【浜村渚の計算ノート】武藤龍之介さんの魅力をひたすらに語る回 part2(4さつめ~7さつめ)
こんにちは。甘抹らあです。絵を描く人です。
今回は、推し語り第二弾ということで、前回に引き続き、武藤龍之介さんの魅力を語って行こうと思います!
詳しくは前回の記事『【 浜村渚の計算ノート 】武藤龍之介さんの魅力をひたすらに語る回(1さつめ~3と1/2さつめ)』をご参照ください。
早速本題に入りたいところですが、その前に注意事項を。
まず、本編のネタバレが含まれてしまうため、未読の方はご注意ください。
肝心のトリックや、数学的な解説のネタバレはしないように気を付けます。
ただ、武藤さんを語る上で重要な部分には触れています。
(もちろん、引用のルールは守っているつもりです)
そのため、絶対にネタバレが嫌! という方は、読まないようにしてください。
また、作者様や出版社様から「こんな記事を書かないでほしい」等言われましたら、直ちに取り下げるのでご了承ください。
それから、この記事における分析は全て私の主観に基づくものです。
武藤さん大好き・むとなぎ大好き・シリアス展開大好きなオタクの妄言なので、あんまり当てにしないでください。
あと、気を付けてはいるのですが、時々「お前は書評家なのか?」みたいな偉そうな口調になっちゃってるかもしれないです。不愉快だったらごめんなさい。気を付けてはいます、本当に。悪意はないです。
さて、大丈夫そうでしょうか?
それでは、本題に入っていきましょう。
今回は第5巻から第8巻までの語りです。
多分、あと1回(最新刊まで)続きます!
【第5巻『浜村渚の計算ノート 4さつめ 方程式は歌声に乗って』】
log10.モンキィ・ホール・クイズショウ
モンティホール問題を題材にした一編です。
これがまた、めちゃくちゃ面白い! 私が大好きなお話です。
この話で特に好きなのが、pp.53-54のやり取り。
テロリストのモンキィ・ホールが、武藤さんと渚ちゃんのことを「われわれ黒い三角定規の活動を大いに邪魔なされてきた名コンビ」って呼ぶ場面です。
武藤さんと渚ちゃんが、2人セットで認識されてるところにニヤニヤしちゃいました。
私が勝手に思い込んでいるわけではなくて、客観的に見ても、武藤さんと渚ちゃんのコンビが目立ってるんだなと思えたので。
しかも、実はこの場面では、武藤さんと間違われて瀬島さんが攫われているのですが、そのことに気付いた時の反応が面白いです。
瀬島さんは「あんな奴と一緒にするな」と武藤さんのことをディスるし、
そんな瀬島さんのことを、テロリストは「正直、お呼びでないですね」とか言っちゃうし、
さらに渚ちゃんまで便乗して「私も、どうせなら武藤さんがよかったです」とか言っちゃうし。
各々のキャラが出ていて楽しいな~と思いました。
渚ちゃんと瀬島さんのコンビも、これはこれで相性良さそうで良かったです笑。
そして武藤さんがかっこいいのが、88ページのところ。
解決シーンなので、ネタバレ防止のために詳細を伏せますが、みんなで犯人を捕まえます。
この場面がもう、脳内再生余裕でした。
私には見える。
武藤さんの動いている姿が。
そのかっこよさが。
とても良かったです。かっこいい。かっこいいなああ。
まあ、解決策を考えたのは武藤さんではないし、直接犯人を捕まえたのも武藤さんだけではないんですけどね。
いやでもかっこよかったです。
あとは、99ページの描写がすごく好きです。
些細なところなんですけど、ちょっと落ち込んだ感じの渚ちゃんに、瀬島さん・大山さん・武藤さんの3人がそれぞれ声掛けするんですよね。
そこで、武藤さんの言葉を聞いて渚ちゃんが表情を緩めるっていう描写がされていて。
ああやっぱり、武藤さん信頼されてるんだなって思いました。
大山さんもすごく好かれているのに、何が違うんですかね。武藤さんの方が頼られてる度合いが大きいように見えました。
態度が柔和だからかな。私の脳内フィルターのせいかな。
ともあれ、こういうところから読み取れる、武藤さんと渚ちゃんの関係性が好きです。
log100.折る女たち
今度は折り紙のお話。
多くの人が子供のころに遊んだであろう「折り紙」には、数学的な要素が満載です。
今回は、そんな数学とかかわりの深い「折り紙」を操るテロリストと戦います。
好きな場面がたくさんあるのですが、とりあえず武藤さんについて語りたいので、武藤さんのことが分かる場面を。
128ページでは、武藤さんの焼き鳥の好みが「タレ」ではなく「塩」派であることが判明します。
私はタレ派なので、あっ違うな~って思って残念でした。
ちなみに、渚ちゃんはタレ派だそうです。
pp.138-139には、「桜田門ジュラルミンボーイズ」に関する説明があります
桜田門ジュラルミンボーイズというのは、親しみやすい警察組織を作るため、機動隊の一部のメンバーによって結成された、アマチュアダンスチームのことです。
そしてこのチームを率いるリーダーが伏川真輝。
彼が武藤さんとどう関わっているのかというと、「警視総監から表彰された20代の警察官」という点で同じだということです。
今年表彰された20代の警察官は、伏川さんと武藤さんの2人だけらしく、その影響で、お互いに何となく意識しあっているとのこと。
ライバルというほどではないし、一緒に捜査する機会も少ないし、何か特別な感情を抱いているわけでもないんだけれど、でもなんか気になる! みたいなやつですよね。多分。
そういうのめっちゃあるわと共感してしまって、面白かったです。
それと、なんていうかちょっとこの、武藤さんの特別感に萌えてました。
たくさんの人から存在を知られてるんだろうなと思うと、嬉しくなってしまいます。
それから、141ページ。
今回のテロリストたちのターゲットは権田原さんと言い、武藤さんたちは彼の警護を行っています。
この権田原さんというのが、数学を非常に嫌悪している人でした。
あまりの嫌いように、武藤さんは権田原さんに対してあまりいい印象を抱いていなかったのですが、それが141ページで少し揺らぎます。
どうも、権田原さんは、数学教育についていけなくて非常に苦労してきたらしいんですよね。
それで、そのことを思い出してむせび泣き始めるんです。
そんな権田原さんを見て、武藤さんは心の中で、以下のような疑問を呈します。
やっぱりかつての数学教育には、競争意識を煽るあまりに、こういう歪んだ劣等感を持つ人間を生み出してきた側面があったんじゃないだろうか?
――青柳碧人『浜村渚の計算ノート 4さつめ 方程式は歌声に乗って』pp.141-142
この、しごく真っ当な視点が好きです。
多分、権田原さんに対する印象は悪いままなんだと思います。
でも、ちょっと同情してますよね。その上で、「競争意識を煽りすぎていた」という点で、「かつての数学教育」を批判しています。
同情するけど同情しすぎず、比較的淡々と分析を行う思考回路が良いなと思いました。好きです。
続く145ページでは、そのかっこよさがさらに際立っています。
ここでは、黒い三角定規のテロリストが、権田原さんの境遇を自業自得だと言い、彼が数学教育を廃止したことへの恨みを述べました。
それに対する武藤さんが、もう、かっこいい!!!
発言の内容が、完璧に主人公なんですよ。
まず何よりも優しさが感じられるし、数学テロに苦しめられているのに数学好きのことを尊重してくれてるし、適度に理想主義者っぽい感じを出してくるし。
最高です。好きだ。
その後163ページでは、渚ちゃんのことを庇っているシーンがあって(ちらっと)、またかっこよかったです。
最高すぎます……ありがとう……。
ですが、最後はちょっとだけ残念なことになります。
一体どうなっちゃうの!? 次回に続く! といった形で、この一編が終わりました。
log1000.事情だらけの総合病院
そしてすぐに続きがやってきます。
あらすじを描くと前回のネタバレになっちゃうので、そこは割愛させてもらって……
終わり方が、いかにも「ヒキ」って感じでワクワクしました!
それから、この短編でようやっと、渚ちゃんが好きな人の名前が判明するんですよ!
そう、前回の記事を書いたときに「渚ちゃん、武藤さんのこと好きになったの?」的なこと書いたんですけど、この短編を読むと、やっぱりそんなこと無いのかなー? って思わされます。
そんな感じで戸惑ってしまうシーンがこちら。
渚ちゃんと、その友達のセチ、武藤さんの3人で会話をしています。学校でやるらしい劇の話です。
「でも、カンノくんと二人のシーンもあるじゃん」
長谷川千夏が言うと、浜村渚はその手をばしっと叩いた。
「誰? カンノくんって?」
僕は尋ねる。
「カンノくんはうちのクラスの男子で……」
「武藤さん、なんでもないんです!」
浜村渚はなぜか、真っ赤になっていた。
「渚の……」
「わー、セチ、ダメ!」――青柳碧人『浜村渚の計算ノート 4さつめ 方程式は歌声に乗って』p.204
なるほどカンノくん、カンノくんね。
渚ちゃんがカンノくんのことを好きだ(or好きだった?)という事実は、このあと第6巻のおまけ短編で確実になります。
普通に読んだ感じだと、この第5巻の段階では、まだカンノくんのことが好きだったようです。
つまり、前回私が疑った「武藤さんのこと好き?」疑惑はNOっぽいということ! 残念!
……しかし、私は諦めていません。その理由については、第6巻のおまけ短編を分析するときにお話します。
(ただの恋愛ゴシップ記事になっててすみません……。この2人の関係性が好きなんです)
さて、次のシーンに行きましょう。
終盤、武藤さんがとあるキャラに向かって怒るシーンがあります。
前回お話した、ふえるま島で寺森さんに怒った時と比べると、めちゃくちゃガチで怒鳴ってます。(渚ちゃんがびくっとするくらいです。)
怒る姿は「らしくない」んだけど、なぜ怒ったのかというと、それは正義感ゆえでした。
この、正義感ゆえにってところがかっこいいです。
警察官としての矜持、あるいは大人としての責任感みたいなものを感じます。
意外とロマンチストだったり熱血漢だったり、ともかく感情的なところはあるよなあとも思わされます。
だけどそれでいて、ストーリーテラーたる一歩引いた視点も持ち合わせているようです。
好きです。
π 武藤龍之介、非番の日
私が大好きなやつ!!!
なんたって、タイトルに「武藤龍之介」って入ってますからね。武藤さんの話なんですよ、武藤さんの。最高。
内容は、ごく短い一場面を描写したものです。
タイトルの通り、非番の日の武藤さんの様子。
武藤さんが非番で寝ていたところに、謎の電話がかかってきます。
そしてその電話の主は武藤さんのことを「龍之介」と呼ぶのです。
それに対して武藤さんは、「誰だろう? 僕のことを龍之介と下の名前で呼ぶ人間なんて、めったにいない」(p.265)と考え込みます。
それだけ。たったそれだけのワンシーンです。
しかしこれはとても重要な、次回への前フリとなっています。
log10000.オペラ座の未知数
そして……キターーーーーー! ミュージカルですよミュージカル! これが!
これが例のミュージカル回!!!(机バンバン)
まず面白いのは、冒頭ですね。
お弁当が運ばれてくるのに、渚ちゃんと武藤さんはそれを食べません。
なぜかというと、グリンピースが入っているから。
2人とも、グリンピースが嫌いなのでした。
だからってお弁当食べないんかいって突っ込みたくもなりますが(特に武藤さんに対してはそう笑)、嫌いなものは嫌いなので仕方ないですね。
でもグリンピースが嫌いって、意外と可愛いですよね。
ことあるごとに渚ちゃんのこと子どもっぽいみたいに言ってるけど、武藤さんも意外と子どもっぽい気がします(そんなところも好き)。
今回は、作品そのものがミュージカルという大掛かりな物語です。
ワケあって、みんなが歌ったり踊ったりしています。
そして今回も、武藤さん回なんですよ。
……以下、ネタバレが含まれます。
未読の方は、くれぐれもご注意ください。
本質的な「答え」のネタバレはしませんが、「犯人」のネタバレはしてしまいました。
バレ防止のためにスペースを取るので、各々対処していただけると助かります。
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まず、事件解決のきっかけを作るのが武藤さんです。最終的に数式を解くのは渚ちゃんですが、解決策を思いついたのは武藤さんでした。
すごいぞー!
さらに、ここでは数式を解いた答えを「歌いながら」伝えないと、テロリストたちが聞いてくれないという設定なんですが、渚ちゃんは歌うことを嫌がります。
音楽が苦手だから、恥ずかしいというのです。
つまり、答えは出ているのに、歌いたくないから、事件を解決できないみたいな感じ。
ここでの武藤さんの対応が柔軟で、素晴らしかったです。
しかも!
武藤さんと渚ちゃんが、一緒に踊るシーンがあります。(ミュージカルだからね!)
このシーン、挿絵でも武藤さんと渚ちゃんのツーショットがあって最高でした。
ありがとうございます。ありがとうございます。大好きです。
そしてそしてそして!
最後に、先ほどの謎の電話の主が登場します。
彼は、黒い三角定規の新たなリーダーでした。
しかも、武藤さんの知り合いでもあったんです。
いやあの、ほんっとに感動したんですよ。この新リーダーと武藤さんが再会するシーン。
新リーダーの名前は森本洋一郎。
武藤さんは高校生の頃、彼のことを「洋一郎兄ちゃん」と呼んで慕っていました。
その洋一郎兄ちゃんが、敵のトップになってしまったんです。
これ以上ないくらいの胸アツ展開ですよね。
いやーーー。
好きだ。
そんなこんなで、事件が解決します。
そして、この洋一郎兄ちゃんとのあれこれが、次巻以降で語られるわけです。
こうご期待!!!
今回の巻、エピローグ的な場面もまた大好きです。
みんなで焼き鳥を食べているんですが、武藤さんは一人、落ち込み気味なんですよね。
なんたって、黒い三角定規は野放し状態だし、昔からの知り合いが新リーダーになっちゃったんですから。
そんな武藤さんの落ち込みに気付いているのかいないのか(たぶん気づいてない)、渚ちゃんは、「あずさネエさん、今回、武藤さんのアイデアで、方程式、解けたんですよ」と語ります。
可愛いです。
対して武藤さんは、そうやって褒められたことを「だいぶ照れくさい」と感じていました。
驕らない真摯な態度が、とても魅力的です。
あと、最後の方の一文も好きです。良かったら、ぜひ読んでみて、そしてこの感動を分かち合ってください。
【第6巻『浜村渚の計算ノート 5さつめ 鳴くよウグイス、平面上】
プロローグ おでん屋台「あんせるめ亭」にて
武藤さんの過去がついに明かされます。最っ高です……。
初めて読んだ時、最初の数ページでもう絶叫しそうになりましたからね。早朝の電車の中で。
ここはちょっと、武藤さんについて語る上で外せないポイントなので、ネタバレしても良いでしょうか?
ネタバレが増えてきてしまってごめんなさい。なるべく、子細は省きます。
未読の方はご注意を。
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武藤さんは高校生の頃、「ワイルドボア夢農場」という場所で生活していました。
この農場は、怪しい新興宗教のような共同体に運営されている、閉鎖的な空間です。
(そんな生活になってしまった経緯は、実際に本文を読んで確かめてみてください)
農場には、武藤さんと同じように連れてこられた子供たちが30人近くおり、子どもたちは親と別の棟で生活していました。
ここで知り合ったのが、洋一郎兄ちゃんこと森本洋一郎です。
森本洋一郎も色々あって農場に来た人なんですが、なんだかんだで武藤さんは彼を慕い、「洋一郎兄ちゃん」と呼ぶようになりました。
農場で暮らすうち、友達もできて楽しく日々を送っていた武藤さんですが、ある日突然、警察の介入によってワイルドボア夢農場は解体されてしまいました。
以来、武藤さんは農場にいた頃の友人たちと会うこともなく、現在に至るそうです。
農場が解体された時、武藤さんは高校3年生の終わり(にあたる時期)でしたが、大学生にはなれないので、そこから高卒認定を取るために勉強したとのことです。
それで大学に行って、卒業して、警察官になったわけですね。
これ読んだ時、なんでそんなに頑張れたんだろう? って、ビックリしちゃいました。
ロクに勉強してこなかったのに、そこから勉強し直して軌道修正できるってすごいですよね。
めちゃくちゃ努力家だと思います。私だったら無理です。
それに、農場の解体後は周囲から白い目で見られたらしいので、本当に大変だったはずです。
切り替えが早いなあって思いました。
本文には、こんな風に書いてあります。
農場にいた友人たちの行方が気にならないわけじゃなかったけれど、連絡の手段もなく、受験勉強に身を入れたためにすっかり彼らのことは頭の中から薄れていった。
もちろん、森本洋一郎のことも。――青柳碧人『浜村渚の計算ノート 5さつめ 鳴くよウグイス、平面上』p.31
わりあい淡白ですよね。回顧形式だからそうなってるのかもしれないけど。
実際、武藤さんの普段の言動からは、当時の知人友人を気にする素振りなんて一切感じられないので、スッパリ割り切ってるんだろうなという気がします。
存外、他者への関心が薄いというか、大人びているというか。
そんなところも素敵です。
log10.遊星よりの問題X
魔法陣を題材にした作品です。
鑑識23班のみんなが誘拐されてしまい、頑張って助け出そうとします。
解決法が爽快で、めちゃくちゃ面白かったです。
例のごとく、武藤さんの言動に注目して読んでいきます。
まず好きなのが、43ページの台詞です。
いつも通り渚ちゃんを呼び出して、事件の謎を解いてもらうのですが、武藤さんは渚ちゃんに対して「ごめんね、また、学校休ませちゃって」と謝っています。
もはや学校休んで来てもらうのなんて当たり前みたいになってるのに、ちゃんと気遣ってるところが良いですよね。優しいなと思います。
自分が高校に通ってなかったことも関係してるのかなとほんの一瞬だけ考えてから、いややっぱり武藤さんはそのへん気にするタイプではないだろうなと思い直しました。知らんけど。
次に気になったのが、すぐ後の場面、46ページ。
武藤さんが、ホワイトボードに、とある図を書いていたんです。
僕は苦笑いをしながら、可動式のホワイトボードを引っ張ってきた。
――青柳碧人『浜村渚の計算ノート 6さつめ 鳴くよウグイス、平面上』pp.45-46
「浜村さん、整理して書いてみたんだけど」
そこには、僕の字でこんな図が描かれていた。
ここで何が気になったのかというと、ずばり
「武藤さんの字ってどんな感じなの???」
です。
ほんっとにしょうもないですね。
でもこんな、「僕の字で」なんて言われちゃったら、どんな字なのかな? って気になるじゃないですか。
上手なのか下手なのか。右上がりなのか水平なのか。キッチリした楷書の字なのか、崩しめの行書に近い字なのか。
特に言及がないということは、一般的な大人っぽい字だと思うんですけど、いやもう、武藤さんの字を見たくてたまりません。
はあ……ってなりました。
次のシーンに行きましょう。
面白かったのが、51-53ページです。
事件現場に集まった渚ちゃん、大山さん、武藤さんの3人でバランスボールに乗って遊んでるんですよ。
臨時本部として借りることになった場所が、エアロビクススタジオで、たまたまそこにバランスボールがあったからってだけなんですけど……事件の真っ最中なのに、危機感無さ過ぎて笑っちゃいました。
今回の話は、渚ちゃんと鑑識23班のみんな、それに超強力な某助っ人さんが活躍するので、武藤さんは目立っていません。
でもまた、武藤さんと渚ちゃんのやり取りにニヤニヤしちゃうところがあったので、それに言及させてください。
83-88ページの描写です。
エステを終えた渚ちゃんに、武藤さんが話しかけに行きます。
事件の話をしに来たんですけど、渚ちゃんの方は武藤さんに「私の顔、さっきと比べて何か、変わったところ、ないですか?」と聞きます。
どうやら小顔マッサージをしてもらったので、「顔が小さくなったね」って言ってほしいらしいんです。
でも武藤さんは全然気づかなくて、望み通りの返答をしてあげられません。
残念。
このシーンで良いなあって思ったところは3つあります。
1つは、武藤さんが頑張って返答を考えているところ。
これ、本当は事件の真っ最中で、渚ちゃんに謎を解いてもらわなきゃいけないシーンなんですよ。それも、なるべく早く。
それなのに、私の顔何か変わってないですか? って質問されて、真面目に返答を考えるっていう……。
優しいですよね。そんなもん知らんわ! って言わないんですから。
2つ目は、渚ちゃんが普通の中学生って感じで可愛いこと。
「顔が小さくなった」って言ってほしいっぽいのが……可愛いですね……。
こういうところを見ると、急に等身大の女の子になったように感じられて、微笑ましいです。
そして最後の1つは、こんなやり取りをしながらも、バッチリ事件を解決しているところ。
流石、優秀です。
この謎解きが見事で、面白かったです。
で、事件の解決後に森本洋一郎と武藤さんが会話するシーンがあります。
そのやり取りがまた良いんですよ。すごく好きです。
そんな感じで、この話が終わります。
log100.鳩の巣が足りなくても
結末が予想外で面白かった作品です。また、瀬島さんの意外な一面を見ることができました。
瀬島さんの話をする記事ではないので、その意外な一面については各自で確かめていただくとして、再び武藤さんについて見ていきます。
まず、125ページ。
武藤さんたちは、とある不良生徒が学校にナイフを持ち込み、先生に殴られたという話を聞きます。
そこで大山さんが「学校にナイフ持ってくるやつなんて、殴られて当然だってば」といいます。
実際、そう言いたくなるのも分かるくらい、その生徒は性格が悪いです。
でも武藤さんは、そんな大山さんのことをたしなめます。
『気持ちはわかるけど、僕たちは警察官だ』とのことです。
ちゃんとそのあたり線引きしてるのが良いですよね。
この後、学校に立てこもっているテロリスト&人質たちのもとに、武藤さんたちが潜入します。
潜入方法が、いやそれはないだろって突っ込みたくなるくらい斬新で、面白かったです。
そして最終的に事件は解決するんですが、その真相に辿り着いたのは武藤さんです。
探偵役は渚ちゃんって言われてるけど、案外武藤さんが真実に気づくことも多いんですよね。
ホームズとワトソンというよりも、渚ちゃんは数学担当・武藤さんは推理担当で、2人合わせてホームズって感じがします。個人的には。
それから今回、155-156ページらへんの武藤さんがもう本当にかっこよかったです。
頭いいし優しいし、最高ですね。
結局最後は渚ちゃんの力を借りることになるのですが、そこまで含めて「浜村渚の計算ノート」なので、めっちゃ面白かったです。
log1000.パップス・ギュルダン荘の秘密
心の温まるお話でした。すごく好き……。
豪雨の中、車に乗ったまま山道で迷子になった武藤さんたちが、パップス・ギュルダン荘という家に泊めてもらいます。
その家には、なにやら数学的な秘密が隠されているらしくて――? という内容です。
パップス・ギュルダン荘に住む家族はそれぞれワケアリなんですけど、個人的に共感することがあったので、物語に引き込まれました。
好きなシーンは、200ページ以降。
渚ちゃんと武藤さんが、夜中に2人で家の中を散歩する場面です。
トイレに行きたくなった渚ちゃんに武藤さんがついていってあげて、そのままちょっと別の場所も散歩するという流れでした。
そこで渚ちゃんの学校の話を聞いたり、武藤さんが渚ちゃんに助けられたり、この家の秘密に迫ったり、色々なことがありました。
盛りだくさんな一晩です。
これ本当に面白いので、是非読んでください。
log10000.京都、別れの二次関数
この話はもう、とにかくキャラが多い! うるさい! せわしない!
ひたすらに楽しい回です。
京都という町の特性を活かしたトリックも面白かったです。
某警視には、だいぶイラつかされました。
あと、青エクという言葉が出るたびに青の祓魔師を想像してしまいました。青エク知らないけど。
京都へ修学旅行に来た渚ちゃん(+その友達3人)と、黒い三角定規の事件の捜査に来た武藤さんが、京都で起きている様々な事件を解決します。
武藤さんについて見ていくと、まずは260ページ。
京都の警視さんとお話しする場面があります。
この警視さんは、私がさっき、イラつかされたって書いた人です。
武藤さんが巡査長であることを告げると、警視さんは、四階級も上の自分に来やすく話しかけるな(意訳)って言うんですよね。
めっちゃムカつきます。
武藤さんの心境はといえば、「ただただ戸惑うばかり」だそうで、怒ってはいなさそうです。
武藤さんが所属している「黒い三角定規対策本部」は特殊な事情で結成された組織なので、階級なんて関係ないらしくて、警察内部の階級意識がよく分からんってなってるとのことです。
なんか庶民的でいいなって思いました。
そして次に気になるシーンが、286ページ。
※ここからはまた、武藤さんと渚ちゃんの関係性に注目しまくる、恋愛ゴシップ記事になります。
ヒロシくんという少年が登場し、渚ちゃんから数学を教わります。
ヒロシ少年は非常に礼儀正しく、物覚えもいい優秀な男の子です。
そんな2人を見て、渚の友達が「なんかさ、渚とヒロシ君、お似合いなんじゃないの?」と言います。
それに対する反応が、可愛かったんです。
ヒロシ少年は恥ずかしそうにうつむき、浜村渚は真っ赤な顔をして、僕の顔を見上げた。
――青柳碧人『浜村渚の計算ノート 6さつめ 鳴くよウグイス、平面上』p.286
ここ、何で武藤さんのこと見たんだと思いますか?
単に男の人だからですか? お兄ちゃん的な存在だからですか? 1人だけ大人の部外者的なポジションだったからですか? それとも好きなんですか?
色々、聞いてみたくなりました。
さらに、301ページ以降。
修学旅行で泊っているホテルから、渚ちゃんたちが武藤さんに電話をかけてきます。
事件について分かったことがあるからと、報告してくれたのです。
その電話の一番最後で、渚ちゃんの友達が乱入してくるんですけど、そのやり取りが好きです。
きゃははと電話口の向こうで笑ったのは里織亜季のようだ。〈ちょっと、亜季〉〈きゃは、武藤さん、彼女いるんですかー〉〈亜季、聞いてるし〉〈いいこと教えてあげよっかー〉〈なになにー〉〈渚、カンノ、あきらめるってー〉〈わー、スミレ、やめてよ〉〈渚がホントに好きなのは……〉〈わー、セチ、だめだめ〉
青柳碧人『浜村渚の計算ノート 5さつめ 鳴くよウグイス、平面上』p.304
ですよ!??
どういう状況???
結局渚ちゃんは、今、誰が好きなんでしょうか。
カンノくんでしょうか。学校の別の子でしょうか。(名前が出ている男子は、カンノ君のほかにも何人かいるのです)
それとも私の希望的観測通り、武藤さんでしょうか。
非常に……非常に、気になりました。
でもこのやり取りを聞いてもなお、武藤さんは全く意に介してないんですよね。
多分自分とは関係ない恋バナだと思ってるんだろうな。
お年頃の女の子たちが、テンション上がってバカ話してるだけみたいな……。
いや実際そうなのかもしれないけど……。
いやー……。
分からん。
分からんのでこの話はまた保留して、次の場面に移ります。
この後の武藤さんの超かっこいいシーンは、327ページの後半です。
核心的なネタバレはしたくないので、ぜひ自分で読んでみてください。
あと、最後にキューティ・オイラーが出てくるんですよ。
このキューティ・オイラーに対する武藤さんの態度が堪らないのです。
とにかく優しくて、かっこいいなと思いました。
エピローグ 宿題の答え、そして
京都での一件が終わってから、対策本部にて、みんなでお話している場面です。
渚ちゃんが、とある謎を解決してくれます。これがまた面白かったです。
さらに、森本洋一郎による新たな犯行声明がアップロードされます。
その犯行声明を見た後の武藤さんが、最高にかっこよかったです。
私は一体、何回「最高」って言うんですかね。でもどこも最高に思えちゃうんですよね。最高です。
何が良いって、武藤さんの警察官としての強い意志が感じられるところです。
かっこよかったな。かっこいい、本当に。
おまけ 修学旅行のパラボラな夜
ニヤニヤしてしまう、おまけショートショート。
さっきの電話のシーンが、渚ちゃんたち視点で語られます。
渚ちゃんの中学生らしい日常を垣間見ることができて、とても嬉しいです。
ここで渚ちゃんが、武藤さんに電話することを躊躇って、「照れてる」とからかわれたりしていたので、ますます妄想が膨らんでしまいます。
絶対武藤さんのこと好きだと思うんだよなあ……。
公式で否定される日が来るのが怖いから、大きな声では言わないでおくけれども。
うーーーん。
気になります。年の差があったって、いいと思います。
【第7巻『浜村渚の計算ノート 6さつめ パピルスよ、永遠に』】
これも本当に面白いんですよ!
近頃それしか言ってないけど、本当にそうなので。読んでいて楽しかったです!
log10.シスター・メルセンヌの記憶
1篇目は、完全数についてのお話です。
完全数が何かについては、ぜひ本編で渚ちゃんの説明を聞いてください。
キューティ・オイラーの居場所を知っているという女性の証言から、武藤さんと渚ちゃん、大山さんの3人は、とある修道院の調査に行きます。
今度もまた武藤さんについて見ていくと、60ページで可愛らしい一面を見ることができます。
夕食のスープにグリンピースが入ってるんですけど、武藤さんはグリンピースが嫌いなので、避けて食べるんです。渚ちゃんもまたしかり。
2人してグリンピースを取り分けているところを見ると(読むと)、なんだか笑っちゃいそうになります。ここだけ似た者同士って感じで良いですね。かわいい。
ところで、ふえるま島の時には、武藤さん嫌いなもの無いって言ってた気がするんですけど、あればグリンピースが出てきても食べるつもりだったんですかね?
それとも、失念していたとか、出るわけがないと思っていたとか?
ちょっと気になってます。彼の心境が知りたい。
修道院という設定と、完全数のお話、そしてトリックの内容がとても面白くて、個人的に大好きな一作でした。
log100.ナポレオンが見つけてくれた
こちらも大好きなお話の1つです。
ナポレオンサロンという、ナポレオン好きが集まる不思議なサロンで起きた殺人事件を捜査をするお話です。
面白いのが、冒頭からコスプレをさせられているところ。
このサロンでは、たとえ捜査であったとしても、来た人みんながナポレオン風コスチュームに着替えなければならないのです。
しかも、自分のことを「余」、他のお客さんのことを「皇帝陛下」と呼ぶルールまであります。
着替えさせられることに乗り気でなかった武藤さんですが、いざ着替えてみると、意外と気に入ってしまったようです。
鏡を見ながら「悪くない」とか言ってます。可愛いです。人間味があって、親近感を覚えます。
ナポレオンの衣装を着た武藤さんを思い浮かべて、またニヤニヤしてしまいました。
そしてこのサロンには、「偉そうに振舞うこと」という決まりまであります。
そのため、尾財さん(鑑識の人)は「~ぞよ」とかいう偉そうな口調を作って話してるんですけど、武藤さんは、そこは合わせないんですよね。
普通の口調で応対しているのが面白かったです。
それでも、渚ちゃんから「『さん』じゃなくて『陛下』ですよ」と言われた時には、「浜村陛下」と呼び直していました。
あら素敵! って思って、かなりテンションが上がりました。
周りの人たちが武藤さんのことを「武藤陛下」って呼んでるのにも、テンションが上がりました。私が呼ばれてるわけでもないのに、なんだかむずがゆいような。それでいて、何か分かんないけど武藤さんかっこいいなあって思ってしまうというか。
うーーん、言語化が難しい。ともかく、好きです。
それから、110ページ。このサロンで提供されている、ちょっと特殊なチョコレートフォンデュの話を聞いた渚ちゃんが、武藤さんの顔を見上げて「余も(そのチョコレートフォンデュを)やってみたいんです」と言うシーンがあります。
おねだりしてるの可愛いですよね。
渚ちゃんにとって武藤さんは甘えられる相手なんだなーって思いました。
まあでも彼女のことだから、瀬島さんや大山さんが相手でも、同じことを言ったかもしれませんが(笑)
それに対して武藤さんが、「僕は苦笑するしかない」で済ませてるところも、お兄ちゃん感があって好きです。
そして今回も、武藤さんと渚ちゃんが連係プレーで事件を解決するのですが、武藤さんの推理の様子が結構ちゃんと描かれていて、嬉しかったです。
四苦八苦しながら考え、名探偵のごとく自分の推理を披露しているの、めちゃくちゃ素敵でした。一筋縄ではいかなかったけれど、それは仕方がないです。
今作、数学だけでなくナポレオンの知識も増えるので、それも面白かったです。
(あと、ナポレオンって名前の食べ物を色々食べてみたくなりました。)
log1000.集合と孤独のジュース
この1篇は、結構心にグサッと来ました。ネタバレは避けますが、結末が素晴らしいのです。
渚ちゃんが友達のセチと喧嘩しちゃった話をするところから、物語が始まります。
本筋の方は、元アイドル志望だったピーチ★ど★もるがんと、元数学者志望だった男の2人によるテロ活動を食い止めようとするっていう感じです。
この、元数学者志望だった男性の方が、非常に内気な性格で、今までずっと友人関係を築けなかった人らしくて。
私もコミュ障なので、なんだか共感してしまいました。
武藤さんについて見ていくと、200ページでその生態が明かされていて、ドキッとしちゃいました。
大仏さんという公安の方が、三週間前の金曜日の武藤さんの夕食を言い当てるのです。
別にドキッとするような内容ではないんですけど、推しの日常が垣間見れると、それだけでドキッとするじゃないですか。そういうアレです。
「非番だったあなたは、十八時三十四分に寮の近くの中華料理屋『呑竜園』に入り、天津飯と野菜ギョーザを頼んだのですよ。代金は税込み合計で八百五十八円だった」
そうだっただろうか。……そんな気がしてきた。
「あなたのギョーザのタレの調合は、醤油が二に対して酢が三。それにラー油を五滴垂らします」
背筋がぞわりとした。そのとおりだったからだ。――青柳碧人『浜村渚の計算ノート 6さつめ パピルスよ、永遠に』p.200
とのこと。
まず食事の内容については、結構ガッツリ食べてるなという印象。
武藤さんも若い男性なんだなと思いました。
また、時間帯が早めだなと思いました。
私なんかは、早くても七時が夕食の時間なので、六時半に夕食食べるのか! って、カルチャーショックを受けてしまいました。
警察官のスケジュールってそうなんですかね? 健康的だなと思いました。知らんけど。
それから、タレの調合が良いですね!
お酢を多めに入れるタイプなんですね。おいしいですよね!
ラー油も思いっきり入れてますね。おいしいですよね!!
確かに、焼き鳥塩派の武藤さんらしい調合だなと思います。
本編とは全然関係ありませんが、こういう日常的なことを知れて、めっちゃ嬉しかったです。
Intermission.ワイルドボア夢農場の早朝
ワイルドボア夢農場で過ごしていたころの一幕です。
高校生の頃の武藤さんと、洋一郎兄ちゃんが登場します。
なんてことない一場面なんですけど、2人の昔の様子を知ることができて、嬉しかったです。
少し驚いたのは、武藤さんが洋一郎兄ちゃんよりも体力が無かったっぽいことです。警察官になったってことは、この後鍛えたってことなのかなと思うと、少し感動します。
でもこの話、酷いんですよ。
何が酷いのかは言わないでおきますが、私が過激なオタクだったら「私の武藤さんになんてことしてくれるんだ洋一郎!!!」ってブちぎれてるところです。
log10000.魂はピラミッドを彷徨えり
この1篇に関しては、あまり多くを語れません。
というのも、この作品からわかる武藤さん像について語ろうと思うと、しょっぱなからネタバレせざるを得ないからです。
それも、ミステリーファンとしては絶対にバラしてはいけないであろう内容を。
1つだけお話しすると、武藤さんが森本洋一郎のことを「洋一郎兄ちゃん」なんて呼んじゃいけないんだって自分に対して戒めているようなニュアンスが感じられるところがあって、良かったです。
(「ようなニュアンスが感じられる」って表現、めちゃくちゃ婉曲ですね笑)
そして大大大好きなのが、302ページ以降の場面です。
もう、とにっかく武藤さんがかっこいいので!!!!
人によってはかっこ悪いと思うかもしれないけれど、私にとっては、これ以上ないというくらいかっこいいです。
読むたびに心臓バクバクです。
展開がヤバイ。会話の内容がヤバイ。絵面がヤバイ。マジでヤバイ。語彙力。
特にかっこいいのは317ページの最初のところですね。
必死に立ち向かっている感じが堪りません。
どんなシーンだっけ? ってなった方は、ぜひ読んでみてください!
おまけ みんなで遊ぼうナポレオン
作中で登場した「ナポレオン」というトランプゲームの説明です。
渚ちゃんとその友達が、ナポレオンで遊んでいます。
ルールを説明してくれてるんですけど、なかなかに複雑でした。
これを正しく理解して遊ぶのは、大変そう。
作中で、尾財さんがついていけなくなったのも納得できます。
でも何となくは分かったので、いつか誰かとやってみたいですね。
ナポレオンが分かる人を集めなきゃ。
【第8巻『浜村渚の計算ノート 7さつめ 悪魔とポタージュスープ』】
この作品もマジで好きなんですよね。どうしよう、もう好きな話しかない。
log10.深夜マイナス1
武藤さんの入浴シーンから始まる1篇です(語弊)
デロス・キューブという不思議な立体が初登場します。テロリスト黒い三角定規によってデロス・キューブに閉じ込められてしまった人を助けるために奔走するストーリーです。
武藤さん(たち)が危険な目に遭うシーンが多かったので、きゃあきゃあ言いながら読んでいました。
今回の武藤さんの活躍は、頭を使う局面よりも、体を張る局面においてでした。
頭脳戦担当は、ルイ嬢と渚ちゃんっていう感じですね。
というか、ルイ嬢が登場すると、彼女の強キャラ感によって万事解決みたいになりがちな気がします笑
まず武藤さんがかっこよかったのは、35-36ページ。射撃の腕が光っていました。
それから、55-56ページも本当にかっこいいです。武藤さんのたくましい部分を見ることができました。
どんな場面だったか具体的に説明してもいいのですが、うまく躍動感を伝えられる気がしないので、ぜひ原作を読んでください。
解決策が鮮やかで、面白かったです。
いつもよりもハードボイルド調の短編だったのかなと、思ったり思わなかったり。
武藤さんだけでなく、瀬島さんもかっこよく見えました。
log100.不可能彫刻の森
聞いてください!! またしても武藤さんの過去話が出てくるんです!!!
今回の事件で殺害された彫刻家・樋川あひるは、武藤さんがワイルドボア夢農場で生活していたころの友達でした。
人とのかかわりを極度に控える性格だったようです。
彼は大根で作品を作っており、かつての武藤さんは、よく彼と2人で大根のポタージュスープを飲んでいたとのこと。
この、あひると武藤さんが仲良くなったエピソードが95-101ページにて語られています。そこには洋一郎兄ちゃんもチラッと登場しており、なんだか感動してしまいました。
若かりし日の武藤さんたちですよ、もう……!
子どもらしい姿と、当時の彼らなりの悩み、人間関係を垣間見ることができて、とても嬉しかったです。ありがとうございます。
それから、110ページ。あひるの部屋で、武藤さんとあひるの写真を見つけるシーンがあります。
そこの一連の流れが、すごく好きです。
まず、渚ちゃんが、武藤さんの写真を見て「わかっ」って言うんですよ。この反応がいいなあって思いました。
身近な大人の子どもの頃の写真を見ると、大抵その反応になるじゃないですか。
私も脳内で幼い武藤さんを想像し、渚ちゃんと同じように「わかっ」って言ってました。
見たいな、その写真。見たい。
実はコミックス版の方を追えていないのですが、そっちにこの場面収録されていたりするんでしょうか? それとも、10巻のミュージカルの話で終わってるらしいから、ここまでは含まれてないのかな?
気になります。
それから、武藤さんがあひるのことを思い出して、ちょっとセンチメンタルになっています。
過去に関して淡白な態度を取っているように見えるけど、やっぱり武藤さんにとっては大事な時間だったんだろうなと思いました。
高校の3年間に該当する時期ですから、そりゃあ大事ですよね……。
なんだか悲しくなってきます。
ですがここでも流石は武藤さん、切り替えが早いです。
すぐに捜査に戻っています。
こういうところが大人なんですね。かっこいいなと思います。
その後円積問題の解説などを挟みつつ、例のごとく数学を利用して、事件が解決します。
ネタバレになってしまうので、後半について詳しくは書きませんが、152-160ページの謎解きのシーンも大好きです。
武藤さんの口調がどんどん変わっていく(農場にいた頃の、友達と話していたような口調になっていく)のが最高でした。
武藤さんの素の姿に近づいたような気がします。
そして一番最後、二度と会えないであろうあひるに対して、武藤さんが一言ぽつりと言葉を漏らすんですけど、それがまた切なかったです。
渚ちゃんへの、とあるメッセージも。
とても素敵な1篇でした。
log1000.プレゼントにリボンをつけて
今回は、充填問題というものが登場しました。そして、みんなで人質の命を懸けたボーリングを行います。(詳しくは本編を読んでください。)
まずは、194-198ページの数学の話をしているシーンが、微笑ましくて素敵でした。
次に217ページ以降のボーリングが始まってからのシーンでは、武藤さんが活躍していました。
一投目でストライクを出すわ、狙ったところにピンポイントで当ててくれるわの大活躍で、あなたは少女漫画のヒーローなのか?? って聞きたくなるくらいでした。
射撃の腕もいいし、相当身体能力高いですよね。
シンプルにかっこいいです。
努力のたまものなんだとしたら、改めて、大変な努力家なんだろうなと思わされます。
好きです。
それから、229ページ以降も面白かったです。
キューティ・オイラー(テロリスト)が武藤さんにおねだりをするんですけど、それが可愛くて小憎たらしいなっていう。
未読の方は、ぜひぜひ読んでみてください。
log10000.数学手本忠臣蔵
こちらは、和風で楽しい1篇でした。
タイトルにある通り、忠臣蔵がモチーフとなっています。
テロリストの名前は「大石ペアノ助」です。語呂が良い。
武藤さんについて見ていくと、かっこいいシーンは数多あれど、特に良いのが280ページ以降のところです。
事情があって、危険な罠が張り巡らされた屋敷の中を歩かなければならなくなります。
命の保証は無いと言われるくらい危ない罠なんですけど、武藤さんは率先してそこに出て行くのです。
実際、屋敷の中を歩いているうちに相当危うい目に遭ってしまい、気の毒でした。死ぬわけがないと分かりつつも、冷や冷や。
(推理小説なんてのは定石を外すのが定石みたいなものなので、正直何があるか分からないのです)
あ、あと、瀬島さんがめっちゃ良かったです。やっぱり彼のことも好きだなと思いました。
それから、次にドキッとしたシーンは311ページ以降です。
アドミラル・ガウスもとい洋一郎兄ちゃんが登場するのですが、彼が武藤さんに向かってこう言うんです。
「しかし、君のたくましい姿を見るのは、嫌いじゃないんだ」って。
たくましい姿。
このフレーズがめちゃくちゃリフレインしてしまってうわあああってなりました。
私、「たくましい」とか「精悍な」っていう言葉が好きなんですよ。
どうしてかは分からないのですが、その言葉を聞くだけでなんだかドキドキしてくるのです。
特に、好きな人に対してその言葉が使われている時には。
頼りになる感じがあるからでしょうか。
なので、洋一郎兄ちゃんが武藤さんに対してこの言葉を使ったことに、もうものすごくドキドキしてしまいました。
(誤解の無いように言っておきますが、BL的な妄想をしたわけではないです。私が武藤さんにドキドキしてるだけなので)
この7さつめでは、今まで書いてきた通り、武藤さんが体を張って活躍する部分が多かったです。
それも、最後のこの「たくましい姿」っていうところに帰結させるためだったのかなと思いました。
(もちろん適当なこと言ってるだけなので、信用しないでください。例の深読みというやつです)
武藤さんの過去を本編に絡める場合、昔の武藤さんと今の武藤さんの「共通点」と「相違点」がそれぞれ描写してもらえると、読者としてはテンションが上がるわけで。
(武藤さんに限らず、洋一郎兄ちゃんや、さっきのあひるさんについてもそうなのですが。)
ここで、わざわざ洋一郎兄ちゃんに「たくましい姿」と言わせることで、武藤さんが成長したみたいな雰囲気を出してくれるのは本当に嬉しいんですよ。
このあたり、すごくいいですよね。好きです。
話が逸れてしまいましたが、物語に戻りましょう。
この後は、後日談的な話になります。
武藤さんが渚ちゃんのことを心配しているのを見て、優しいなあって思いました。
あと、瀬島さんも意外と優しかったです。あの態度は優しさによるものだったと思う。多分。
渚ちゃんはいつも通り可愛かったです。
エピローグ 裁判
こちらは、ある重要人物の裁判の場面です。武藤さんと瀬島さん、渚ちゃんの三人が傍聴人として聞いています。
ちなみに起訴状を読み上げていたのは、武藤さんの大学時代の友達の宮下さんでした。久しぶりに見た気がします。ちょっと嬉しかったです。
最後は新たな謎が提示され、次回に続くっていう感じで終了しました。
ということで、待て次回!!
【まとめ】
こんな感じで今回も、武藤さんの魅力について語ってきました。
とにかく優しくて、親しみやすくて、かっこいい。
本当に素敵なキャラだと思います。
ぺらっぺらなまとめでごめんなさい。
彼のことが気になった方は、ぜひ本編を読んでください!
一度読んだけど忘れちゃったなという方も、是非もう一度読んでみてください!
以下、浜村渚シリーズとは関係のない余談です。
私には最推しのキャラが3人います。
1人は、今までお話してきた武藤さん。
もう1人は、『進撃の巨人』のジャン・キルシュタイン。
そして最後の1人は、オリジナルキャラクターの川口誠二さん。
(誠二さんは、二次創作中のオリキャラ等ではなく、完全一次創作の小説に登場するキャラです)
他にも何人か、最推しに入るかもしれないキャラはいるのですが、線引きが難しいので、とりあえずこの3人の名前を挙げておきます。
私は、この3人に対して恋愛感情と呼んでも差し支えの無い感情を抱いています。
そのくらい大好きです。
しかし、武藤さんには渚ちゃんがいますよね。
また、『進撃の巨人』をご存じの方なら分かると思いますが、ジャンにはミカサがいます。
誠二さんなんて、妻子持ちです。
つまり、私が彼らに恋情を抱くことは許されないのです。
彼らの幸せを願うのであれば、なおのこと。
むとなぎもジャンミカも大好きで応援してるんだけど、応援すればするほど、私の入る余地が無いという事実に直面するわけです。
(この略称の意味が分からない方はスルーしてください。すみません)
悲しいなあと言いながら、この記事を終えます。
でも、むとなぎもジャンミカも成立してほしいです。
結局何が言いたかったのかというと、特に何でもないです。
まとめが短すぎたので、思いついたことを書き足しました笑
では、ここまで読んで下さって、誠にありがとうございました。
そのうち、武藤さんについて語る回の最後の1回の記事も書くと思います。
良かったら、また覗きに来てください。
甘抹らあでした!
- part1の記事→『【 浜村渚の計算ノート 】武藤龍之介さんの魅力をひたすらに語る回(1さつめ~3と1/2さつめ)』
- part3の記事→『【浜村渚の計算ノート】武藤龍之介さんの魅力をひたすらに語る回 part3【8さつめ~9さつめ】』