【2021年下半期】イラストコンテスト結果まとめ【作品制作の過程と結果、反省など】
こんにちは、甘抹らあ(Twitter@amamatsu_lar)です。絵を描く人です。
今回は、2021年の下半期に参加した、いくつかのイラコンの結果をまとめます。
それぞれ「事前にやること」「制作過程」「実際のイラスト」「結果」「反省」の5項目について書きました。
特段ためになる話ではありませんが、1つの事例としてご参照ください。
イラコンの探し方についてはこちらの記事で説明しています→『公募やコンテストの探し方と、応募するときに気をつけていることのまとめ』
では、早速見ていきましょう!
【色の擬人化コンテスト】
色彩検定×すけぶ交流会の企画です。
「色を擬人化し、配色技法の中からどれか一つを選んで、絵にしてね。」みたいなもの。
さいとうなおき先生がツイートしていたことで、この企画を知りました。
事前にやること
特になし。応募要項を確認するだけ。
制作過程
制作時間:20時間以上
使用ツール:メディバンペイント
ちびキャラでざっくりとキャラデザを考えたのち、等身大の三面図を描きました。
応募したイラスト
結果
落選。
反省点
- そもそもクオリティが不十分だった。魅力的なデフォルメになっていない。手の描き方や全体のバランスなども悪い。
- 画力が低いなら低いなりに、自分の持ち味を活かすことを考えるべきだった。(ストーリー性や発想力など)
- キャラデザだからといって三面図を描くのも安直だった。
【ペンタブdeアート投稿コンテスト】
季刊誌Sが毎年開催しているコンテスト(らしい)です。
事前にやること
特になし。応募要項を確認するくらい。
制作の過程
制作期間:2週間弱(実時間は7時間程度)
使用ツール:Photoshop
ラフはまず、テーマを決めるところから始めました。
この時期は「先生×生徒」の連作をしようかなと考えていたので、その第一作的な位置づけ(しかし思うところがあり、結局2作目以降は作りませんでした)。
自分の学生時代を思い返しながら、「大好きな先生を眼鏡越しに見つめる」という設定でラフを描きました。
画力で直球勝負するのではなく、設定と構図、加工などを工夫して「それっぽく見せる」ことを重視した作品です。
塗りは基本、ゴリゴリ厚塗り。でもアニメ塗りっぽい、パキッとした要素も取り入れたつもりです。
自分の描き方について新たな発見があったので、それを取り入れつつ仕上げました。
応募したイラスト
結果
10月中旬、1次選考を通過していることが分かりました。
が、その後は落選しました。
反省点
- イラスト自体は自分好みな感じに出来て気に入っているので、特になし!
- コンテスト応募作であることを考えると、もっと情報量を多くするべきだったと思う。
背景込みの細かい絵にした方が良さそう。
また、そういった情報量の多い絵を描く練習が必要だとも思った。 - 絵柄と人体デッサンについても研究が必要。
【ヒューマンアカデミーイラコン】
ヒューマンアカデミー主催のイラストコンテスト。テーマは「秋」。高校生以外も参加できるものでした。
灸場メロ先生がTwitterで触れていたことで、存在を知りました。
事前にやること
応募申し込みをして、申込書を入手する。これがちょっと面倒くさかったです。
(申込書が手に入らなくて、問い合わせが必要になったりと少々苦労した)
制作過程
ラフについては、「秋」というテーマが決まっていたので、それに沿って描きました。
今度もまた、自分の画力が抜きんでているわけではないと自覚していたので、いかにして目に留めてもらうかを考えた結果、寒色系でまとめることにしました。
(多くの人は暖色系、特にオレンジでまとめてくると予想)
それだけだとテーマを理解していないと思われるかもしれないので、差し色として目立つところにオレンジを配置。
また、季節感を表現するために、夏服の生徒と冬服の生徒が混在する様子を描こうと決めます。
秋だから文化祭かな? と考え、自分の文化祭の思い出を辿った結果、文化祭前日にぎりぎりまで作業していて消灯時刻に焦る生徒たちと言う設定になりました。
塗りはいつも通りのゴリッゴリな感じ……。
今回もまた自分の絵について新たな発見があったので、それを取り入れつつギリギリまで粘って仕上げました。
応募したイラスト
結果
落選。
反省点
- 普通に下手。パースが間延びしてしまったのと、キャラが魅力的じゃないのが痛い。
- 暗くなりすぎた。文化祭がテーマなら、もっと明るい印象に仕上げたかった。
- 別に寒色じゃなくても良かったかなと思わないでもない。
- 「冬服と夏服の生徒が混在している」状況が伝わりにくかった。それをやるなら、もっと人数を増やす&服に目が行きやすくなるようにするべきだった。
- やっぱこの絵柄微妙だよなとは思った。
【cygamesクリエイティブコンテスト】
cygames主催のコンテスト。絵に限らず、ゲーム関連の部門がいくつかあります。
登竜門で検索して、このコンテストを見つけました。(実は去年も気になってたんですが、今年ようやく参加することにしました)
事前にやること
特になし。応募要項を確認するくらい。
9月中に応募すれば講評がもらえると書いてあったので、講評目当てで参加を決めました。
制作過程
ラフを描く際、当初は「先生×生徒」をテーマにファンタジックな一枚絵を描く予定でしたが、「一枚絵」という応募部門がなかったため、テーマを変更。
キャラクターイラスト部門に参加することを決め、「どんなキャラが印象的か」を考えていきました。
結果、赤ずきんちゃんをじぶんなりにアレンジすることに。
今回もまた、純粋に画力だけで勝負するのは難しいと感じていたため、設定を凝りました。
(今思うと、もうちょっと素直に画力で頑張れよという気もします。)
通常の赤ずきんちゃんからは想像がつかないような意外性を付与できるように、キャラを肉付けしました。
そして、その設定に関するSSを添えて応募しました。
塗りは、いつも通りゴリッゴリの厚塗りです。
イラスト
結果
11月15日、cygamesからの講評がメールで届きました。
内容を転載して良いか分からないので、要約だけすると「見た人に意図が伝わる描き方をしよう」とのこと。
とても基本的なことだけれど、自分はその基本を押さえられていなかったんだなと気づき、反省しました。
その後、無事に落選。
反省点
- 講評にあった通り、見ている側を置いてけぼりにしてしまったのが良くなかった。
キャラクターイラスト部門とはいえ、キャラの魅力を引き立てるためには状況を理解してもらう必要があり、そのためには“背景”“背景とキャラの馴染ませ方”も含めてキッチリ描かなければならない。
そこの意識が甘かった。 - そもそも応募文の内容にも問題があったような気がする。
SSを添えるのは良いにしても、この絵がそのSSのどの部分を描いたものなのか。また、自分が何に気を付けて絵を描いたのか。そういったメタ的な部分を、もっとちゃんと記述するべきだった。
そうでないと、講評するにしても困るだろう。
(正直言うと、SSだけで十分長いから、それ以上のことを書くのはウザイかな……と思って控えてしまった。) - 前回同様、全体的に暗くなってしまって見栄えが悪かった。
もっと明るい色の面積を増やす練習をしたほうが良い。 - キャラクターイラスト部門なので、キャラの設定を凝るだけではなく、服飾に関してももっと凝れたら良かった。
【VOCイラコン】
「Voice of cards ドラゴンの島(VOC)」というゲームの発売を記念して、pixivで行われたコンテスト。
VOCを盛り上げるためのイラストなら何でもアリという、ゆるめの企画でした。
事前にやること
特になし。Pixivに登録していればOK。応募要項は読む。
制作過程
ラフを作るときには、PVや公式HP・Twitterなどをチェックし、どんな絵を描くのが良いか考えました。
ちょうど人外系のイラストのサンプルを用意したかったため、ドラゴンを描くことは確定していました。
追加で、PVに写っていた隻眼の男は絶対に描きたかったのですが、公式でキャラ設定の詳細が出ていなかったため、かなり明度を落として、怪しげに半身が写っているのみにしました。
あとは、カードゲームという特性を生かした構図を考えました。
応募したイラスト
※Pixiv外で公開していいかわからなかったので、リンクだけ置いておきます。→『VOC応援イラスト』(Pixiv)
結果
落選
反省点
- 例のごとく、暗いというか、地味というか、見栄えが悪いというか……。うーん。
- ダストくんの足にデッサン狂いがあって気になる。
- 実を言うと「投稿サイズは自由だけど、受賞したら350dpi以上のA4で提出してね」と書いてあるのを読み間違えており、300dpiのA4で制作してしまっていた。
この程度なら修正は簡単だが、応募要項は本当によく読むべきだなと実感した。
【pixiv「みんなの銀行」イラコン】
「みんなの銀行」Pixiv支店ができるとのことで開催されたイラコンです。
テーマは「虹」。
事前にやること
特になし。PIXIVに登録していればOK。応募要項は読もう。
制作過程
まず、「虹」と「みんなの銀行」の両方の要素を含みたいと考えました。
また、あまり時間がなかったため、短時間で制作できる構図を考えました。
もう一つ付け加えると、ここで求められているような「流行りの絵柄の可愛い女の子」を描くのは難しいと考えたため(そういうのを専門で描いている人のほうが遥かに強いに決まっている)、受賞することよりも、「ちょっと気になる」と思わせることを重視しました。
手のひらサイズのATMを描くことで、「みんなの銀行」の要素を表し、それを虹色にすることで「虹」というテーマに合わせました。
塗りについてはいつもどおりで、特に変わったことは無いです。ただ、爽やかに仕上げようと頑張りました。
応募したイラスト
結果
落選
反省点
- ATMをもっと細かく描き込んだほうが良かった気がする。ATMであることが伝わらない。
- そのつもりで描いていたとはいえ、なかなか地味。
- ていうかいい加減、画力直球の勝負もしませんか? あなた、奇をてらいすぎて滑ってませんか??? とも思った(笑)
【EIZOイラコン】
EIZO株式会社がTwitterを利用して開催したコンテスト。今回で3回目くらいなのかな?
テーマは「秋」
事前にやること
EIZO公式Twitterアカウントのフォロー。あとはいつも通り、応募要項を読むこと。
制作過程
まずラフを作るわけですが、背景のサンプルを増やしたかった&背景を描くのが楽しい時期に突入していたので、背景がメインになることは確定していました。
また、ヒューマンアカデミーのイラコンの際に、奇をてらって寒色系でまとめたので、今度は無難に「秋らしい秋」を描こうと決めていました。
それと同時に、ツイッターアカウントの方向性を「ミステリー系」でまとめようと思い始めた頃だったので、「探偵」などの要素を入れたいと思っていました。
塗りについて。背景はいつもの厚塗りですが、人物はデフォルメを強め、アニメっぽい雰囲気に仕上げました。
応募したイラスト
結果
落選
反省点
- 素人臭さが抜けず、他の応募者の作品と並べた時に違和感を覚えた。
でも、その原因が分からなくて困っている。
手書きっぽい雰囲気のせいはあるんだろうが、それ以外にも何かが違う気がする。 - 女の子がもうちょっと可愛いと良いな。
- クマさんにももっと動きが欲しい。
- 少しパースが崩れている。のが気になる。
【GENSEKIクリエイターコンペティション】
GENSEKIというクリエイター向けプラットフォームが開催したコンペ。
テーマは「紅葉」
事前にやること
特になし! 登録不要とのことで、もし受賞できたら登録しよ! くらいの気持ちで参加しました。
(いたずらに登録するサイトを増やすと、パスワード管理とかが大変になるから、どうしても慎重になってしまうのです。)
だけど投稿後にTwitterとかフォローしてもらってしまって申し訳なくなったので、すみません登録してないです! って思いました(思っただけ)(登録してとも言われてない)。
制作過程
ラフ制作について。
「紅葉」がテーマとのことで、また秋関連のテーマかと思いつつも、頑張ってネタを探しました。
女の子+紅葉みたいな感じで仕上げても良かったのですが、面白みに欠けるので、違う方向性を模索することに。
私の場合は「画力で殴る」ができないので、なおのこと、「面白み」「遊び心」が重要だと考えていました。(何度も言う通り、いい加減画力直球の勝負も(以下略)ではあるが)
だけどサイゲの時の反省があるので、それにプラスで「見ている側に、確実に自分の意図を伝える」ことも重視しました。
さらに、GENSEKIというサイト自体が新しい&前回のコンペの受賞作品があまりTwitter絵師っぽい絵じゃないということもあり、せっかくだからいつもと違う絵柄で挑みたいとも思いました。
そこで今度は、紅葉する樹木を擬人化してみることに。
受賞作品はカレンダーの表紙になるらしいので、そのことも意識しながら、楽しげな雰囲気のラフを制作。
各キャラのデザインは、樹木の特色を反映できるように工夫しました。
塗りは、シンプルにアニメ塗りで仕上げました。
応募したイラスト
結果
落選
反省点
- デフォルメキャラを魅力的に描くのが、本っ当に難しかった。等身を低くしようとしても、気が付くと4-5頭身くらいになってしまうので、後から頑張って2-3頭身に修正した。
しかもなかなか可愛くならないので、まじでデフォルメむず……って思いながら描いていた。
経験値が足りない。 - 印刷を意識して描いたのだが、CMYKで再現できる範囲にするのが大変だった……。
書籍の絵を描きたいなら、そういった点をもっと勉強しなければと思う。 - 構図が微妙になってしまった。この絵柄なら、構図がより重要になるはず。
【まとめ】
結果としては、全部落選! どんまい! っていう感じです。
やっぱり壁は分厚いなと感じました。
しかし、こんなところでくじけているわけにはいかないので、今後も機会を見ながら公募・コンテストへの投稿を続けていこうと思います。
あと、やっぱりもっとデッサン力を上げねばとも思いました。
それから、デフォルメ強めの絵柄の練習も。
ちなみに現在(2021年12月)の活動方針については、こちらの記事『描きたい絵と描ける絵と求められている絵について考える【弱小絵描きの分析】』に
ここに掲載した以外の作品は、こちらのページ『作品一覧』に載せています。
かなり絵柄を変えているところなので、良かったら見に来てください!
そんな感じで、今回の報告会を終わります。
みなさんも、ぜひ一緒に頑張っていきましょう!
甘抹らあでした!