこにある幽霊城では、45年前に叔父が、7年前に祖父が失踪したのだという。

教授たちは、その謎を解くことに。

さらに本編では、江戸時代の物語も同時に進行。
夢水清志郎左右衛門と中村巧ノ介という、どこかで聞いたことがあるような名前の二人が、不思議な出来事に遭遇する。

推しポイント

  • 別シリーズの“あの人たち”がこっそり紛れ込んでるかも??
  • おまけのエピソード×3が面白い!

卒業 開かずの教室を開けるとき

ひょんなことから、旧校舎の「開かずの教室」の封印を解いてしまったレーチ。
そこに書かれていたのは、「夢喰い」の文字。
受験を控えて将来に不安を抱えている生徒たちは、この文字におびえる。

一体、「夢喰い」の正体とは何なのか?
そして「開かずの教室」の秘密とは?

ファーストシーズン、シリーズ最終巻!

推しポイント

  • 卒業というイベントの感慨深さ
  • リアリティがある青春時分の悩み

~外伝~

ギヤマン壺の謎

幕末を舞台に、名探偵・清志郎左右衛門と廻船問屋の三つ子が次々と難事件を解決する物語。

江戸時代ならではの雰囲気を楽しく学べる一冊。

彼らは亜衣・真衣・美衣の先祖なのかな……??

徳利長屋の怪

ギヤマン壺の謎の後編。

清志郎左右衛門が暮らす長屋には、個性豊かな人々が住んでいる。
清志郎左右衛門は、彼らと穏やかな日常を送っているのだが、一方では幕末ゆえの動乱が迫っていて……

惨劇を避けるため、新政府軍の標的となっていた江戸城を“消す”ことに挑戦する!

~セカンドシリーズ~

2011年からスタートした新シリーズ。
今度のメンバーは、名探偵を志す小学生の宮里伊緒、その妹の美緒、そして人気子役の中島ルイたち。

顔ぶれも新たに、様々な謎に挑む!

名探偵vs.怪人幻影師

昔の街並みが再現された都市“レトロシティ”に、かつて日本を脅かした怪人“幻影師”がよみがえる。

彼の狙いは、とある王家の秘宝”ブルー・ムーン“。

幻影師の正体を突き止めるべく、教授と伊緒が立ち上がる!

  • 教授が返ってきた!!
  • 新メンバーがそれぞれ可愛い。

名探偵vs.学校の七不思議

ある日、伊緒たちが通う学校の昇降口に“やってきた鬼姫が落ち武者のねむりをさます”という一文が書かれていた。

この学校には、”七つ目がない七不思議“が存在しており、七つがそろってしまうと、すべての謎を解くまで学校から抜け出せなくなるといわれている。

これは一体どういうことなのか?

伊緒たちが七不思議に挑む!

推しポイント

  • 七不思議のワクワク感

名探偵と封じられた秘宝

虹北商店街で開催された”赤い夢カーニバル“。

そこで展示される3枚の絵には、“鬼ヶ谷一族”の財宝のありかが隠されているという。
しかし、“絵封師”を名乗る人物から、展示を中止するように脅迫状が届いて――?

また一方では、前シーズンの亜衣・真衣・美衣&レーチも再登場!
高校生になった彼らの姿が楽しめる。

推しポイント

  • 亜衣ちゃんたちや響子ちゃんの登場によるオールスター感!
  • レーチ~~~~!
  • 教授の大活躍。

~関連作品~

クイーンからの予告状

『いつも心に好奇心』および『怪盗クイーンからの予告状 怪盗クイーン エピソード0』に収録されている中編です。

倉木博士という天才博士が開発した、世界最高の人工知能“RD”。
怪盗クイーンが、このRDを盗むという予告状を出します。

教授と亜衣たちは、それを防ぐため、博士の研究所を訪問。
万全の警備体制を敷くものの、クイーンの方にも抜かりはなく――さあ、勝敗の行方はいかに!

という物語。

別シリーズの主役であるクイーンと、本シリーズの主役である夢水清志郎の対決が見られる一作です。
超オススメ。

推しポイント

  • 探偵vs.怪盗の結末
  • 倉木博士とRDの関係性
  • 展開の意外性
  • 『いつも心に好奇心』
    :こちらでは、松原秀行先生のパスワードシリーズの中編が一緒に楽しめます!
  • 『怪盗クイーンからの予告状 怪盗クイーンエピソード0』
    :こちらでは、怪盗クイーンシリーズの番外編が楽しめます!

オリエント急行とパンドラの匣

こちらも、クイーンvs.夢水清志郎の物語です。

家出(⁉)した怪盗クイーンに、クイーンを探しに来たパートナーのジョーカー、“黒猫”の双子と暗殺者のヤウズ、探偵卿のマンダリン、その娘ボタン、海賊の息子ジャックなど、個性的なメンバーがオリエント急行に集います。

それぞれが自分の思惑に沿って行動する中、“パンドラの匣”をめぐる新たな事件が起きてしまい――?

推しポイント

  • ジャックとボタンが可愛い
  • クイーンが可愛い
  • やっぱり教授は名探偵
  • 各々の思惑の入り乱れる感じがすごい

出逢い+1

『おもしろい話が読みたい! 白虎編』に収録されている「出逢い+1」の中の「+1」に当たる短編が、夢水清志郎の物語です。
亜衣ちゃんたちは出てきません。まだ、他の下宿にいた頃の話ですね。

教授の名探偵らしさと、思わず笑ってしまう展開が最高でした!

はやみねかおる公式ファンブック 赤い夢の館へ、ようこそ

はやみね先生のデビュー25周年を記念して刊行された、公式ファンブック。

夢水のみならず、様々な著作についてまとめられています。

はやみね先生や、イラストレーターの先生などへのインタビューのほか、創作裏話、裏設定、人気投票、特別短編なども収録されていて、とても面白いです。

はやみねファンなら垂涎もの! ぜひ!

夢水清志郎に挑戦! 名探偵ものしりクイズ

教授や亜衣ちゃんたちと一緒に、楽しくクイズをしながら知識が身につく1冊です。

書き下ろしも3篇収録。

夢水清志郎に挑戦! 超 名探偵ものしりクイズ

同じくクイズシリーズの2作目。巻末に短編が収録されています。

夢水清志郎に挑戦! 極 名探偵ものしりクイズ

同じくクイズシリーズの3作目。巻末には、短編を収録。

1‐3.超主観的な登場人物紹介

夢水清志郎(通称 教授)

名探偵。「探偵」と呼ばれると「名探偵」に訂正してくる。一応、論理学の教授。

推理力はピカイチで、みんなが幸せになるように事件を解決する。

食べることが大好きで、意地汚い。記憶力が著しく低い。生活能力も低い。たまに自分が人間であることを忘れている。それなのに変な知識は豊富。
そして、まぎれもない名探偵。

岩崎亜衣

三姉妹の長女。推理小説が大好きで、自分でも書いている。主な語り手。

岩崎真衣

三姉妹の次女。スポーツが得意なイケメン系女子。かっこいい。

岩崎美衣

三姉妹の末っ子。新聞のスクラップと占いが趣味で、甘えん坊。けっこうモテる。

岩崎羽衣

三姉妹の母。何事にも動じない。常に笑顔。何気に最強では?

中井麗一(通称 レーチ)

教授の助手を自称する男。亜衣の同級生で同じ文芸部所属だが、全く小説を書かない。
亜衣のことが好き。
髪が長いので、長髪の野蛮人とも呼ばれる。

上越警部

警部さん。太り気味。ウィンクが下手。普通に真面目で優秀だけど、やはり名探偵や怪盗には敵わない。
妻子持ちで、子どもに優しい。部下にも優しい。
よく教授の力を借りている。

岩清水刑事

上越警部の部下。“悪者”を見つけると、やたらめったら発砲しようとする危険人物。しかし正義感は人一倍強い。それだけに厄介。
正義感が空回りしている、残念なイケメン。

伊藤真里

雑誌編集者。教授をいろいろなところに連れ回して、記事を書いてもらっている。
72時間働けますか? の精神で、常に働き詰め。ワーカホリック。関西弁の使い手。

宮里伊緒

名探偵を志す小学六年生の女の子。大和撫子のふりをしているが、体術が得意で、本当は快活な性格。

中島ルイ

伊緒の同級生。人気子役。伊緒の家に下宿している。いろんなことが得意でスゴイ人。

宮里美緒

伊緒の妹。しっかり者。かわいい。

1-4.メディアミックスなどの情報

漫画

えぬえけい先生により漫画化されています。

教授のビジュアルは、原作の挿絵と異なり、赤髪に小さめのサングラスという派手な出で立ち。

少女漫画チックなテイストで、楽しい雰囲気の漫画です!

実写ドラマ

1999年に、“双子探偵”という題でドラマ化されたことがあるようです。
三倉佳奈さん、三倉茉奈さんらが出演されています。

原作とは設定が大幅に異なりますが、亜衣・真衣・レーチ、そして当然ながら名探偵の夢水清志郎といった登場人物は共通している様子。

残念ながら私は見たことがないのですが、とても気になっています。

2.語りたいポイント!

2‐1.キャラの魅力

まずなによりも、キャラが魅力的です!

三姉妹の亜衣・真衣・美衣にはそれぞれ違った個性があり、自分の好きなことをやって輝いています。

レーチは“長髪の野蛮人”だの“知性が零”だのとからかわれていますが、意外と頭の回転が速く、亜衣のためなら勇敢になれる強さも持っています。

そして、教授! 超非常識なのに超かっこいい、ものすごい名探偵です。
悪意というものをひと欠片も持っていないので、何をされても憎めません。

それに、編集者の伊藤さんや、警察の上越警部&岩清水刑事などの脇を固めるキャラも、それぞれ個性的で面白いです。

こうしたキャラの魅力が、良いところだなと思います。

2‐2.コメディの面白さ

はやみね先生の作品はなんといっても、読みながら笑ってしまう愉快な文章が特徴的です。
少し読んだだけで、「これははやみね先生の作品だな」と分かります。

ボケ&ツッコミが随所に仕込まれていて、不意打ちを食らいます。

重いテーマを扱っている回でも、そうした笑いどころがあるおかげで、気軽に読むことができるのです。

2‐3.ミステリーの完成度の高さ

さらに、純粋にミステリー作品として見ても、非常に完成度が高いです。

児童書なのに、大人でも、これはいったいどんなトリックなんだろう? と頭を悩まされるような魅力的な謎がたくさん出てきます。

ミステリーマニアの方には物足りないかもしれませんが、普段ミステリーを読まない方であれば、存分に謎解きを楽しめるのではないでしょうか?

また、ミステリーマニアの方であっても、トリックの仕掛け方や魅せ方が独特なので、同じように楽しく読めると思います。

特に、『笛吹き男とサクセス塾の秘密』『機巧館のかぞえ唄』『ハワイ幽霊城の謎』などがおススメです!

(ほかの作品も勿論おすすめです!)

2‐4.読みやすさ

最後に、文章が非常に読みやすいです。

児童書ということもあって、難しい言葉を使わずに書かれています。
文章の流れも綺麗で、つっかかることなく読めるのが嬉しいポイントです。

難しい本を読みなれている方だと、かえって物足りない感じがするかもしれませんが、「文章を読むだけで大変💦」なんてことにはなりません。

そのため、読書の習慣がない方にもオススメです!

3.まとめ

以上、はやみねかおる先生の『名探偵夢水清志郎の事件ノート』および『名探偵夢水清志郎の事件簿』シリーズについて紹介してきました。

少しでも気になった方は、ぜひ手に取って読んでみてください!

はやみね先生の著作は他にもたくさんあります。
『怪盗クイーン』シリーズ、『都会のトム&ソーヤ』シリーズなど、どれもオススメ。

それではまた!
以上、甘抹らあでした!

Twitter→@amamatsu_lar

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