【進撃の巨人】魅力と好きなエピソードについて語る!!~あらすじ紹介と原作最終話までの感想~

こんにちは。甘抹らあです。絵や小説を描く人です。
今回は私が大好きな『進撃の巨人』について語ってみます。

ご存知ない方がいれば、ぜひ見てみてください!

目次

1.そもそも進撃の巨人ってどういう話?

1-1.あらすじ

巨人たちの侵攻から逃れるために、人類は三重の壁に守られながら生活していた。
しかしある日、その壁が破られ、侵入してきた巨人によって多くの人々が殺されてしまう。

目の前で母親を食い殺されたエレンは、巨人を駆逐することを誓い、訓練兵団に入団するのだった。
エレンは、何よりも〈自由〉を求めて戦い続ける。

物語は、いつ誰が死ぬかわからない恐怖と、様々な仲間との出会い、裏切りなどドキドキハラハラの連続。

やがて予想外の展開を経て、世界の真実が明らかになっていく。

その真実を目の当たりにしたとき、エレンたちは何を選択するのか――?

1-2.超主観的な登場人物紹介(※アニメ3期くらいまでのネタバレ含む)

エレン・イェーガー

主人公。自由を求める男。死に急ぎ野郎。
幼いころにミカサを助け、マフラーを巻いてあげたことがある。
仲間思いで、直情径行型。

ミカサ・アッカーマン

エレンの幼馴染。エレンのことが大好き。エレンにもらったマフラーを大切にしている。
戦闘能力がめちゃくちゃ高い。
東洋の血が入っている。美人。

アルミン・アルレルト

エレンの幼馴染。丸っこい顔で金髪の人。
頭がよく、非凡な発想力を持っている。
気弱に見えるが気弱じゃない。非情な判断もできる。

コニー・スプリンガー

エレンの同期。調査兵団所属。坊主頭。
自他ともに認める馬鹿だが、戦闘能力は高い。
サシャと仲良し。よく二人で教官に怒られていた。

サシャ・ブラウス

エレンの同期。調査兵団所属。食べることが大好き。コニーと仲良し。
普段は敬語で話しているが、たまに方言が出る。

ジャン・キルシュタイン

エレンの同期。調査兵団所属。茶髪の刈り上げ頭。
斜に構えたところがあり、訓練兵時代は周囲と軋轢を起こすことがままあった。
特にエレンとはよく喧嘩していた。
ミカサのことが好き。マルコとは親友。
現状把握能力が高く、指揮官向きの性格。かっこいい。とてもかっこいい。

マルコ・ボット

エレンの同期。ジャンの親友。黒髪真ん中分けの人。
同期のうち成績がトップ10に入っていた人の中では、一番最初に亡くなってしまった。
とても心優しく、真面目で穏やかな性格。王を信奉している。

ヒストリア・レイス(クリスタ・レンズ)

エレンの同期。パラディ島の現女王。生い立ちが複雑。
心優しく、訓練兵時代は女神様と称されるほどだったが、それだけではなく気丈で賢い一面も持ち合わせている。
ユミルとの間に強い絆がある。

ユミル

エレンの同期。そばかす。顎の巨人を持っていた。
ヒストリアのことが大好き。潔い性格。
訓練兵時代はやや嫌味な言動が目立ったが、その実、ものすごく他人思い。
複雑な生い立ちで苦労してきた。

ライナー・ブラウン

エレンの同期。ガタイがいい金髪短髪の人。鎧の巨人。
責任感が強いが、それゆえに多くの葛藤を抱いている。
可哀そうなことに、一部の読者からはよくネタにされている。

ベルトルト・フーバー

エレンの同期。背が高い人。超大型巨人。
寡黙でおとなしい印象が強いが、非常にポテンシャルが高い。戦闘能力も高いし、判断力もある。
ライナーの理解者であり、苦労人。
「頭ベルトルト」などと読者に揶揄されることも多いが、実際にはとても優秀でかっこいいキャラだと思う。

ハンジ・ゾエ

調査兵団のエルヴィンの次の団長。眼鏡の人。
研究熱心で、好奇心旺盛。
マッドサイエンティストみたいなところはあるが、それを除けば、良心的な理想の上司。

リヴァイ・アッカーマン

調査兵団の兵士長。人類最強の男。とにかく強い。
口は悪いが、仲間思いで非常に優しい。
前団長・エルヴィンとの絆が深い。元ゴロツキで、調査兵団入団までには色々あった。

1-3.今までのメディアミックスなど

アニメ

2013年春に第1期が放送され、大ヒット。主題歌「紅蓮の弓矢」は紅白歌合戦でも歌われました。

その後

  • 2017年春に第2期
  • 2018年夏に第3期
  • 2020年冬に第4期(the final season part1)
  • 2021年冬-2022年春にthe final season part2

が放送されています。

2023年にはthe final season 完結編が予定されているそうです。
(Final season が多すぎて、finalとは何ぞや? と聞きたくなる)

TVアニメ「進撃の巨人」The Final Season Part 2 PV第2弾
TVアニメ「進撃の巨人」The Final Season完結編 放送決定告知映像

映画

2015年には実写映画化が実現しました。
前後編の二部作&原作とは完全に異なる物語で、大きく話題になった作品です。

個人的にはあまり面白いと思えなかった(すみません……)のですが、アマプラなどで見られるので、興味のある方は一度見てみたら良いかもしれません。もちろん、良い評判も聞きます。

映画『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』プロモーション映像

その他、アニメの総集編が映画として放送されたこともあったと思います。

ゲーム

『進撃の巨人2 -Final Battle-』『進撃の巨人2 未来の座標』など、いくつか販売されているそうです。

私はゲーム機を持っていないのでプレイできていないのですが、いつかやってみたいです!

実際にプレイした人たちの感想を見ていると、キャラ同士の関係性を深掘りする会話などが見られるようです。
考察が好きな方にはもってこいかもしれません。

その他

企業コラボや新グッズの販売などが、比較的高頻度で行われています。

公式Twitter(アニメ▶@anime_shingekiなど)をフォローしておけば情報が入るので便利です!

2.原作版好きなエピソードランキング

続いて、自分が原作で好きなエピソードを、勝手にランク付けして紹介してみます!
完全なる主観です!

以下、原作最終話までのネタバレが含まれますので、ご注意ください。

1位 第127話 終末の夜

ハンジ&リヴァイ、ピーク&マガト、ファルガビ、イェーガー派を除く104期の面々、イェレナ、オニャンコポンが一堂に会する場面。

互いの確執を浮き彫りにし、各々の罪に向き合いながらも、エレンの虐殺を止めるために結託するという流れに感動しました。

特に、ジャンがマルコの死について聞かされたところ。
感情を必死に抑えていたのに、ライナーの謝罪に耐え切れなくなり、ついに爆発。
意味のある言葉を発さず、ただ蹴り続けるジャンの姿が痛ましくて辛かったです。

だけど、マルコの遺した言葉をきっかけに「話し合おう」という雰囲気が生まれたこと、ハンジさんが告げたように「少なくとも今は殺し合わずに言葉を交わしている」という事実に救いを感じました。

全話を通して、一番希望が感じられた、心に残る回です。

2位 第138話 長い夢

最終話の一話手前。

あまりにも衝撃的な展開に、本誌でこれを読んだ後の一カ月間、ずっとうわああああああってなってました。語彙力消失。

だけど、この地獄が良いんですよね……。

救いようのない状況で、直視したくない現実を前にして、ミカサが見たもの。
そしてその後の決意と行動。
最高でした。

また、最終回がどうなるのか心の底から気になって気になって仕方なかったです。

3位 第139話 あの丘の木に向かって

記念すべき最終回。

終わり方に賛否両論あって色々荒れていましたが、加筆分も含めて面白かったなと思います。

みんなの大使姿が見られたことが何よりも嬉しかったです。

希望にあふれた未来を願って。

4位 第126話 矜持

「骨の燃えカス」のことを考え続けているジャンの姿に泣きました。

最後のコニーのセリフ「世界を救いに」は、もう本っ当に鳥肌ものです。

アニ復活からの急展開に、胸が熱くなりました。
好きだ!!

5位 第18話 今、何をすべきか

ジャンのファンなら必ず印象に残っているであろう回。

マルコたちの死体を焼いた火の前で、ジャンは調査兵団行きを決意します。
その背中を押したのは、マルコが生前ジャンに遺した言葉でした。
彼がまた、本当に良いことを言うんだ……。
そこだけ有名な台詞なので、引用させてもらいます。(吹き出しごとに改行)

「怒らずに聞いてほしいんだけど…」
「ジャンは…」
「強い人ではないから弱い人の気持ちがよく理解できる」

「…なんだそりゃ」(※ジャンの反応)

「それでいて現状を正しく認識することに長けているから」
「今 何をすべきかが明確にわかるだろ?」
「まぁ…僕もそうだし大半の人間は弱いと言えるけどさ…」
「それと同じ目線から放たれた指示なら」
「どんなに困難であっても切実に届くと思うんだ」

――諫山創『進撃の巨人』4巻 第18話「今、何をすべきか」

このやり取りを見て、ジャンとマルコのことがさらに好きになりました。

6位 第108話 正論

レベリオ襲撃の直後に、昔のことを回想しながら、ジャン・コニー・ミカサ・アルミンの4人が会話をしている場面です。(そのあとファルガビの話とかもあるけど)

回想シーンでは、みんなのわちゃわちゃしている感じが楽しかったです。
本当は楽しんでいられるような状況では無いのですが、”最後の平和なひと時”という感じがしました。

打って変わってどん詰まりに追い込まれている現在、エレンへの各々の思いが複雑で、しんどいです。

7位 第111話 森の子ら

ニコロがサシャの仇であるガビを殺そうとする場面。

ニコロの叫びが悲痛でした。
それに対するサシャの両親の大人びた対応、そして友達だと思っていたカヤの激情。
全てが辛いです。

憎しみあう人々をたとえて「森を彷徨っている」と述べた比喩に、深く考えさせられました。
なんとか森を抜け出そう、子どもたちだけでも森から出すことで、憎しみの連鎖を断ち切ろう。
そのようなサシャの父の言葉が重い。

エレンの「憎しみの連鎖を断ち切るには、憎しみの歴史を文明ごと葬り去るしかない」という発言と好対照になっていると思いました。

8位 第114話 唯一の救い

ジークの過去編。幼少期のジークがあまりにも可哀そうで、辛くなりました。

クサヴァーさんに出会えてよかったなと思う一方で、そのクサヴァーさんにもジークを救うことはできなかった――二人で傷をなめ合い、エルディア人の安楽死を目指す方向にしか進めなかったことが悲しいです。

安楽死計画自体は、あくまでも一般的な倫理観に基づいて否定されているだけであって、本当に間違っていると言い切れるものでは無いのだと思います。
(最終話まで行っても、ジークは安楽死計画が間違っていなかったと述べている)

ただ、二人が生きていることに喜びを見出せなかった(あるいはそこにある喜びに気付けなかった)こと、生命を否定してしまったこと、罪のない人を殺すことすら正当化していたことなどが、もうどうしようもなく苦しくて。

せめて、死後の彼らが安らかであれと願います。

9位 第15話 個々

時間をさかのぼって、エレンが訓練兵団に入団した時の話。

104期の面々が正式に登場・紹介されます。

今となってはすっかり慣れ親しんだ彼らですが、初登場時にはこんな感じだったんだなあと、読むたびに懐かしくなります。

シュールなギャグの連発も楽しいです。

10位 第118話 騙し討ち

地ならしが始まっちゃうぞ!! という場面です。始めから終わりまで怒涛の展開で、圧倒されました!

同率10位 第71話 傍観者

キース教官による回想。
「普通の人」としての彼の葛藤に共感しながら、人間ドラマを楽しむような感覚で読んでいました。
キース教官に同情してしまいます。
そして、この話を踏まえて彼の最期を見ると、なんとも言えない感慨に包まれました……。

3.アニメ版好きなエピソードランキング(※完結編で変動する可能性あり)

今度は、アニメ版のほうで好きなエピソードランキングを作ってみました。
これも自分の直感で勝手に作ったものです。
よかったら、アニメ見てみてください!!

1位 第84話 終末の夜

やはり1位は原作と同じ回です。

演出、作画、音楽、声優さんたちの演技……もう、何もかもが最高でした。

ありがとうございます。

2位 第83話 矜持

ジャーン!(原作の方で語ったので、特に付け足すことが無い)

3位 第80話 二千年前の君から

原作でも感動しましたが、アニメではさらに感動が大きくなりました。鳥肌ものです。
本当にすごい。大興奮。

4位 第16話 今、何をすべきか

ジャーン!!

原作とは若干シチュエーションなどが変わっていますが、これはこれで良い!

このあたりの戦闘では、アニメ化にあたってジャンの出番がかなり増えていて(16話だけではなく、数話前から)、そこでマルコとの絡みも増えていたので、この2人が大好きな私にとっては、忘れられない内容となりました。

マルコの死は、胸が締め付けられるほど悲しい(黒幕説とか一時期信じていたくらいには、生きていてほしかった)ものの、それをジャンがしっかりと受け止めて成長していったことがすごいなと思います。

5位 第72話 森の子ら

ニコロ! サシャ! サシャ父! ガビ!!! カヤ!!!

ニコロの話しぶりと、ガビの目の動きが印象的でした。カヤの絶叫が辛い。

6位 第74話 唯一の救い

ジークの回想。
声がついたことで、グリシャたち両親のヒステリック感というか毒親感というか……”こいつらヤベーわ”感が増していて、すごかったです。
あんな環境で育てられたなんて、本当にジークが可哀そうです。そりゃクサヴァーさんに懐くよなって思いました。安楽死計画にも心が傾くのも分かってしまうので、悲しいです。

7位 第82話 夕焼け

アニ復活! アニメで再びアニが動いているところを見られただけで、とても嬉しかったです。

8位 第41話 信頼

ジャンがマルロ&ヒッチを味方に引き入れる回。
捨て身な作戦に目を覆いたくなりました。自分の身に何かあったらどうするんだよと、冷や冷やしてしまって。

とにもかくにも、ジャンが主人公のごとき活躍を見せていて、かっこよかったです。

だけど、もうちょっと相手を疑うことや自分を大事にすることを覚えてほしいかもしれない。
もうちょっとだけ、訓練兵時代の傍若無人さを発揮しても良いかもしれない。
そうなれないところがジャンの本質だと思うし、そういうところが大好きなんだけど。
……うーーん、複雑。

9位 第42話 回答

クーデター編の一幕。

感動する……。

10位 第81話 氷解

地ならしが始まったぞー! の回。
圧巻の迫力! アニメってすごい!

4.全体を通しての感想

最後に、1話から最終話まですべて追いかけた上での感想を述べて終わります。

好きなところも気になったところも正直に書くので、予めご了承ください。

これだけは最初に断言しておきますが、私は進撃の巨人という作品が大好きです!!!
批判部分に関しては、その上での批判として見てください。
自分以外の意見を否定するものではありませんし、考え違いや、偏見が反映されてしまっている部分もあるかと思います。

4-1.好きなところ

キャラの魅力

まず……何よりも、ジャンがかっこいい!

最終話まで追いかけようと思った理由の大半は、ジャンを好きになったことです。

ジャン・キルシュタインについて――

彼は、登場したばかりの頃は典型的な“嫌な奴”なので、視聴者から大変嫌われる羽目になるのですが、その後どんどん成長し、株を上げていきます。

特に、補給所へ向かう道中、自分の指揮で死んだ仲間のことを考えた時。
また何よりも、親友だったマルコが死んだ時。

ジャンの中には大きな変化が訪れます。

その後の彼は、誰よりも人間らしくて魅力的でした。

人を殺すことを躊躇い、苦悩する姿。
一時の誘惑に流されそうになりながらも、自分を抑える姿。
現状を的確に把握して、リーダーシップを取る姿。

どれも非常にかっこいいです。周囲との軋轢も減り、すっかり仲間思いの優しい指揮官へと変貌します。

ただ、成長したとは言っても、本質的な部分は変わっていません。
現状能力の高さも、仲間を思いやる気持ちも、訓練兵時代にはすでに持っていたものでした。
おそらくは思春期特有の恥ずかしさと、安全な場所で暮らしたいという安定志向の結果、攻撃的な言動が出てしまっていただけで。

そうでなければ、あの優しいマルコが親友にはならなかったと思います。
きっとマルコは、ジャンの本質的な優しさに気付いていたからこそ、お兄ちゃんのような温かいまなざしで彼を支えていたのではないでしょうか(※マルコの方が1歳年上だった)。

こんなことを考えてみると、マルコの死後もずっと彼のことを意識し続けていたジャンの心境が一層辛く感じられて、感情がパンクしそうになります。

こんなにも素晴らしいキャラクターが存在するというのが、『進撃の巨人』の一つの魅力です。

ちなみにジャンとマルコのほかにも、魅力的なキャラは大勢います。
(というか一番人気はこの二人ではなく、リヴァイ兵長やハンジさんですね)

例えばキース教官。
最初は典型的な鬼教官で嫌だなあと思っていたのですが、『傍観者』を読んだら、なんだか可哀そうになってしまいました。そして共感しました。でもやっぱり、カルラへの暴言&エレンへの暴挙は許せないけれど。

それから、ヒストリア。とても強い女性ですよね。かっこいいなあと憧れます。

そして、ミカサ。彼女も強い(物理的に)。可愛い。

ライナー。彼の境遇には、ひたすらに同情します。人格が分裂するほどの苦境って、どんな感じなんでしょう。

ベルトルト。自分の行為を自覚した上で行動しているところがかっこよかったです。願わくば、アニと結ばれてほしかった。

そのアニも大好きです。冷静沈着だけど、自分がやったことに対して罪悪感を抱いてもいる。意外と照れ屋さんで可愛い。

ファルコ。 優しくて強くて一途で、めちゃくちゃ良い人ですよね。

ポルコ。ビジュアルが好き。

ピークちゃん。頭の良さが魅力的です。

ジークも好き。

それからそれから、ハンジさんも好きだし、モブリットにリヴァイ兵長にサシャ、ニコロ、オニャンコポン、キヨミさん、マガト隊長etc.

とても好きです。

メッセージ性

それから、二つ目に好きな点。テーマが深いことです。

最初は――アニメが話題になって主題歌が紅白で歌われるほどになった年には、まだ、とても単純な物語だと思われていたと思います。

原作派の方はもっと先の内容まで知って考察していたでしょうが、アニメ派の人達は「人類vs巨人」という単純な図式を楽しんでいました。

いつ仲間が死ぬか分からない恐怖と残虐さ。
巨人のリアルな恐ろしさ。
アクションシーンの迫力。
アルミンやエルヴィンが見せる知能戦。
エレンとミカサの関係性。
個性豊かなキャラクターたち。

このあたりが、大きな人気の要因となったのではないでしょうか。

しかし物語は、次から次へと意外な展開を見せていきます。

ユミルという名前の謎、裏切り者の存在、地下室の謎、巨人の謎、グリシャの記憶、壁の外の世界、戦争と迫害の歴史、今なお続くエルディア人への憎悪――

これらのストーリーには、現実における社会問題と似ている部分が多くあります。
それだけに、読者は自分が抱えている問題について深く考えさせられるのです。

もちろん、フィクションと現実は別物です。

そして、物語の世界で正義とされていることが、現実においても正義だと主張されていることには、必ずしもなりません。

ですから、『進撃の巨人』から世界情勢を読み解いたり、社会問題への対処を考えたりするのは難しいでしょう。
作品はあくまでも”とっかかり”であり、ここからさらに読者一人一人が学びを深め、自分なりの意見を持って、行動に移すものなのだと思います。

しかしながら、重たいテーマを扱っていることは事実です。

絶対的な正義など存在しないという現実を突きつけられ、私たちは戸惑います。

平和を実現するためにはどうすればいいのか――そんなこと不可能なのではないか――と、悩まされます。

こうした問題提起をしているという点が、『進撃の巨人』の二つ目の魅力だと思いました。

特に、「対話が大切だ」「虐殺はダメだ」という至極真っ当な理想論を、冷笑主義的に切り捨てることなく、最後の最後まで追求し続けてくれたことが、個人的には嬉しかったです。

4-2.気になったところ

次に、ちょっとこれはどうなの? と気になってしまったことを書きます。
批判といえば批判なんですが、どちらかというと、よく映画を見た後とかに友達同士で語る感想の一部みたいな感じで捉えてもらえたら嬉しいです。

エレンというキャラの扱い

一つ目。エレンというキャラの扱い。

これだけ有名になっているのだからネタバレしてもいいよね? アニメももうすぐ完結編だし、いいよね? ということで、原作最終話のネタバレをしつつ、話していきます。

思いっきり核心的な話をしてしまうので、見たくない方は回避してください。

最終話で、エレンの真意が明かされます。

エレンは自分が人類の敵になることで、ミカサたちに自分を倒させて世界の英雄にするのと同時に、世界から巨人化の能力を失わせようとしていました。

そうすることによって、エルディア人として憎まれていたミカサたちが、他の各国と対等な立場で対話できるようになると考えたのです。

※正確に言うと、地ならしを止めた後もミカサたちは、各国からは本当に味方なのかどうか疑われ、島のエルディア人からは裏切り者扱いされるので、”英雄”と簡単に言ってしまえるほど楽な立場ではなかった様子ですが。

エレンが本当に望んでいるのは、対話による平和な世界の構築でした。
彼もまた、虐殺などしたくなかったのです。

ただ一方で、虐殺をしたいという矛盾した気持ちも抱いていました。
エレンは何よりも、誰よりも、自由を求める人間です。
壁の外には自由があると信じ、それを目指して調査兵団に入りました。
しかし実際に待ち構えていたのは、自分たちを憎む人々と、彼らが営んでいるごく普通の生活。

そのことにガッカリしたエレンは、“どうしても地ならしをしたい”という原始的欲求を抱いていました。
これはおそらく、“虐殺をしたい”“人を殺したい”といった明確な殺人衝動ではなく、もっと無邪気に自由を求める気持ちだったのだと思います。
人を殺したいという意思は無かったのではないでしょうか。

だからこそエレンは、他に道が無いと分かった時、地ならしに踏み切ってしまったのでした。

※“進撃の巨人”の能力のせいで、記憶がぐちゃぐちゃになり、自分の意思も分からなくなっていたという側面もあるようですが、この辺りは複雑すぎてよく分からないので言及を避けます。

これを知った104期の面々は、エレンの自己犠牲に涙します。

自分たちが理解してやれなかったせいで、エレンは世界の命運を一人で抱え込むことになってしまった。
自ら悪役になって、仲間たちに英雄の座を渡し、平和な世界を作ろうとしていた。

その事実に同情するのです。

私はここの描かれ方に、若干の違和感を覚えました。

他に道はなかった(ように思えた)こと、
エレンが自分の意思すら分からなくなってしまっていたこと、
”泣いた赤鬼”エンド的な感動があったこと、
ミカサたちにしてみればエレンは誰よりも大切な仲間だったこと
――それらに対しては、違和感は覚えないのです。分かります。
確かにそうだよな……辛いよな……って思って、感動しました。

ですがその一方で、誰もエレンを糾弾しなかったことに関しては、それでいいのか? と思ってしまうのです。

エレンが“どうしても地ならしをやりたかった”と考えていたことは、今回の解決とは全く関係のない、単なる破壊衝動ではなかったのか? その点についてはお咎めが無しなのか?

地ならしを強行して八割もの人類を虐殺する必要は、本当にあったのか?
ガビが途中で言っていた通り、軍事拠点を破壊するだけでも交渉のテーブルにはつけたのではないか?
そんな器用なことはできなかったというわけなのか。

それ以前に、まだまだ交渉の余地は残っていたのではないか?
上司や仲間に何の相談もなく、独断で計画を進め、引き返せないところまで来てしまったのは誰のせいなのか?

仲間たちが生き残るかも分からないのに、どうしてその一番大事な仲間たちを放っておいて、一人で計画を進めてしまったのか?

――等々。

いやでももちろん、良いのです。

これは物語の終わり方としてとても綺麗で、感動的で、そして、どうしようもなくなってしまったエレンの気持ちも分かります。

それに同情する仲間たちの気持ちも痛いほどに分かります。

ただ、ほんの少しでもいいから、エレンの行動をもっと糾弾するというか……なんだろう、糾弾とまではいかなくてもいいので、“それでもお前の選択は間違っていた。早まりすぎだった”“それでも無辜の人を殺してはいけなかった”という意見が明示されても良かったんじゃないかなと感じました。

例えば
生まれたばかりの赤子や、時事問題をきちんと理解できていない子供、
エルディア人にまつわる問題には触れたことがない困窮者たち、
エルディア人差別に疑問を覚えながらも行動を起こせずにいた人たち(描写されてはいなかったけれど、どこかには存在していたと思う)
などの人々には、いきなり地ならしで踏みつぶされるほどの咎は無かったでしょう。

これが、まず一つ、気になってしまったことです。

ただ一方では、ニコロたちの浮かない表情や、ピークの皮肉めいた台詞、前途洋々とはいかない様子、平和が長続きはしなかったであろうことの示唆があったことなどから、そのあたりでバランスが取れているのかな? とも思いました。

個人的には、単行本になった際の加筆分があったことで、この違和感についてはあまり気にならなくなっています。
(加筆を読む前は、この終わり方ってどうなんだろう? とやや心配になっていた)

なのでこれは、解釈の問題なのかなと考えています。

アニメではどうなるのか、それを見た人たちがどう受け取るのか、非常に気になるところです。

ジャンの某発言

二つ目。大好きなキャラの揚げ足を取るようで、本当はこんなこと言いたくないのですが、どうしても気になったので言います。

ジャンの「混浴風呂」発言。

単行本26巻第106話のことです。
「港とは何か?」について話しているコメディシーンとして、以下のような場面があります。
※アニメ版ではカット。

コニー「あぁ…『みなと』ね」「子どもたちが喜ぶな」

ジャン「遊具じゃねぇよ」「混浴風呂もちゃんと造るんだろうな?」

サシャ「温泉じゃありませんよエロガッパ」「これは美味しそうなものですよね?」

――諫山創『進撃の巨人』26巻 第106話

流石にこれは擁護できないというか……アニメでカットしてもらえて良かったなと、心底思いました。

文脈的に考えて(サシャの突っ込み方からしても)、性的な悪ふざけの意味合いで「混浴風呂」と言ったことは明白ですよね。
少なくとも、なにか真面目な深い意図があって「混浴風呂」と言ったわけではないと思います。

ジャンがまだ若い男性で、しかも親しい仲間と一緒にいる場だったからこそ、こういった悪ふざけ的な発言をしてしまうのは分かります。
おそらく本気で混浴風呂を作ってほしいわけじゃないんだろうなというのも分かります。
あと、この時のジャンの顔がめちゃくちゃ可愛い(作画がいい!!)ので、それも嬉しかったです。

だがしかし、この発言はいただけません。

果たして、ジャンがそんなことを言うでしょうか?
そこまでエッチなキャラとして描写されていたでしょうか?

例えばこれが、『鬼灯の冷徹』の白澤様や、『斉木楠雄のΨ難』の鳥束君だったら違和感が無いんですよ。
「また言ってんな」くらいの気持ちで受け流せます。
彼らはそういうキャラだし、鬼灯様や楠雄君から思いっきり制裁を受けるのが目に見えているので。

でも、ジャンなので……。

今までのジャンは、ミカサに一目惚れをしたり、ミカサが巨人に襲われかけたところを助けたり、エレンがミカサの腹筋しているところを見たと聞いて怒ったりしていました。
つまり、あくまでもミカサ一筋であって、“女たらしな破廉恥キャラ”ではないんですよね。
他の女子キャラに好意を抱くシーンは皆無です(クリスタへの称賛は恋愛感情では無いと思う)。
というかミカサ本人に対してでさえ、下心を見せるシーンはありません。

(例えばライナーなんかは、女型巨人を見ながら「あのいいケツしたそれが~」とか言ってたので、割りとエロいこと言っててもおかしくないのですが。)

そのため、なんでここでこのふざけ方をしちゃったのかな……と引っ掛かりを覚えてしまいました。

私が自分の中でジャンを美化しすぎていたせいかもしれない……というか、これが本家本元の原作である以上、完全に私のほうが解釈違いをしていたということなのですが……。

ちょっと、悲しかったです。

シュールなギャグのタイミング

三つ目。ちょいちょい入ってくるシュールなギャグの温度感(擬音の遊びなど)

これに関しては、別にそこまで気になっているわけではありません。
小ネタとして楽しむのもアリだと思います。というか、普通はそうするんだろうなあと思います。

ただ、シリアスなシーンなのに変な効果音が入っていたりすると、それに気が付いた時にちょっと興ざめするというか、「えええ……(引)」みたいな気持ちになってしまうので、そこだけ気になりました。

でも他の人の感想を見ていると、一般には好評みたいなので、私が変なんだと思います。

ちなみに、シリアスなシーン以外であれば、シュールなギャグも好きです。

5.まとめ

以上、『進撃の巨人』について語ってみました!

もしかしたら「グロくて殺伐な雰囲気で苦手……」「駆逐駆逐って言ってる怖いやつでしょ?」といった認識の方もいるかもしれないのですが――実際そうなんですが――、その他にも色々なことを考えさせられる、とても面白い作品です。

グロ描写に関しては、そんなに言うほどグロくない(特に、アニメではぼかされている箇所が多い)ので、よっぽど苦手でない限りは大丈夫なんじゃないかと……。

個人的には、映画『悪の教典』『シグナル100』、漫画『神様の言う通り』、アニメ『ハッピーツリーハウス』などの方がグロかったです。(ハピツリは、昔ちらっと見ただけだけど本気で無理だった。)

あ、あと、実写映画の『進撃の巨人』は、アニメよりもさらにグロイです。アニメの方が優しい気がします。

なにはともあれ、今回ご紹介した『進撃の巨人』、ぜひ一度読んで/見てみてください!

ではまた! 甘抹らあでした。

Twitter→@amamatsu_lar